クリスチャン・ディオール

ミス・ディオール・シェリー (クリスティーヌ・ナジェル)

香水名:ミス・ディオール・シェリー(オリジナル) Miss Dior Cherie オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:クリスティーヌ・ナジェル
発表年:2005年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:30ml/6,825円、50ml/10,500円


2007年に発売されたオードトワレ版のキャンペーン・モデルは、リリー・ドナルドソン。


★★★★☆ パチョリ・ストロベリー

香水も人間と同様、見かけは当てにならない。第一印象の人当たりのよさにつられて試してはみるものの、結局期待はずれだったということはままある。昔ながらの、今は見る影もない「ミス・ディオール」をもとにしたディオールの甘さは、標準的なフルーティ・フローラルのそれよりずっといい。ストロベリーとローズ、それにパチョリをメインに据えたミス・ディオール・シェリーのアコードは、同時期に発売された「バッジェリー・ミシュカ」ほど人を惹きつける魅力はないが、まとまりがあり、均一でバランスがとれているように思う。ただ、これは女主人というよりも乳母のイメージだ。それも博士号をもった乳母。― タニア・サンチェス

『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

トップノート:マンダリン・オレンジ、パイナップル、チェリー、ストロベリーリーフ
ミドルノート:ピンクジャスミン、ローズ、スミレ、キャラメル、ポップコーン
ラストノート:クリスタルムスク、パチョリ、アンバー

このフレグランスが、21世紀の元祖「ミス・ディオール」です。

クリスチャン・ディオールの生誕100年を記念したフレグランスです。2005年の発売当時、元祖『ミス・ディオール』のネーミングのきっかけとなったカトリーヌ・ディオール (1917—2008年)は存命中でした。『ミス・ディオール』は、1947年に発売された当時30歳の妹(及び同年代の女性)のために作った香りでした。しかし、『ミス・ディオール・シェリー』は、それよりも遥かに下の年代の女性をターゲットにした香りです。

当時のディオールのクリエイティヴ・デザイナーだったジョン・ガリアーノが、スティーヴィー・ワンダーの名曲「マイ・シェリー・アモール」からインスパイアーされ、「シェリー」と命名しました。「シェリー」とはフランス語で「かわいい人、いとしい人」の意味です。

元祖のシプレーにグルマンの要素を足した香りなのですが、キャラメルポップコーンとストロベリーというかなり個性的な甘い(甘すぎる)香り立ちに終始包まれます。

淡いオレンジ色の水と、ボトル底の千鳥格子柄、キャップについたリボンが印象的なボトル・デザインです。現在のエルメスの専属調香師クリスティーヌ・ナジェルによる調香です。

問題がひとつありました。それはキャンペーン・モデルの選抜に関して、どこでどう間違ったのか、16歳の少女が選ばれています。エルヴィス・プレスリーとプリシラ・プレスリー(『裸の銃を持つ男』シリーズで有名)の娘リサ・マリー・プレスリー(マイケル・ジャクソンの元妻)の愛娘ライリー・キーオ(1989-)です(フォトグラファーは、ニック・ナイト。)。

ディオールほどのラグジュアリー・ブランドが、10代の若い女性に合う香りを作ろうとしたのです。その志しの低さに、世界中のディオールを愛する人々が驚かされた、ある種の「歴史的珍作」です。

2012年に「ミス・ディオール」にネーミングがチェンジされるまでの間に、世界で5番目に売れているフレグランスの地位にまで駆け上りました。

ファッションアイコン(女優編)

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