アンテウス
原名:Antaeus
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:ジャック・ポルジュ
発表年:1981年
対象性別:男性
価格:100ml /16,940円
公式ホームページ:シャネル
ジャック・ポルジュのシャネル処女作
シャネル史上初のメンズ・フレグランス「プール ムッシュウ」は、ココ・シャネル復活の翌年1955年に生み出されました。
それから26年の時を経て生み出されたシャネルの第二弾メンズ・フレグランス「アンテウス」は、ギリシア神話の半神半人「アンタイオス」(ギリシア語で「向かい合う」という意味)から付けられた名前です。アンタイオスは、海神ポセイドンと大地の女神ガイアの息子であり、ヘスペリスの林檎を捜し求めていたヘラクレスにより倒されました。
大地に立つ限り無敵の男であるアンタイオスを、ヘラクレスはベアハッグで、大地から足を離れさせ倒したというギリシア神話からインスパイアされた香りです。
レザー・アロマティックの香りは、シャネルの三代目専属調香師になったジャック・ポルジュの第一弾フレグランスとして調香されました。
オスのエキスが二酸化炭素抽出法で抽出されたような香り
さぁ、アンテウスよ!目覚めよ!とばかりにこの香りは、ベースのオークモスとパチョリが大地の目覚めのように、(ベルガモット、アマルフィ・レモン、ライムといった)シトラスとコリアンダー、そして、ハーバルなクラリセージ、タイム、バジルを揺り動かすように壮大に香り立つところからはじまります。まさに力強い男性の筋骨隆々の肉体が躍動するようなシプレの香りです。
この咆哮にも似た強烈なトップノートは、すぐにレザーノートのスモーキーさにより和らぎます。そして、そこにフレッシュなラベンダーがムスキーなカストリウムと共に溶け合い、アニマル・パワーを全開します。かくして、アンテウスは本格始動します。
アニマリックな香りに触発され、ハニーが小躍りし、パウダリーなアイリスの花粉を受粉するようにローズ、ジャスミンのアニマル・パワーを解き放ちます。レザーとタバコのスモーキーさにアニマリック・フローラルが見事に混ざり合います。
やがて、ドライダウンに向かうにつれ、エキゾチックなラブダナムとクリーミーなサンダルウッドが温かくも官能的に、アンテウスの筋肉に吸い付く女性の肌のように、柔らかくクリーミーな甘さで全体を包み込んでくれます。
シャネル「N°19」のメンズ・ヴァージョンとも形容される、一筋縄ではいかないスケール感のある90種類以上の香料が絡み合う複雑なオスの香りです。カストリウムというよりもオスのエキスが二酸化炭素抽出法で抽出されたような香りです。
ボトル・デザインは、当時のシャネルのアート・ディレクターであるジャック・エリュによるものです。
ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「1981年にアンテウスが登場したとき、正直にいうとあまりいいとは思わなかった。それは最初のゲイの男性用香水として、何年もの間一日にボトル半分も使うような使い方をされていたせいもある。」
「今になって思うと当時のシガーボックス・ウッディの香水としてはいちばんいい(3年後に出たクリツィア ウォモもいいが)。今では少し古臭い感じがすかもしれないし、男性より女性に向くのではないかとも思うが、とてもいい香りだ。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。
香水データ
香水名:アンテウス
原名:Antaeus
種類:オード・トワレ
ブランド:シャネル
調香師:ジャック・ポルジュ
発表年:1981年
対象性別:男性
価格:100ml /16,940円
公式ホームページ:シャネル
トップノート:コリアンダー、ベルガモット、アマルフィ・レモン、ライム、クラリセージ、ミルラ
ミドルノート:ラベンダー、アイリス、ジャスミン、タイム、ローズ、バジル
ラストノート:フレンチ・ラブダナム、パチョリ、オークモス、カストリウム、ハニー、サンダルウッド、シダーウッド