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【ディオール】ラ コル ノワール(フランソワ・ドゥマシー)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
クリスチャン・ディオール
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ラ コル ノワール

原名:La Colle Noire
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:40ml/15,950円、125ml/34,100円、250ml/48,400円
公式ホームページ:DIOR

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クリスチャン・ディオールの聖地〝ラ コル ノワール〟

©DIORBEAUTY

ラ コル ノワール城 ©DIORBEAUTY

私は〝ラ コル ノワール城〟の建物を香りにしようとしたのではなく、この建物を取り巻く〝ディオールの精神〟をボトルの中に投影しようと考えました。まず最初に、ムッシュ・ディオールがかの地を購入したとき、庭園も含めてあまり良い状態ではありませんでした。

そこでムッシュがいちばんはじめにしたこと、それは庭園にセンティフォリアローズを植えることでした。このローズから寂れ果てていた〝ラ コル ノワール城〟は、〝ディオールの楽園〟へと生まれ変わっていったのでした。

フランソワ・ドゥマシー

ディオールの「ラ コレクシオン プリヴェ クリスチャン ディオール」は、2004年に「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」「ボア ダルジャン」という3種類の香りからはじまりました。そして、2009年に「アンブル ニュイ」が発売され、2010年に一挙7種類の香りが発売され、「コローニュ ブランシュ」「オー ノワール」が廃盤となり全9種類となりました。

その翌年の2011年に「パチョリ アンペリアル」、2012年には2種類の香りが発売されました。そして、2013年には「グリ モンテーニュ」が発売され「ミッツァ」が廃盤となり、2014年に「キュイール カナージュ」、2015年に「フェヴ デリスィオーズ」、さらに2016年に発売されたのが「ラ コル ノワール」でした。

1950年代にパリモード界のみならず、世界のモード界の寵児となったクリスチャン・ディオールが、もっとも愛した別荘〝ラ コル ノワール〟をテーマにしたこの香りは、グラース近郊のかの地で彼が愛したメイローズやジャスミンなどの自然の空気と、パリの喧騒から離れ、新しいクリエイションに臨む瞑想のひととき、そういった〝新しいものが生まれる安らぎ〟への賛歌として、ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。

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ムッシュ・ディオールの愛した、ラ コル ノワール城について

ラ コル ノワール城 ©DIORBEAUTY

ラ コル ノワール城 ©DIORBEAUTY

春になると、グラース地方にあるクリスチャン・ディオールが最も愛したラ コル ノワールの庭園は、センティフォリアローズで満開となります。 肉厚で蜂蜜のようなフルーティな香りが漂う特別な瞬間です。 このフレグランスは、この魔法のような場所と、私の子供時代を過ごした土地に生えるこのユニークなバラへの賛歌です。

フランソワ・ドゥマシー

クリスチャン・ディオールは1947年2月12日に「ニュールック革命」を起こした後、ファッション業界のみならず、フランス社交界の寵児となったこの時期、週末に平穏な時間を過ごし、クリエイションに励むために、1948年にパリ郊外のミリー ラ フォレの近くに15世紀に建てられた古い水車小屋「ムーラン デュ クードレ」を見つけ購入しました。

やがて、アメリカを中心に『世界のディオール』へと急成長を遂げていた1950年の10月25日(この年ディオールはフランスのオートクチュール品の輸出総額の49%を単独で占めるようになっていた)に、カンヌから40キロ、グラースから18キロに位置し(第二次世界大戦中に父と妹と共に疎開していたカリアンの近く)、プロヴァンス地方にあるラ コル ノワール城を購入したのでした。〝ラ コル〟とは、この城があるファイヤンス地方モンタルーの丘を意味します。

ムッシュが一目惚れしたこの城は、元々は1858年から61年にかけて建てられたものでした。ネオ・プロヴァンス様式の邸宅として1955年からディオールが亡くなる1957年まで修復工事が行われました(マルク・シャガールの別荘などを修復した建築家に依頼された)。

そこには50ヘクタールに及ぶ広大な庭園があり、春にはローズ・ドゥ・メ(=メイローズ、センティフォリアローズ)やジャスミングランディフローラム、ラベンダーを栽培するようになりました。ローズ・ドゥ・メは、クリスチャン・ディオールが最も愛した花でした。さらに庭園に、邸宅を水面に映し出すプールを作り、邸内はルイ15世時代の家具で装飾されました。

彼は1956年の自伝に「ラ コル ノワール城は、もし神が私に長い生命を貸して下さったら、私が引退するための場所として、私が人生を閉じるとき、子供時代に戻りたいという思いを込めて、庭園を含め、作り上げた〝本当の家〟なのです」と書いています。

彼はシャガールやジャン・コクトー、ロジェ・ヴィヴィエ、ベルナール・ビュフェなど数人の親しい友人にだけ、名刺の裏に住所を書いて渡し、1956年8月8日にこの〝本当の家〟をお披露目したのでした。

やがて、ムッシュの死後、ディオール家の手を離れていたこの城は、60年の時を経て、2013年にパルファム・クリスチャン・ディオールが購入し、2016年5月9日に復活し、グランドオープンしました。

