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【ペンハリガン】LP No.9 フォーメン(クリスチャン・プロヴェンザーノ)

ペンハリガン
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LP No.9 フォーメン

原名:LP No.9 for Men
種類:オード・トワレ
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:1999年
対象性別:男性
価格:100ml/10,670円

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清らかさで誘き寄せ、スパイシーな甘さで、もう離れられなくする。


20世紀の世紀末、ペンハリガンは低迷期に差し掛かっていました。そんな1998年のバレンタインデーに発売された「LP No.9 レディース」に引き続き、翌1999年のバレンタインデーに発売されたのが「LP No.9 フォーメン」です。クリスチャン・プロヴェンザーノにより調香されました。

〝LP〟とは〝Love Potion=媚薬〟の略です。Love Potion No.9、それは1964年にサーチャーズ(英国)により全米No.3のヒットを記録した大ヒット曲の名を冠し、その世界観=墨汁の匂いを投影させた〝情痴を誘う愛の嵐〟の香りです。

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女性が愛する男性に、もっともプレゼントしたくない香り

1999年に発売された当時のボトルのカラーは〝黒〟でした。

ノストラダムス(と五島勉)が大予言した「恐怖の大王」の代わりに、世紀末に到来した〝悪魔のようなあなた〟を生み出す『恐怖の香水』、それがこの「LP No.9 フォーメン」です。この〝恐怖の媚薬〟が、もし2024年のバレンタインデーに復刻されたらどうなるでしょうか?

そんな〝甘い悪魔〟を生み出す〝恐怖の媚薬〟の香りは、フレッシュで爽やかなベルガモットとオレンジが苦味と酸味をスパークリングさせる中、恋の衝動を駆り立てる幻想的なローズウッドが注ぎ込まれるようにしてはじまります。

すぐに鋭いクローブを中心にシナモン、ナツメグ、ペッパーといったスパイスがフレッシュなグリーンとジンジャーエールを煉り合わされていくように広がってゆきます。はじまりは、甘さがまったくなく、清涼感に満たされていくようです。

やがて、ゆっくりと真綿で首を絞めるように……ここからがこの〝恐怖の媚薬〟の真骨頂となります。それはムスクとアンバーの渦巻く星雲に囲まれ、オリス、イランイラン、ローズ、ジャスミンのフローラルブーケのコントラストが、酔わせるような中毒性を生み出してゆくのです。

清らかな男性の中に潜む〝悪魔の化身〟を見てしまった女性が、恐れながらもどんどん惹きつけられていくようです。

この〝媚薬〟の恐ろしさとすばらしさは、まず着用するあなた自身の心を奪い、乗っ取り、意中の相手も、巻き込んでいくところにあります。そして、最後に甘いパチョリとバニラが、ふたつがひとつになるように、魔法をかけ、どこまでも堕ちていく感覚に、ためらいも捨て溺れていくのです。

牧歌的な清らかな交際の香りというよりは、ドロドロした背徳の沼の中で情痴を誘うような漆黒の香りです。つまりは、2024年のバレンタインデーに復刻されたとしても、テスターで試した女性は、愛する男性のために決して購入することはないであろう香りです。

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香水データ

香水名:LP No.9 フォーメン
原名:LP No.9 for Men
種類:オード・トワレ
ブランド:ペンハリガン
調香師:クリスチャン・プロヴェンザーノ
発表年:1999年
対象性別:男性
価格:100ml/10,670円


トップノート:マンダリン・オレンジ、パリサンダー・ローズウッド、ベルガモット
ミドルノート:クローブ、シナモン、ナツメグ、ペッパー、オリス、イランイラン、ローズ、ジャスミン
ラストノート:アンバー、パチョリ、ムスク、バニラ