アカデミー主演女優賞二回受賞
オリヴィア・デ・ハヴィランドは、1943年8月にワーナー・ブラザーズを相手取り、出演拒否に対する契約期間延長処置への訴訟を起こし、勝訴しました。このことにより俳優仲間たちから敬意と賞賛の的を得ることになりました。
オリヴィアと不仲だった妹のジョーン・フォンテインさえも「ハリウッドはオリヴィアに途方もなく大きな借りがあります」とコメントしているほどです。しかし、その後2年間に渡り、オリヴィアはワーナーの妨害により映画界から干されることになりました。
オリヴィアという女性は、メラニーの役柄と同じように芯の強い人でした。結果的に、彼女は、組織的な人間の悪意に打ち勝ち、『遥かなる我が子』(1946)と『女相続人』(1949)で、アカデミー主演女優賞を2度も受賞したのでした(そして、フランス人と結婚し、1950年代以降はパリで生活することになった)。
一方、ジョーン・フォンテインも『断崖』(1941)でアカデミー主演女優賞を受賞しており、アカデミー主演賞を獲得した唯一の兄弟姉妹になりました。
映画というものは、ファッションのスタイリングにとても似ていると言われます。それは一つだけが目立っても駄目であり、何よりも調和=バランスが取れていないと駄目なのです。『風と共に去りぬ』は、全てにおいて完璧なまでに調和が取れていました。そのキーパーソンは間違いなく、オリヴィア・デ・ハヴィランドが生み出す「安らぎ」とヴィヴィアン・リーが生み出す「激しさ」の見事なバランスだったのです。
メラニー・ハミルトン スタイル5
クリスマスドレス
- ダークネイビーのスクエアネックラインのディナークリノリンドレス
- バーガンディーのショール

ワードローブ・テスト撮影。
メラニー・ハミルトン スタイル6
エプロンドレス
- ラベンダー色のクリノリンドレス
- ダークブラウンのエプロン
- 首元にブローチ
メラニー・ハミルトン スタイル7
パーティードレス
- パープルサテンドレス、クリノリンスタイル
クラーク・ゲーブルの涙
まだ1930年代の偉大なるハリウッド・スターであるクラーク・ゲーブルにとって、男性が涙を流すシーンを撮影するということは、大いなる抵抗感がありました。
スカーレットを階段から突き落としてしまい(実際には突き落としてはいないが)涙を流して公開するレット・バトラーのシーンを上手く演じることが出来なかったクラークにとって、映画の中だけでなく、本当にオリヴィアは、「涙はあなたの弱さではなく、男としての強さから生み出されたものなのよ」と励ましてくれたのでした。
作品データ
作品名:風と共に去りぬ Gone with the Wind (1939)
監督:ヴィクター・フレミング
衣装:ウォルター・プランケット
出演者:ヴィヴィアン・リー/クラーク・ゲーブル/オリヴィア・デ・ハヴィランド/レスリー・ハワード
- 【風と共に去りぬ】スカーレット・オハラという女の一生
- 『風と共に去りぬ』Vol.1|ヴィヴィアン・リーとスカーレット・オハラ
- 『風と共に去りぬ』Vol.2|ヴィヴィアン・リーのウディングドレスと喪服
- 『風と共に去りぬ』Vol.3|ヴィヴィアン・リーの夕陽の中での下剋上宣言
- 『風と共に去りぬ』Vol.4|コロンを飲むヴィヴィアン・リー
- 『風と共に去りぬ』Vol.5|ヴィヴィアン・リーとウォルター・プランケット
- 『風と共に去りぬ』Vol.6|ヴィヴィアン・リーとアカデミー主演女優賞
- 『風と共に去りぬ』Vol.7|オリヴィア・デ・ハヴィランドという天使
- 『風と共に去りぬ』Vol.8|オリヴィア・デ・ハヴィランドとアカデミー賞