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ジョアンナ・シムカス1 『冒険者たち』1(4ページ)

    作品名:冒険者たち Les Aventuriers (1967)
    監督:ロベール・アンリコ
    衣装:パコ・ラバンヌ
    出演者:アラン・ドロン/リノ・ヴァンチュラ/ジョアンナ・シムカス



    オンナは、2人のオトコの後ろではなく、真ん中で輝くもの

    もはや、日本にはファッション・アイテムが溢れかえっています。あらゆる色の、あらゆるテイストがほぼ手に入る今、〝今のトレンドは何?〟なんて言っているのがトレンド遅れになっています。ファッション文化の成熟が、流行を超越した自分の好きなテイストを見つ出すことを可能にしました。ただし、問題は、そんな自分のテイストは何かを見つけ出すこと。そこで重要なことは、自分のファッションセンスを磨くことです。そのためにまずはフランス映画(特に60年代)を見ることを提案します。どの映画においてもフランス映画の登場人物のファッションは、自然な装いの中に個性を出す術を知っています。このテイストこそが世に言うフレンチ・カジュアルです。

    そして、フレンチ・カジュアルにおいて、最も重要な要素は、愛着のあるファッション・アイテムを探す所にあります。それは、決してラグジュアリー・ブランドというわけではなく、ヴィンテージ・ショップで探し出したものであったりもします。ただし、ファストファッションからそういったアイテムを探し出す感覚はほとんどありません。なぜならば、このフレンチカジュアルの精神は、自分の個性の追求なので、それをファストファッションという大量生産のアイテムに求めるのは愚の骨頂だからです。

    そんなフレンチ・カジュアルを体現した女優の1人が、ジョアンナ・シムカス(1943-)です。彼女の魅力は、ある種、ジェーン・バーキンと共通しています。自然体でありながら、どこか寂しげ、異性よりも同性を惹き付ける人。70年代の日本の〝飾らない若者〟像に影響を与えた人でした。



    飾らない女性=プチプラ族ではない

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    フェンディの毛皮を身に纏うジョアンナ・シムカス。

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    バッグはシャネルのマトラッセ。オールレザーも様になります。

    もしかりに〝飾らない女性〟が、オシャレなアイテムを安く購入したならば、決してそれを他人に吹聴することはしないでしょう。一方、それをネット上で自慢するようなことをする人=これをブランド至上主義者と呼びます。それはフェンディのチャームをインスタやブログで自慢する人と同じく、ファストファッションの安さ自慢に夢中になり、それをひけらかしているからです。もし、自分が持つアイテムがそんな人の紹介しているアイテムと重なったならば、その時に感じる感情は、喜びよりも不快感です。

    ではなぜ、そんなプチプラコーデという個人の秘密の喜びの領域を共有しあうプチプラ族が誕生したのでしょうか?それは、私たちが便利さの中で生きており、どんなことでも丁寧に誘導される日々を過ごすうちに、もはや誰かを参考にしないと生きていけなくなる危険性の中で存在しているからです。そして、その参考さえも何かを参考にしたものに過ぎず、こうして、人間はベルトコンベアーに乗せられた作られたモノのように感受性を去勢されていくのです。

    「そんなことくらい自分の頭で考えようよ?」それがプチプライスな商品に対する賢明な姿勢なのではないでしょうか?そして、口は閉じておく。誰にでも手に入れやすいものに対して、その知識をひけらかす必要はないのです。それが、プチプラ族と、飾らない女性の違いなのです。「ねえ?しまむらで何買ったの?」なんて会話を決してせずに、しまむらをファッションに取り入れている(それだけのものがあればの話)人こそ、飾らない人なのです。



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