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ディオールがグラースで提携している二つの農園

1957年にラ コル ノワール城で過ごすムッシュ・ディオール ©DIORBEAUTY

グラース・ジャスミンとメイローズは、類まれな香りの結果をもたらす。力強さと繊細さという点で、他のどの花もこれらを超えることはできない。

フランソワ・ドゥマシー

コレクションの後、次のクリエーションのための栄養補給の場としてムッシュ・ディオールが滞在していたこの地の空気を香りにしてみようという考えがこの香りのコンセプトです。

この香りや他のディオールの香りのために使用するメイローズとジャスミンの供給源として、ディオールは「ドメーヌ ドゥ マノン」と「ル クロ ドゥ カリヤン」という二つのバラ園と提携しています。

1キロのメイローズアブソリュートを作るためには30万本のメイローズが必要です。1キロのメイローズアブソリュートの価格は15,000ユーロです。一方、1キロのジャスミンアブソリュートの価格は100,000ユーロです。ちなみにメイローズの寿命は15年、ジャスミンの寿命は35年です。
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貞淑で無邪気な、美しすぎる罪作りな薔薇の香り

©DIORBEAUTY

プロヴァンスの太陽の光があなたの魅力を搾り出してくれるように、軽やかに弾けるレモンと共にこの香りははじまります。すぐに透き通るように甘くフルーティなメイローズが、スズランとピオニーの伴奏に乗って素肌に到来します。

それはまるで摘み立てのメイローズのようにみずみずしく、繊細で、うっとりするほど物憂げで、素肌の上に着地するのではなく、素肌を透かして、心の空白を満たしてゆくローズウォーターのように、優しく愛撫するように甘やかに広がってゆきます。

そして、ブラックカラントとピーチ、ラズベリーが、それぞれ見つめ合い、抱擁し、生の果実のエキスを滴らせてゆきます。そこにスパイシーなクローブ、ヘリオトロープが加わり、溶け合い、陶酔させるような蜂蜜の甘さがチャージされた熟したメイローズの香りを満ち広がらせてゆきます。

やがて、ホワイトムスクとサンダルウッド、アンバーの暖かくもエレガントな余韻に包まれ、新鮮なローズの息吹と共に、愛を感じた女性が、ローズを中心とした花束を手渡され、心の中を温かなローズウォーターで満たされていくように、愛の中に生きる喜びを全身で感じるのです。

何よりもこの香りが素晴らしいのは、フルーティな若々しいディオールローズ(メイローズ)に、ニュールックの装飾を施し、大人の女性のセクシーさとエレガンスを共存させているところにあります。

ムッシュ・ディオールのスカートは決して膝を見せることがなかったように、露出により、女性の魅力を誇示するのではなく、控えめであることが、男心をよろめかせる。そんな清らかに真っ直ぐに咲いてゆくメイローズのふくよかさの中に、フルーツの新鮮さと甘さで酔わせるリキュールと薬草とアーモンドの粉末を溶け込ませています。

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ディオール・ビューティのすべての美意識がひとつのボトルの中に。

©Christian Dior

この香りには、フランソワ・ドゥマシーという調香師の類稀なる才能の煌めきが、見えてきます。洗練された日本人の心に訴えかける〝中庸の美の極致〟がそこにはあります。

甘すぎず、スパイシーすぎず、アンバーすぎず、フルーティすぎず、強すぎず、弱すぎず、すべてが滑らかにひとまとめになり、シックでエレガンスという言葉に集約されているのです。つまりは、ムッシュ・ディオール時代のディオールドレスの精神そのものなのです。

ある意味、女性にとってこれほど恐ろしい香りはございません。このバラは美しく生きる女性の肌の上では、生き生きと煌めき、そうでない女性の肌の上ではしぼみ枯れていく。女性の美の踏み絵でもあるのです。

ぷくっとふくらんだピンクの唇のようなメイローズ。それは男の視線を独り占めし、その唇の間から不意に見える舌から滴り落ちる唾液の輝きを前に、どんな男の心も溶かしてしまうことでしょう。甘い視線で、静かにまっすぐに見つめる女性が、この香りを選ぶ日は、自らを花束になぞらえて、相手にそっと差し出したい日なのかもしれない、と大いなる誤解を生み出してしまう〝危険な妄想を周りに生み出してしまう、貞淑で無邪気な、美しすぎる罪作りな薔薇の香り〟なのです。

でありながら、もう一方で、何かを成し遂げる決意と、成し遂げた後の充実感を与えてくれる〝人生を前向きに生きる男女への賛歌〟とも言えます。それは〝明日のための香り〟とも言い換えることが出来るでしょう。

奇しくも、二代目調香師となるフランシス・クルジャンの「ア ラ ローズ」とよく比較される香りです(ムスクの幽玄さの違いが実に興味深いです)。

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香水データ

香水名:ラ コル ノワール
原名:La Colle Noire
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2016年
対象性別:ユニセックス
価格:40ml/15,950円、125ml/34,100円、250ml/48,400円
公式ホームページ:DIOR


トップノート:レモン、ブラックカラント
ミドルノート:メイローズ、スズラン、ピーチ、ピオニー、ラズベリー
ラストノート:ハニー、アンバーウッド、アガーウッド、スリランカ産サンダルウッド、ホワイトムスク

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