オスカー・デ・ラ・レンタの情熱の赤いドレス
二人目のボンドガールであるタリサ・ソト(1967-)のファッションのハイライトは間違いなくカジノでジェームズ・ボンドと対峙する時に着ていた赤いイブニングドレスです。
このドレスは、オスカー・デ・ラ・レンタによりデザインされたドレスでした。
オスカー・デ・ラ・レンタ(1932-2014)の経歴は実に素晴らしく、クリストバル・バレンシアガの下で修行した後、1961年からは、ランバンのデザイナーであるアントニオ・カスティーヨのアシスタントになりました。
この頃、「ヴォーグ」の編集長であるダイアナ・ヴリーランドに相談し、「既製ドレスを売りたいなら、お金持ちの多いニューヨークに着なさい」と言われ、1963年にニューヨークに渡り、エリザベス・アーデンのデザイナーに就任するのでした。
そして、1965年に独立し、1967年にはコティ賞を受賞し、1973年には殿堂に選ばれています。2000年と2008年にはCFDAのウィメンズデザイナー・オブ・ザ・イヤーに輝き、1993年から2001年にかけてバルマンのデザイナーとしても活躍しました。
60年代にジャクリーン・ケネディ・オナシス(1929-1994)にイブニングドレスが愛用されたこともあり、歴代ファーストレディの多くが愛用するブランドとなりました。
このタリサが着ていたドレスは、ナンシー・レーガン大統領夫人が着ていたドレスと同じものでした。
ルペ・ラモーラ・ルック1
ホワイト・ワンピース
- ホワイト・スパゲッティストラップ・ワンピース
- ホワイトサンダル
プリシラ・バーンズのウエディングドレス
冒頭で殺害されるフェリックス・ライターの悲劇の妻デラを演じるプリシラ・バーンズ(1958-)が着ているウエディング・ドレスは、フレンチレースにパールとオパールがふんだんに使用された豪華なもので、撮影のために2着同じものが用意されました。
この作品のプリシラはとても老けて見えるのですが、撮影当時彼女は29歳でした。TVドラマ「スリーズ・カンパニー」で、全米においては知名度の高いコメディ女優でした。
ルペ・ラモーラ・ルック2
レッドローブ
- フラワープリントされたレッド・サテンローブ
ルペ・ラモーラ・ルック3
オスカー・デ・ラ・レンタ・ドレス
- オスカー・デ・ラ・レンタがデザインした赤のレースのロングドレス
- 赤のサテンハイヒールパンプス
作品データ
作品名:007 消されたライセンス Licence to Kill(1989)
監督:ジョン・グレン
衣装:ジョディ・リン・ティレン
出演者:ティモシー・ダルトン/キャリー・ローウェル/タリサ・ソト/ベニチオ・デル・トロ/ロバート・デヴィ
- 【007 消されたライセンス】復讐のために戦うジェームズ・ボンド
- 『007 消されたライセンス』Vol.1|ティモシー・ダルトンの冴えないボンドスーツ
- 『007 消されたライセンス』Vol.2|ネクタイを締めないボンド=ティモシー・ダルトン
- 『007 消されたライセンス』Vol.3|傷だらけのティモシー・ダルトン
- 『007 消されたライセンス』Vol.4|ディオールオムの象徴=ベニチオ・デル・トロ
- 『007 消されたライセンス』Vol.5|キャリー・ローウェルと80年代スカートスーツ
- 『007 消されたライセンス』Vol.6|ヴェリーショートが美しいキャリー・ローウェル
- 『007 消されたライセンス』Vol.7|キャリー・ローウェルとジョディ・リン・ティレン
- 『007 消されたライセンス』Vol.8|タリサ・ソトとオスカー・デ・ラ・レンタ
- 『007 消されたライセンス』Vol.9|タリサ・ソト、ボンドムービー史上初のラテン系ボンドガール