【トム フォード】チャンパカ アブソルート（ロドリゴ・フローレス・ルー）

チャンパカ アブソルート

原名：Champaca Absolute
種類：オード・パルファム
ブランド：トム・フォード
調香師：ロドリゴ・フローレス・ルー
発表年：2009年（日本発売 2012年10月24日）
対象性別：ユニセックス
価格：50ml／31,900円

「ジャスミン ルージュ」より早く生まれた〝妹〟

トム・フォードのプライベート ブレンド コレクションとして2009年に発売されたこの香りは、トム・フォードのフレグランスの中でも、とても珍しいトロピカル・フローラルの香りです。

2年後に「ジャスミン ルージュ」を生み出すことになるロドリゴ・フローレス・ルーにより調香されました。二作品とも、濃厚かつ官能的なトム・フォードのファッションが抜群に似合いそうな女性の香りとしてコレクション内でも突出しています。そのためこの二作品は姉妹作とも言えます。

チャンパカとは、中国のチベット、雲南省、インド、東南アジアに生える2メートルから16メートルのモクレン科の高木です。日本名は「金香木」。中国においては漢方で使用され、インドにおいては、女神ラクシュミーの化身として崇拝されています。

その精油は白い花から抽出され、お香のような静謐さとバナナのような濃厚な甘さを兼ね備えた神秘的な香り立ちが特徴で、ジャン・パトゥの名香「ジョイ」にも使用されている香料です。

極甘トカイワイン×マロングラッセ

ベルガモットとコニャックというとんでもない組み合わせからこの香りははじまります。そして、コニャックはドライダウンまで存在するメインキャストです。

すぐに（マグノリアのような）チャンパカ、ジャスミン、イランイラン、オーキッドといった南国の花々が甘く咲き乱れます。そこにトカイワインが絡み合い、砂糖漬けされたプラムのような華やかな甘さに包まれます。

ミドルからラストにかけて現れるグルマンなマロングラッセに、クリーミーなサンダルウッドとパウダリーなヴァイオレットが、バニラを従えながら、妖艶かつ官能的なドライダウンを演出してくれます。

トカイワインとは、ハンガリーのトカイ地方で作られるワインであり、世界三大貴腐ワイン（極甘口のワイン）の産地のひとつです（フランスのソーテルヌ、ドイツのフランケン地方のトロッケンベーレンアウスレーゼ）。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「チャンパカ アブソルート」を「きついフローラル」と呼び、「最高のチャンパカフラワーに触れる幸運に恵まれたというのに、トム・フォードの香水には本来の甘美な魅力が感じられない。肌につけるやいなや、安っぽいケミカル臭が漂う。」と2つ星（５段階評価）の評価をつけています。

この香りをコニャック色かシャンパンホワイト色のボトル・デザインで新たに売り出したらもっともっと再評価されるはずだと思います。

香水データ

香水名：チャンパカ アブソルート
原名：Champaca Absolute
種類：オード・パルファム
ブランド：トム・フォード
調香師：ロドリゴ・フローレス・ルー
発表年：2009年（日本発売 2012年10月24日）
対象性別：ユニセックス
価格：50ml／31,900円

トップノート：コニャック、ベルガモット、玄武岩
ミドルノート：チャンパカ、オーキッド、ヴァイオレット、ジャスミン、イランイラン、トカイワイン
ラストノート：バニラ、アンバー、サンダルウッド、マロングラッセ