アンボワセピア
原名:Un Bois Sepia
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:1994年
対象性別:ユニセックス
価格:不明
〝森のいのち〟ではなく〝森の静けさ〟の香り
秋の深まりを感じさせる落ち葉のようなフレグランスです。セピア色に香りがついたらどんな香りになるのでしょうか?それは森の中でしか出会えない苔や枯葉の香りです。
秋の太陽は、雨と遭遇することが多いのです。私の物語には、キノコを見つけるシーンもあった方がいいかもしれません。それはともかく一言で言えば、素晴らしいシプレです!
セルジュ・ルタンス公式サイトより
セルジュ・ルタンスは、1992年に元々書店があった場所に、レ・サロン・デュ・パレロワイヤル・シセイドーをオープンしました。この店舗限定の香りとして1994年に発売されたのが「アンボワセピア」です。フレッシュ・ウッディな香りは、クリストファー・シェルドレイクにより調香されました。
現在この香りは、パレ・ロワイヤル本店だけで取り扱われている「レフラコンドターブル」コレクションのひとつとなっています。
「アンボワセピア」とは、フランス語で〝セピアの樹〟を意味します。紅葉に染まる秋の森の落ち葉と、幻想的で美しい苔の森に降る晴天の中の小雨をテーマにした香りです。「フェミニテ デュ ボワ」の系譜を継ぐ香りのように見えますが、「フェミニテ」の持つオリエンタルやフルーツっぽさは一切存在しない森の香りです。
燃える灼熱の太陽と氷のような小雨が交互に現れ、秋を告げる白昼夢のような(ジヒドロミルセノールが強く主張するメンズ理髪店のような)ヴァイオレット・リーフの香りからはじまります。すぐに清涼感のあるサイプレスの爆発がはじまります。
そして、そこに注ぎ込まれるミルキーなサンダルウッド、オポポナックスにより、この香りの方向性ははっきりとします。それは「フェミニテ デュ ボワ」や付随する四部作が描き出した〝森のいのち〟ではなく、〝森の静けさ〟を描いていく香りだということです。
ミルキーなウッドの芳香は、草木の甘さを拾い上げながら、アーシィーなベチバーとパチョリと柔らかく調和してゆきます。
1980年代に発売されたスーっと全身を引き締めるような典型的なメンズコロンであり、穏やかな森のような大きさを感じさせる香りです。
タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「誰なの、こんなおもしろみに欠けるスポーツフレグランスをルタンスのラインにこっそり加えたりして。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:アンボワセピア
原名:Un Bois Sepia
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:1994年
対象性別:ユニセックス
価格:不明
シングルノート:ベチバー、サンダルウッド、パチョリ、オポポナックス、サイプレス