究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

『風と共に去りぬ』Vol.10|オリヴィア・デ・ハヴィランドとアカデミー賞

その他の伝説の女優たち
その他の伝説の女優たち
この記事は約7分で読めます。
当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

オリヴィア・デ・ハヴィランド、アカデミー主演女優賞二度受賞する。

オリヴィア・デ・ハヴィランド(1916ー2020)は、1943年8月にワーナー・ブラザーズを相手取り、出演拒否に対する契約期間延長処置への訴訟を起こし、勝訴しました。このことにより俳優仲間たちから敬意と賞賛の的を得ることになりました。

オリヴィアと不仲だった妹のジョーン・フォンテインさえも「ハリウッドはオリヴィアに途方もなく大きな借りがあります」とコメントしているほどです。しかし、その後2年間に渡り、オリヴィアはワーナーの妨害により映画界から干されることになりました。

オリヴィアという女性は、メラニーの役柄と同じように芯の強い人でした。結果的に、彼女は、組織的な人間の悪意に打ち勝ち、『遥かなる我が子』(1946)と『女相続人』(1949)で、アカデミー主演女優賞を2度も受賞したのでした(そして、フランス人と結婚し、1950年代以降はパリで生活することになりました)。

一方、ジョーン・フォンテインも『断崖』(1941)でアカデミー主演女優賞を受賞しており、アカデミー主演賞を獲得した唯一の兄弟姉妹になりました。

映画というものは、ファッションのスタイリングにとても似ていると言われます。それは一つだけが目立っても駄目であり、何よりも調和=バランスが取れていないと駄目ということ。『風と共に去りぬ』は、全てにおいて完璧なまでに調和が取れていました。

そして、そのキーとなったのは間違いなく、オリヴィア・デ・ハヴィランドが生み出す「安らぎ」とヴィヴィアン・リーが生み出す「激しさ」の見事なバランスだったのです。

メラニーのイメージとは真逆のゴージャスなオリヴィア、1938年。

ウォルター・プランケットとオリヴィア。

メイクアップ・テスト撮影。

スポンサーリンク

メラニー・ハミルトンのファッション5

クリスマスドレス
  • ダークネイビーのスクエアネックラインのディナークリノリンドレス
  • バーガンディーのショール

南北戦争中に行われた、メアリーとアシュレー夫婦とスカーレットのクリスマス・ディナー。

アシュレーの南軍の将校服がとても凛凛しいです。

夫アシュレーのモデルは原作者の縁者であるドク・ホリデイでした。『OK牧場の決斗』のモデルになった人です。

原作を読んで、オリヴィアは、スカーレットではなく、「私だけがメラニーに命を吹き込める」と確信したのでした。

衣装合わせのためのテスト撮影。

スポンサーリンク

メラニー・ハミルトンのファッション6

エプロンドレス
  • ラベンダー色のクリノリンドレス
  • ダークブラウンのエプロン
  • 首元にブローチ

私はメラニーのとても深い女性的な資質を、犠牲的な精神として悲劇的に描かれないように、何とかして生かすべきだと思った。だから私は彼女の役を解釈したいと思った。彼女は、愛情深く、思いやりのある人でした。そして何よりも重要なのは、彼女が幸せな人だったということです。

オリヴィア・デ・ハヴィランド






ウォルター・プランケットのデザイン画。

スポンサーリンク

メラニー・ハミルトンのファッション7

出産祝いの時のドレス
  • ブラックドレス
  • ブラックヘッドドレスにパープルのリボン

少しだけ登場するドレス。

全体像が映るのはほんの一瞬だけ。

この写真により、下の衣装と同じであることが分かります。



スポンサーリンク

メラニー・ハミルトンのファッション8

パーティードレス
  • パープルサテンドレス、クリノリンスタイル

すごいドレスで登場するスカーレットを快く迎えるメラニー。

メラニーとアシュレ-

監督のヴィクター・フレミングと、ケーキカットするオリヴィア・デ・ハヴィランド。

メイクアップ・テスト撮影。

スポンサーリンク

クラーク・ゲーブルの涙

1930年代の偉大なるハリウッド・スターであるクラーク・ゲーブル(1901-1960)にとって、当時、男性が涙を流すシーンを撮影するということは、大きな抵抗感がありました。

スカーレットを階段から突き落としてしまい(実際には突き落としてはいないが)涙を流して後悔するレット・バトラーのシーンを上手く演じることが出来なかったので、演出に不満を感じたヴィヴィアンとフレミングは言い争いになり、フレミングはセットから出て行ってしまったのでした(疲労困憊だったので2週間の休暇が与えられた)。

その時、オリヴィアは、クラークに「涙はあなたの弱さではなく、男としての強さから生み出されたものなのよ」と励ましてくれたのでした。



作品データ

作品名:風と共に去りぬ Gone with the Wind (1939)
監督:ヴィクター・フレミング
衣装:ウォルター・プランケット
出演者:ヴィヴィアン・リー/クラーク・ゲーブル/オリヴィア・デ・ハヴィランド/レスリー・ハワード