『007 消されたライセンス』Vol.5｜キャリー・ローウェルと80年代スカートスーツ

ボンドガール史上最も過小評価されているボンドガール

178cmの長身に学生時代に水泳でもやっていたような肩幅の広さと、歴代ボンドガールの中でも圧倒的な美脚の持ち主であるキャリー・ローウェル（1961－）は、元々、カルバン・クラインやラルフ・ローレンのランウェイで活躍していたトップクラスのファッション・モデル（モデル事務所は超一流のフォード）でした。

2002年に、共にチベット仏教を信仰しているリチャード・ギアと再婚するのですが（2016年に離婚）、女優として最も目立った役柄はTVドラマ「ロー&オーダー」の検事補ジェイミー・ロス役のみでした。

本作では、男勝りで、どこまでも助けてくれる、とても頼りになる、結婚したら肝っ玉かあちゃんになりそうな女性を演じています。男性に対するアプローチは早いのですが、ドライに見えて情に深く、陰で秘かに泣いているという乙女の一面がとても魅力的なボンドガールです。

USヴォーグ。1982年5月号。

このヴェリーショートがとても素敵。

なかなか似合う人がいないヘアスタイルです。

パメラ・ブービエ・ルック1

1980年代に大流行したスリングバックパンプス。

登場時のパメラの髪型はウィッグです。

腕周りが今だと不自然にだぼついて感じます。

かなり男勝りなファッションです。

パープルのカウルネックセーター。

この鼈甲のボストン眼鏡がとても色っぽいです。

元祖眼鏡美人。眼鏡を外す瞬間を武器にするしたたかな女。

はにかんだ笑顔も英国的で素敵でした。

二代目マネーペニーを演じたキャロライン・ブリス（1961－）は、この作品で僅か二作品の短い役割を終えます。しかも本作での彼女は1分ほどの登場時間でした。

タイムレスなワイドパンツ・ルックです。

ブラウスは清潔感溢れるホワイトです。

さりげないシルエットがとても魅力的です。

このバッグもとてもキュートです。三色コーディネートはやはりファッションの王道です。

ボンドを助けた後、Qと家路につくパメラ。

健康的なオールアメリカンガールです。

作品データ

作品名：007 消されたライセンス　Licence to Kill（1989）
監督：ジョン・グレン
衣装：ジョディ・リン・ティレン
出演者：ティモシー・ダルトン／キャリー・ローウェル／タリサ・ソト／ベニチオ・デル・トロ／ロバート・デヴィ