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『007 カジノ・ロワイヤル』Vol.4|ダニエル・クレイグとジョルジオ・アルマーニ

ジェームズ・ボンド
ジェームズ・ボンドダニエル・クレイグ
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ワン&オンリー・オーシャンクラブ

ボンド映画に必要なシーンのひとつとして、全くお金を気にせずに最高級のリゾートホテルに滞在するシーンがあります。考えるに、私たちは、歴代ボンドが滞在したホテルや場所に憧れ、その場所を訪れることを夢に見て、大人になったのかもしれません。

バハマが舞台になる本作において、ボンドは、アトランティス・パラダイス・アイランドには滞在せず、バハマ最高級のリゾートホテル・ワン&オンリー・オーシャン・クラブに滞在します。

私はこのホテルと、グレート・エグズーマ島にあるエメラルドベイに滞在したことがあるのですが(共に現在はフォーシーズンズ・リゾート)、共に、一泊20万円ほどの宿泊料を取る割には、サービスも雑で(これはバハマ人の国民性もある)、部屋や施設の老朽化も激しく、食事なども並程度のコストパフォーマンスが良くないホテルでした。

周辺のビーチも写真向けのビーチであり、泳ぎに適さないビーチでした(特にエメラルドベイのビーチは海がミルク色なので、怖くて遠くまでは泳げない)。

寧ろ、バハマならばキャット・アイランドフェルナンデス・ベイ・ビレッジが最高でしょう。コテージの前のビーチは、地球上で5本の指に入るビーチと言えます。それは1kmぐらい150cmの水深が続き、海底が透き通って見える〝魔法のビーチ〟なのです。ここは、まだまだ誰にも知られていない秘境リゾートと言えます。

それにしても本作のボンドが凄いのは、人妻を落とす(それとも堕とす?)方法の露骨さです。ポーカーで男からアストン・マーチンDB5を巻き上げ、その車で、男の美人妻を待ち構え、勘違いして乗り込んだところを口説き落とし、「ジェームズあなたは人妻趣味なの?」と聞かれ、「事が簡単だからね」と答える鬼畜ぶり。

そして、男から高級車と美人妻、そして、その命までかっさらうのでした。まさに、六代目ボンドが歩いた後にはペンペン草も生えないのです。

実際に本作で登場するワン&オンリーの部屋

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ニュー・ボンドのファッション7

カジュアルシャツ
  • アルファニ(メイシーズのPB)の黒のポリエステル長袖シャツ、胸ポケット
  • テッド・ベイカーのブラウンのリネンパンツ
  • ブラックレザーのブラッチャー
  • オメガのシーマスター・プラネットオーシャン Ref.2900.50.91、黒のラバーストラップ

バハマのナッソーで、ボンドは一泊20万円~50万円するワン&オンリーに滞在します。

リネンパンツの色合いがよく分かるカテリーナ・ムリーノとのラブシーン。

ボランジェ ラ・グランダネ 1990をルームサービスで。

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ニュー・ボンドのファッション8

ジョルジオ・アルマーニのレザージャケット
  • ジョルジオ・アルマーニのダークブラウン・レザージャケット、4つのフロントポケット、ダブルジップ、ウエスト丈、ウールスタンディングカラー
  • サンスペルのグレーのエジプト綿のクルーネックの半袖〝リビエラ〟Tシャツ、特注でタイトなシルエットに
  • テッド・ベイカーのブラウンのリネンパンツ
  • ダークブラウンのレザーベルト
  • ブラックレザーのブラッチャー
  • オメガのシーマスター・プラネットオーシャン Ref.2900.50.91、黒のラバーストラップ

あのレザージャケットを、私がはじめてロデオ・ドライブで見たときは、4000ドルしました。それをダニエルに見てもらって、これは映画に必要だと合意しました。そして、アルマーニ社から使用許可を得ました。しかし、撮影のために25着は必要だったので、交渉をして一着400ユーロで作ってもらったのです。

リンディ・ヘミングス

マイアミ空港のシーンでリチャード・ブランソンが現れる。

25着用意された本物のアルマーニの革ジャンで戦うボンド。

このシーンは、マイアミではなく、バハマ、英国、チェコの空港で撮影されたものを繋ぎ合わせたものです。

全てにおいて今見てもクールなアルマーニ・ジャケット。

休憩中にPSPに熱中するダニエル・クレイグ。『ロシアより愛をこめて』をプレイしているのでしょうか?

