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【エルメス】ラグーナの庭(クリスティーヌ・ナジェル)

エルメス
©Hermès
エルメスクリスティーヌ・ナジェルブランド調香師香りの美学
この記事は約10分で読めます。

ラグーナの庭

原名:Un Jardin sur la Lagune
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/8,800円、50ml/12,870円、100ml/18,150円
販売代理店ホームページ:ベルコスメ

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クリスティーヌ・ナジェルの庭

©Hermès

エルメス二代目調香師クリスティーヌ・ナジェル

エルメスでは、作る香水の数だけ、ストーリーを作るようにしています。

クリスティーヌ・ナジェル(以下、すべての引用は彼女からのもの)

2003年に発売された一本の香水が、《香水の歴史》に革命をもたらしました。それまで香水には、上流階級及び娼婦の嗜好品、もしくは、カジュアル使いできるものという二つの側面のみが存在していました。そこに、第三の側面である〝芸術性〟が加えられたのでした。

さらにエレナ自身の著作により、この香水の制作プロセスや、調香師の考えが公にされる中で、人々は、「そうなんだ!過去の香水の中にも芸術品と呼ばれるものが存在するかもしれない」と考えるようになったのでした。この香水の名を「地中海の庭」と申します。ジャン=クロード・エレナが生み出したこの香り以後、調香師たちは積極的に〝香りと旅〟を結びつけるようになったのでした。

2014年3月に、クリスティーヌ・ナジェルはエルメスの専属調香師となり、エレナ(彼は2004年から)と2年間タッグを組み、エルメスのフレグランスを調香しました。そして、2016年にエレナは退任し、クリスティーヌがエルメスの二代目専属調香師に就任したのでした。

そんな彼女にとって、何よりも大きな山、それはエレナが創造した『庭園のフレグランス』シリーズの6作目を生み出すことでした。

アーティスティック・ディレクターのピエール=アレクシス・デュマと香水部門の社長であるアニエス・ドゥ・ヴィリエ(現ビューティ部門の最高責任者)と打ち合わせたとき、彼らは「時間はどれだけかかってもいい。ただ失敗を恐れずに、独創的なものを生み出してほしい」という心強いエールを彼女に送ってくれたのでした。

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『ヴェネツィアの海中庭園』=〝イーデンの庭園〟

イーデンの庭園 ©Hermès

イーデンの庭園に座るクリスティーヌ ©Hermès

私はまず最初に、〝私の庭〟として本物のイタリア式庭園のような香りの世界を求めていました。恐らく自分自身のイタリア人のルーツに戻りたいという本能があったのかもしれません。それで、いろいろと調べ始めたんです。

ある時、私はこの庭の話を聞き、誰も入ることが出来ないというところにすごく惹かれました。私はミステリーや陰謀が大好きなんです。

2015年に発売された「李氏の庭」の次の『庭園のフレグランス』として、クリスティーヌは、自身がジョー・マローン・ロンドンで培ってきたノウハウの総決算にもなる英国式庭園をテーマにしようと当初考えていたのですが、やがて、それがイタリア式庭園となり、2016年の半ばには、この〝イーデンの庭園〟が最有力候補となったのでした。

サン・マルコ広場から数本の橋と路地を隔てた場所にある〝イーデンの庭園 the Garden of Eden〟は、1884年にヴェネツィアのジュデッカ島に、英国人のフレデリック・イーデン卿(英国首相アンソニー・イーデンの大叔父)とその妻キャロライン(イギリスの伝説的造園設計家であるガートルード・ジーキルの姉妹)によって建設されたヴェネツィア最大の英国式庭園でした。

水の都に飽きた二人は、あろうことかヴェネツィアの塩分の多いアッケシソウに覆われた土壌で、植物の栽培が困難な中、英国式庭園を作り上げたのでした。

一般に公開されたことは一度もなく、マルセル・プルーストやリルケ、ヘンリー・ジェイムズ(彼はこの庭園を〝海中庭園〟と呼びました)、ジャン・コクトーといった著名人にのみ特別公開されていました。

1927年にギリシアの王女であるアスパシア・マノスに購入され、その娘である後のユーゴスラビアの王妃アレクサンドラの居住地となりました。1972年にオーストリアの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーに売却され、2000年の彼の死後とある財団が所有することになり、現在に至るまで一度も一般公開されていません。

その神秘性にクリスティーヌは惹かれたのでした。彼女はエルメスのヴェネツィア・オフィスを通じて、庭園への入場許可の交渉を始めました。しかし、何度も拒否されました。最終的に、クリスティーヌ自身が財団の責任者に手書きの手紙を送り、なぜこの庭園に入園したいかという意図を説明しました。

厳寒の中、この庭をはじめて訪れました。そして、すぐに恋に落ちました。真冬なのに、庭がとても美しかったのです。まだ緑が残っていて…本当に感動しました。

そして、2016年12月22日についに入園許可が下り、2017年1月4日に彼女はかの地に足を踏み入れたのでした。「私が最初にこの庭を訪れた時、第一印象は、手入れされていない、なんら特別なものの存在しない庭でした。しかし、周辺を散策するうちにこれまでの私のフレグランスには存在しなかった様々な香りを感じることが出来たのでした」。

