ミュール エ ムスク(黒いちごとムスク)
原名:Mure et Musc
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:ジャン・ラポルト、ジャン=クロード・エレナ、ルシアン・フェレーロ
発表年:1978年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/24,420円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
1978年のムスク革命
ラルチザンのアイコニック・フレグランス。「ミュール エ ムスク」とは、フランス語で「ブラックベリーとムスク」という意味です。
ブランド創始者ジャン・ラポルトが、1978年に、ブラックベリー(正確には、ラズベリーケトン=フランビノン)と(今では過剰摂取レベルの)ホワイトムスク(ガラクソリド)の組み合わせという非常に大胆な調香を行い香水業界に一大センセーションを巻き起こした香りです。ムスクをフルーツによって引き立てるというスタイルが当時斬新だったのです。
フルーツとムスクを組み合わせることに成功したこの香りのすごい所は、そのシンプルな使用香料の数にありました。そうして生み出された〝透明感〟がもしかしたら、このフレグランスの開発には、ジャン=クロード・エレナが関わっていたのではないだろうかと人々に連想させる点なのです(そして、大いに有り得ます)。
柑橘系にブラックベリーが絡み合い、ホワイトムスクが立ち上ります。そして、ベリーのフレッシュ、ジューシー、グリーンなどのあらゆる面にムスクが共鳴し合い、この香りを身に纏う女性にも同じ効果を生み出すことに成功しています。
森の中で、ブラックベリーをふと見つけたときの喜び。21世紀のイブは禁断の黒いちごを食べるのです。後にAKBや乃木坂があざとく演出しようとしている「女子に憧れられるアイドルの作り方」を40年前に易々とやってのけたのがこの香りなのです。
ディーゼルの「フューエル フォー ライフ」などに影響を与えました。ちなみに2003年に、亀井明子によりコロン・ヴァージョンが調香されました(現在は廃盤)。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ミュール エ ムスク」を「フルーティ理髪店」と呼び、「オリジナルのミュール エ ムスク(1978)を手がけたジャン・フランソワ・ラポルトの発想は天才的だった。エチレンブラシレートとラズベリー風味のクリーミーな合成ムスクに、けば立った生のレッドベリーノートを含んでいる。その結果、とてつもない輝きと透明感あふれる香りを生み出した。」
「ラルチザンパフュームはミュール エ ムスクの処方に手を加える。エチレンブラシレートをほかのムスクと入れ替え、その結果を台無しにしてしまった。もしオリジナルをもっていたら、大事にとっておくか、私に送ってほしい。」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:ミュール エ ムスク(黒いちごとムスク)
原名:Mure et Musc
種類:オード・トワレ
ブランド:ラルチザン
調香師:ジャン・ラポルト、ジャン=クロード・エレナ、ルシアン・フェレーロ
発表年:1978年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/24,420円
販売代理店ホームページ:ラトリエ デ パルファム
トップノート:アマルフィ・レモン、オレンジ、マンダリン・オレンジ、バジル
ミドルノート:ブラックベリー、レッドベリー
ラストノート:ムスク、オークモス