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サンスペルのポロシャツ

男を選ぶブランド・サンスペル。

ショーン・コネリー時代のボンドがよく着ていたポロシャツを、ダニエル・クレイグのニューボンドが久しぶりに着ます。ちなみにサンスペルのポロシャツは、筋骨隆々じゃないと似合わないシルエットなので、〝着る男を選ぶポロシャツ〟として有名です。

ちなみに、本作の監督として、ショーン・コネリー(1930-2020)が監督するという案まで出ていました。さらに、クエンティン・タランティーノが監督をする可能性もありました。その時は、フェリックス・ライターをサミュエル・L・ジャクソン、ヴェスパー・リンドをユマ・サーマンが演じる可能性がありました。

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ニュー・ボンドのファッション9

ポロシャツ
  • 〝リヴィエラポロ〟サンスペルのネイビーブルーポロシャツ、特注、コットンメッシュ、左胸にパッチポケット、1954年から使われている古いレース編機でタテ編み
  • カーキ色のフレアパンツ
  • ダークブラウンのレザーベルト
  • ブラウンスエードのチャッカブーツ
  • オメガのシーマスター・プラネットオーシャン Ref.2900.50.91、黒のラバーストラップ
  • ペルソール2244

ダニエルのブロンドヘアと透き通るようなブルーアイを生かすために、ほとんどの衣裳にブルーかネイビーブルーをミックスしました。

リンディ・ヘミングス

公開後、このニューボンドカットが大流行しました。

全身ショット。

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ボンドスーツのお披露目。

モンテネグロに向かう列車のシーンで、ようやくエヴァ・グリーンが登場します。

実際はチェコのペンドリーノ(高速列車)で撮影された。

物語が約1時間進み、ジェームズ・ボンドが私たちの見慣れたボンドスーツ姿で現れます。そして、ようやくメイン・ボンドガールである、ヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)が登場します。その第一声が「I’m the money」でした。彼女は英国財務省からボンド資金の管理係として派遣された女性でした。

「君の名前をつけた両親を憎んだかい?」という憎まれ口を叩くボンド。人妻の扱い方は心得ていても、まだまだ未婚女性の扱いには慣れていないボンドに、「そのスーツを一目見れば、あなたがオックスフォードか名門校出身だということが分かるわ。でもいやいや着ているのもよく分かる。貧乏だったから同級生からはいつも仲間外れ。学資は誰かのお情け?それが心のしこりになっている。私を孤児と決め付けたけど、それはあなた自身がそうだからよ」と、キツい言葉を返すのでした。

さらに追尾弾としてもう一言。「ロレックス?(原作ではボンドはロレックスを身につけている)」「いや、オメガだ」。ここでボンドは、はじめてオメガのシーマスターダイバーを装着します。

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ニュー・ボンドのファッション10

ネイビースーツ
  • ブリオーニ、近くで見ないと分からないグレーストライプのネイビースーツ、3つボタン、シングルベント、ベルトなし
  • ブリオーニの白のストライプシャツ
  • バーガンディ・タイ
  • エス・テー・デュポンの5174カフリンクス、パラジウム仕上げ
  • オメガシーマスターダイバー 300m Ref.2220.80、ステンレス・ブレスレット

エヴァ・グリーンと共に。スーツとネクタイは列車シーンと同じものです。

エス・テー・デュポンの5174カフリンクス

作品データ

作品名:007 カジノ・ロワイヤル 007 Casino Royale (2006)
監督:マーティン・キャンベル
衣装:リンディ・ヘミングス
出演者:ダニエル・クレイグ/エヴァ・グリーン/カテリーナ・ムリーノ/イワナ・ミルセヴィッチ/ジュディ・デンチ/マッツ・ミケルセン