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香りのテーマは「夢を追いかけて…きっと叶うはず」

庭園を散策するクリスティーヌ ©Hermès

©Hermès

私は、今までいくつかの素晴らしい英国式庭園を訪問しました。そして、すごく気に入りました。ですが、あまりにも整えられている庭園には魅力を感じないのです。いい庭園だけど、何か作りたいとは思わないのです。

庭園の自然が整えられていると、人間のための庭園になってしまい芸術性が失われてしまいます。人生もそうですが、自然(ありのまま)であることが重要です。パワフルな野生が人工より勝る庭園にこそ芸術性は宿ると私は考えます。より詩的で、クリエイションに火をつけてくれるのです。特に香りにおいては・・・

4月に、トベラの木の枝はラグーンに浸かり、イエローとホワイトの小さな花々で何千にも覆われ、オレンジ・ブロッサムやジャスミンの中間のような官能的な香りがしました。

6月になると、爽やかで繊細なマグノリアの香りに包まれました。この荘厳たる白い花々は、木々の高いところに留まっており、鼻を空に向けないと香りがわからないほどでした。腰をかがめて花の香りを嗅ぐのとはまったく違う体験で、まるで空からやってきた香りのようでした。

そして、10月にマスカットの実を食べたとき、この庭でフレグランスを作ろうと決めました。

クリスティーヌはほぼ一年間毎月、〝イーデンの庭園〟を訪れ、月々の庭園の変化を感じ取りました。そして、トータルで18ヶ月の歳月をかけ「ラグーナの庭」が誕生したのでした。

2019年のエルメスの年間テーマ〝夢を追いかけて in the pursuit of dreams〟にも合致するこの香りの名の〝ラグーナ〟とは、ヴェネツィア湾にできた潟=ラグーナから採られたものです。そのラグーナの上に築かれた水の都がヴェネツィアなのです。

日本では2019年3月16日に発売されました。クリスティーヌが「恐らく、今後二度と公開されることのないこの庭園のすべてを詰め込んだ」というこの香りのボトルカラーは、そんな庭園の秘密を守るように取り囲む、美しい黄土色のレンガ壁からインスパイアされたものです。

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「ラグーナの庭」のうっとり酔わせるような塩加減

©Hermès

潮風に吹かれて、さまざまな花々が粛々と香り立つようにしてこの香りははじまります。まるで〝幻の庭〟〝蜃気楼の庭〟〝霧の○○湖〟といった幻想的なイメージのようです。

ジューシーなマンダリンオレンジとプチグレンが静かに甘やかさを広がらせていく中、レモンのようなクリーミーなマグノリアとスパイシーなマドンナリリーが注ぎ込まれ、フレッシュなそよ風のささやきを肌で受け止めていきます。

だんだんとオレンジ・ブロッサムとジャスミン、オスマンサスを感じさせる甘やかなトベラが加わり、(サンゴのような外見から別名サンゴソウと呼ばれる)塩生植物アッケシソウと共に、ソルティフローラルの繊細な香りを広がらせてゆきます。

この庭の心地よさは、湿った海水のようなソルティさではなく、太陽の光で乾かされた海藻を思わせる塩のミネラルの香りからやって来るものです。その香りが、フローラルと混じり合い、最終的には、肌に溶け込んでゆくのです。うっとり酔わせるような塩加減です。

やがて、木々を想わせるウッディノートと運河を想わせるミネラルノートが、ホワイトムスクに染み入り、穏やかな余韻を残してくれるのです。

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特別なマグノリアとソルティノートについて

20年前からヴェネツィアに暮らすボスニア出身のアーティスト、サフェット・ゼツによるパッケージ画 ©Hermès

この香りの中で、必ず捉えておきたいと考えたのは、空気のソルティさだけでなく、それはとても特別なもので、香水で捉えるのは難しいのですが、庭と植物の根(マグノリアとトベリの木)の木質感でした。

「ラグーナの庭」の中にどっしりと存在する〝根っこ〟こそが、ヴェネチアの海中庭園という人工的なものでありでありながら、〝人工が天然を超えてみせる〟という庭園作りの夢を叶える根幹でもありました。潮風と花々の香りの中に、この大地に根を張るイメージを香りで表現したからこそ、この香りは「夢を叶える香り」となったのです。

ちなみにこの香りのマグノリアの香りは、マグノリア・エクストラクトだけだと本物の花の香りとは違ってくると考えたクリスティーヌにより、インド産のチャンパカが加えられたものです。

そして、何よりも難しかったのは、デリシャスなソルティさを生み出すことでした。通常、香水においてソルティとはマリン的なものです。しかし、繊細さを出すために海藻の香りを感じさせるAlgenoneという分子を使用しています。

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香水データ

香水名:ラグーナの庭
原名:Un Jardin sur la Lagune
種類:オード・トワレ
ブランド:エルメス
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/8,800円、50ml/12,870円、100ml/18,150円
販売代理店ホームページ:ベルコスメ


シングルノート:マグノリア、トベラ、マドンナリリー、ソルティノート、ウッディノート、アッケシソウ

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