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【レバンゲルボワ】2015 ル フェニックス|不死鳥(ミシェル・アルメラック)

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©LES BAINS PARIS
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2015 ル フェニックス|不死鳥

原名:2015 Le Phénix
種類:オード・パルファム
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/19,800円、100ml/42,900円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP

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レバンゲルボワについて

デヴィッド・ボウイと妻のイマン ©Fok Kan

レ バン ドーシュに集まる有名人たち。左からジャック・ニコルソン、カトリーヌ・ドヌーヴ、カール・ラガーフェルド、リンダ・エヴァンジェリスタ

©LES BAINS PARIS

レバンゲルボワ(Les Bains Guerbois)。どこかエヴァンゲリオンを連想させる響きを持つこのブランドは、5つ星ホテル「レ バン パリ」のフレグランス・ラインとして2016年にスタートしました。

はじまりは、1885年に、印象派の画家たちが集まる「カフェ・ゲルボワ」を経営していた貴族のフランソワ・オーギュスト・ゲルボワが、「レ バン ゲルボワ」というパリ初の高級スパをオープンしたことでした。

この高級スパには、日本風の温泉、トルコ風の蒸気風呂、ロシア風のサウナがあり、マッサージサロン、美容室、レストランも併設していました。そして、瞬く間にパリの美と健康の殿堂となり、マネ、モネ、ゾラ、ルノワール、プルーストなどの芸術家や上流階級の人々が集まるパリの文化交流の中心となりました。

しかし、人々が自宅にバスルームを持つようになり、衰退していきました。そして、1960年代にゲルボワ家から、医学部の教授モーリス・マロワが買い取り、二人の才気溢れる青年に貸したのでした。

かくして、1978年に「レ バン ドゥーシュ」という名で、若き日のフィリップ・スタルクがインテリア・デザインを手がけ、80年代から90年代にかけて世界で最も有名なナイトクラブへと生まれ変わったのでした。ニューヨークのナイトクラブ「スタジオ54」は、数カ月前(1977年4月26日)にオープンしていました。

デヴィッド・ボウイ、アンディ・ウォーホル(ウォーホルが弟子のジャン=ミシェル・バスキアやキース・ヘリングを披露したのもここでした)、セックス・ピストルズ、ローリング・ストーンズ、カール・ラガーフェルドなど数々の著名人から愛されました。

ちなみにエディ・スリマンが10代の頃このクラブで遊んでいた想い出を投影した香りが、セリーヌの「ナイトクラビング」です。人類最強のDJと呼ばれたデヴィッド・ゲッタのキャリアもここで築き上げられました。

その後、1998年に建物の改修のため閉鎖され、2015年に父モーリスからオーナー権を引き継いだ、映画プロデューサーのジャン=ピエール・マロワ(1963-)の手によって、39のゲストルームを持つ5つ星ホテルへと再び生まれ変わったのでした。そして、ナイトクラブとスパも復活させたのでした。

ちなみにマロワがプロデュースした映画で有名なものとして、ジュリエット・ビノシュ、マリオン・コティヤールが出演した2004年の『マリー ~もうひとりのマリア~』やジョシュ・ハートネット、木村拓哉が出演した2008年の『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』があります。

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不死鳥が蘇り、火の鳥となって肌の上に着地する。

©LES BAINS PARIS

©LES BAINS PARIS

パリでは何も消えることはなく、何であろうとも生き返ることができる。2015年、「レ バン」は不死鳥のように蘇る。カルダモンとジンジャー、パチョリとシダーウッド、インセンスとアンバーの微妙なスパイラルの中、磨き上げられたドームとキューポラの下、〝メゾン・ゲルボワ〟のすべてが再び動き出す。

スパ、ナイトクラブ、ホテル。踊る、余韻に浸る、夢を見る、汗をかく、飲む、見る、感じる、誘惑する、うたた寝する。すべての昨日と今。これが「レ バン」の1885年、1978年、2015年だ。

公式ホームページ

1885年の高級スパ「レ バン ゲルボワ」から、1978年の伝説のナイトクラブ「レ バン ドゥーシュ」を経て、2015年の5つ星ホテル「レ バン パリ」へと到達した130年の時を越える水として生み出されたのが、「レバンゲルボワ」の香水達です。

この「レバンゲルボワ」が、2016年の「オーデコロン」に続き、2018年に、「レ バン パリ」が2015年に蘇った記念の水として生み出されたのが「2015 ル フェニックス|不死鳥」でした。〝Collection Une date, Une histoire(ある日、ある物語)〟のひとつであるこの香りは、ジャン=ピエール・マロワのたっての希望により、巨匠ミシェル・アルメラックにより調香されました。

すべてを燃やし尽くした灰燼の中から不死鳥(フェニックス)が飛び出すように、スモーキーなインセンスの中から、激しく燃え上がるジンジャーとカルダモンが、透き通るように官能的な不死鳥の香りを広がらせてゆきます。

はじまりから、激しくも美しいインセンスとスパイスの荘厳さに全身が満たされてゆきます。

すぐにスモーキースパイシーな不死鳥は、甘いムスクの風に乗り、天高く羽ばたきます。そして、シダーウッドとパピルスウッドを中心とした豊かな木の上で、眼下にパリの町並みを眺めながら、雄大に羽を広げるのです。

やがて、スモーキースパイスとムスキーウッドが、温かいアンバーと土っぽいパチョリ、苦いベチバーに呼ばれ、大地へと還り、火の鳥となり、心に忍び込み、復活の喜びを静かに燃え上がらせてくれるのです。

不死鳥が蘇り、火の鳥となってあなたの肌の上に着地するように、背中に大いなる翼を与えてくれる〝パワフルなオーラ〟で包み込んでくれる香りです。

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香水データ

香水名:2015 ル フェニックス|不死鳥
原名:2015 Le Phénix
種類:オード・パルファム
ブランド:レバンゲルボワ
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2018年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/19,800円、100ml/42,900円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP


トップノート:ジンジャー、カルダモン
ミドルノート:パチョリ、シダーウッド、パピルス
ラストノート:インセンス、ムスク、アンバー