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【ディオール】ミス ディオール シェリー オー(フランソワ・ドゥマシー)

クリスチャン・ディオール
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ミス ディオール シェリー オー

原名:Miss Dior Cherie L`Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2009年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml/8,500円、100ml/12,000円

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シプレではない「ミス ディオール」が初登場した瞬間

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クリスチャン・ディオールの生誕100年を記念して2005年にクリスティーヌ・ナジェルによって調香された「ミス ディオール シェリー」のオード・トワレ版が2007年に発売されました。そして、2009年にさらにみずみずしくなった「ミス ディオール シェリー オー」が発売されました。

「オー」とは、フランス語で水の意味です。〝少し生意気なミス・ディオール〟をコンセプトに、パステルカラーが呼び覚ます幸福感を、スパークリングするシトラス・グリーンに託したこの香りは、ディオールの専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。

60年代は、パステルカラーに恋するパリジェンヌに世界中の女性が憧れた時代です。そして、その代表的存在が、ブリジット・バルドーでした。

この香りのテーマは、21世紀に、ブリジット・バルドーの魅力を、彼女が本来持つ内面的な魅力の奥深さを度外視して、外見的な普遍性のみをシンプルに捉えることでした。それはドゥマシーが「この香りには一切の複雑さが存在しない」と言及したことからも明らかです。

つまりはシプレではない「ミス ディオール」が初登場した瞬間なのです。

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晴天のパリの空を浮遊する香り

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その身体はいかにも上品に細かったものの、彼女には朝食用のシリアルを思わせるような健康な雰囲気があり、石鹸やレモンの清潔さがあった。

『ティファニーで朝食を』トルーマン・カポーティ

そんな「ミス ディオールのシンプル・ライフ」は、ビターオレンジの苦味からはじまり、すぐにレモン、グレープフルーツが加わり、天真爛漫にポップに軽やかに弾けてゆきます。それはどこか透き通るようなアロマティックな煌めきさえも感じさせます。

すぐに、ミルキーな白いガーデニアが開花していく中、カルダモンによりシトラスとフローラルが結びつき合いグリーンなアクセントを加えてゆきます。そこには、オリジナルの「ミス ディオール シェリー」に存在した〝砂糖のような甘さ〟は一切存在しません。

やがてミルキーなガーデニアがホワイトムスクの風船をくっつけ浮遊するように、石鹸のような柔らかな余韻に包み込まれていきます。

『マリー・アントワネット』(2006)のソフィア・コッポラ監督によるとてもキュートなキャンペーン・フィルムが話題を呼びました。

ベラルーシ出身のスーパーモデル・マリナ・リンチュク(1987-、180㎝)が、ブリジット・バルドーの「Moi je joue(モア・ジュ・ジュー、私は遊ぶ!)」(1964)の軽快なリズムに合わせて、パリの街で、スパークリングしています。そして、最後に、風船で飛んでいく姿が、世界中の女子の心をパリもしくは、各地のディオール・コスメカウンターへと向かわせたのでした。

CF内で着ている60年代のヴィンテージ・シックを体現したドレスは、当時のディオールのクリエイティブ・デザイナー・ジョン・ガリアーノによるものです。

広告写真は、幻想的なタッチで独特な世界観を生み出す術を知るイギリス人フォトグラファー・ティム・ウォーカーが担当しました。

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香水データ

香水名:ミス ディオール シェリー オー
原名:Miss Dior Cherie L`Eau
種類:オード・トワレ
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランソワ・ドゥマシー
発表年:2009年(現在廃盤)
対象性別:女性
価格:50ml/8,500円、100ml/12,000円


トップノート:ビター・オレンジ
ミドルノート:ガーデニア
ラストノート:ムスク