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『風と共に去りぬ』Vol.2|ヴィヴィアン・リーのウディングドレスと喪服

ヴィヴィアン・リー
ヴィヴィアン・リー 女を磨くアイコン 映画女優
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あなたこそ、スカーレットだ!

『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラ役は、他のあらゆる映画の配役よりも特別だと言われています。1936年に出版され、世界的ベストセラーとなったマーガレット・ミッチェル(1900-1949)の原作の映画化にあたり、プロデューサーのデイヴィッド・O・セルズニックは、5万ドルの費用と1400人の面接を行い、2年半の月日を費やし、ウエスト43cmのスカーレットを演じる女優を捜しました。しかし、結局女優が決定されずに1938年12月、撮影が開始されたのでした。

初撮影はアトランタの大火のシーンからでした。『キング・コング』(1933)と『小公女』の古いセットを改装して、南北戦争時代の建物に見えるように作り変えられていました。

スカーレットは三人に絞られていた。ベティ・デイヴィスは希有の才を広く認められ、事実最高の女優だったが、マーガレット・ミッチェルの描写にはほど遠かった、ポーレット・ゴダードは容貌はもっとも近かったが、演技力に疑問があった、ジーン・アーサーは三人の中でもっともダークホースの利点を持っていた。

ローレンス・オリヴィエ

そこに見学でやってきたのが、イギリスから訪米していたローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーでした。この時、ヴィヴィアンは、デイヴィッドと明るく笑顔で会話した後に、突然、無言になり、焼け跡となったアトランタのセットを見つめ、涙を一筋流したと言われています。そして、この表情を見て、デイヴィッドは「スカーレットがここにいる!」と感じたと後に回想しています。

「緑の目が端正なふるまいとはうらはらに、いきいきと輝いている」。こうしてスカーレット役の最終候補は、ポーレット・ゴダード、ジーン・アーサー、ジョーン・ベネット、そしてヴィヴィアン・リーの4人に絞られたのでした(スクリーンテストの後、当初監督予定だったジョージ・キューカーの絶賛もあり、ヴィヴィアンに決定したのでした)。

一方、キャサリン・ヘプバーンは、デイヴィッドに直談判して、こう言い放ちました。「この役が実際には私のために書かれたものであることをご存知でしょ?私こそがスカーレット・オハラよ。だったら私がスカーレットを演じるべきでしょ?」と。しかし、デイヴィッドの答えは「私としてはクラーク・ゲーブルが10年間きみを追い続けるなんて想像できない」と冷静に答えたのでした。

GONE WITH THE WIND Screen Tests for Female Characters
Casting for "Gone with the Wind"

実に興味深いテスト・フィルム。ヴィヴィアン・リーがとにかく美しく。そして、姿勢が良いことが分かる。そして、オリヴィア・デ・ハヴィランドが、健康的で元気いっぱいなことも良く分かります。

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スカーレット・オハラ スタイル3

ウエディングドレス
  • 白のウエディングドレス、ジゴ袖(レッグ・オブ・マトン)、絹の葉と蔓が縫い付けられている
  • 三連パールネックレス
  • 白のサテンのロンググローブ
  • 膨らみのあるウエディングベール

本作には、意外なことに数多くのドレスが登場する(喪服は3回!)のに、ウエディングドレスは一回しか登場しません。しかし、このウエディングドレスは、ジゴ袖(レッグ・オブ・マトン)をはじめとする独特なシルエットで今もウエディングドレスをデザインする人々に大いなるインスピレーションを与えています。

膨らんだネットが小顔効果を生み出す。

メアリー・ハミルトンを演じたオリヴィア・デ・ハヴィランド

ジゴ袖は、閉じた天使の翼のシルエットを生み出してくれます。

ジゴ袖がよく分かる衣裳テスト写真。

スカーレット・オハラ スタイル4

喪服ドレス
  • 黒の喪服ドレス、クリノリンスタイル、フロントに沢山のくるみボタン
  • 黒のヘッドドレス(あご紐をリボン結び)とシフォンショール
  • 黒のショートグローブ

喪服で踊るすごいシーン。

レット・バトラーに扮するクラーク・ゲーブル。

喪服ドレスの全体像。

休憩中にチャイニーズ・チェッカーに勤しむ主役の二人。

衣裳テストの写真。

ウォルター・プランケットのデザイン画。

Gone with the wind Atlanta Bazaar
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3年間喪服で過ごさなければならなかった時代


19世紀半ばの南部において、未亡人は3年間ブラックドレスを着なければならなかった。そして、レース、リボン、花飾りといった類の派手な装飾は一切身につけてはいけませんでした。

だからこそ、人一倍自分を飾り立てることに喜びを感じるスカーレットは、室内でオニキスのブローチとパープルのヘッドドレスをつけて自分を哀れみ、「悲しいふりをするのなんてもう嫌!」とベッドに泣き伏せるのでした。

そして、慈善パーティでレット・バトラーの誘いに応じ喪服で踊り狂い、周りの顰蹙を買うのでした。そんな彼女が、レットからプレゼントされたグリーンのヘッドドレスをつけるのです。この作品におけるグリーンは、スカーレットにとって善悪を超えた生命力を呼び覚ます意味合いを持っています。

スカーレット・オハラ スタイル5

クリスマスドレス
  • ダークグリーンのシルクブロケードドレス、クリノリンスタイル
  • 白襟にカメオブローチ
  • 鶏冠のようなヘッドアクセ

南北戦争中のメアリーとアシュレー夫婦とのクリスマス・ディナー。

とても羨ましそうに二人を見つめる絶妙な表情。

ヴィヴィアンの真骨頂は、こういった儚い表情にあります。

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スカーレット・オハラ スタイル6

クリスマスドレスPART2
  • バイカラードレス(白と赤)、クリノリンスタイル、パフスリーブ
  • 赤いヘアリボン
  • 白いサッシュベルト

クリスマス休暇が終わり出征するアシュレーを送るスカーレット。

特徴のあるサッシュベルト。

明らかにオープニングのドレスを意識したムードです。

オープニングのようにヘアリボンをつけるスカーレット。

手鏡でメイクを丹念にチェックするヴィヴィアン。

このドレスの全体像の分かる写真。

ウォルター・プランケットのデザイン画。

作品データ

作品名:風と共に去りぬ Gone with the Wind (1939)
監督:ヴィクター・フレミング
衣装:ウォルター・プランケット
出演者:ヴィヴィアン・リー/クラーク・ゲーブル/オリヴィア・デ・ハヴィランド/レスリー・ハワード

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