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『スカーフェイス』Vol.6|アル・パチーノのトニー・モンタナ伝説

アル・パチーノ
アル・パチーノ
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トニー・モンタナ帝国の崩壊

トニー・モンタナは順調に成り上がり、ボスの愛人も略奪し、豪邸に住み、トラを飼い(マイク・タイソンは絶対にトニーに憧れていたはず)、仕立ての良いスーツと黄金と宝石の装飾品で身を固めるようになっていきました。しかし、それは彼自身が知らないうちに、自分自身の葬儀の準備をしているようでした。

「人間は確実に死に向かい進んでいく存在」であり、トニー・モンタナが永遠のギャングスタ・アイコンになったのは、そんな〝滅びの美学〟が、ダークトーンのファッションと共に見事に描かれていたからでした。

(アル・パチーノは本物のコカインを吸っていると話題になりましたよね?の質問に対して)そんなはずないじゃないか。アルはすごく真面目な男だし、もし撮影に本物のコカインを使っていたら、全製作費をそれを買うために使っても足りなかったろうね。

ブライアン・デ・パルマ

彼の顔にはどことなく死んだような感じがある。人間らしい感情が腐りおち、あとに残ったのは強欲と下劣な悪知恵だけという感じである。」ポーリン・ケイル

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トニー・モンタナのファッション13

ブラック・タキシード
  • ブラック・タキシード
  • ダイアゴナル・ストライプの白のドレスシャツ、ウイングカラー
  • ブラック・ボウタイ
  • 白いシルクのポケットチーフ
  • コンコルドのデリリウム マリナー

そして、エルヴィラを失ってしまうトニー。

コカインでのし上がった男が、コカインで滅んでいく姿。

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トニー・モンタナのファッション14

ニューヨーカー・スタイル
  • ネイビーのオーバーコート、シングル、ノッチラペル
  • チョークストライプのダークネイビー・ウールスーツ、3ピース(最後のスーツと同じ)
  • ホワイトドレスシャツ
  • レッド・シルクタイ、黄金の菱形の柄入り

スーツのストライプだと分かる写真。後ろはデ・パルマ。

ニューヨークのトニー・モンタナ。

唯一ヤクザ・ファッションではないトニー。

加速度的に負の連鎖に飲み込まれていきます。

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そして誰もいなくなった・・・

M203グレネードランチャー付きのM16A1。映画初登場です。マズルフラッシュがちゃんと映るようにカメラがカスタムされました。

後に同じ仕様の銃を『プレデター』でシュワルツェネッガーが使用しました。

『スカーフェイス』が、〝男たちの永遠のバイブル〟である理由は、悪趣味なまでに金ぴかな宮殿のような邸宅で、高価なスーツ姿で、戦争で使用するレベルの銃器で、大銃撃戦を行い果てるところにありました。

そこには、コカインを吸引し、空元気を出し、唾を飛ばしながら、実に見苦しく吼える男がいます。しかし、この作品の面白いところは、決して自殺などを考えずに、孤立無援になっても、蜂の巣にされても「もっと撃ってこい!こんな腑抜けた弾で俺が死ぬとでも思うのか!」と吼えて戦うあり得ない設定にあるのです。

それはアル・パチーノだからこそ生み出すことが出来た説得力なのです。そして、トニー・モンタナは戦い続けながら死に、伝説となったのです。

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トニー・モンタナのファッション15

チョークストライプ・スーツ
  • チョークストライプのダークネイビー・ウールスーツ、3ピース、シングル、2ボタン、ピークラペル、サイドベンツ
  • ポケットチーフ、白のシルク
  • ホワトドレスシャツ
  • タン色のレザーベルト、金のバックル
  • キューバン・ブーツ〟ブラックレザー・スリッポン・アンクルブーツ
  • コンコルドのデリリウム マリナー

「Say Hello to my little friend!(これがご挨拶だ!)」

スタジオに遊びに来たスピルバーグが1シーンのみ演出した。

アル・パチーノの魅力=静の迫力。

長い間、これらのコカインは本物であり、パチーノはカメラの前で本物を吸っていたと噂されていた。

男は死ぬまで吼えて戦うんだ!

作品データ

作品名:スカーフェイス Scarface (1983)
監督:ブライアン・デ・パルマ
衣装:パトリシア・ノリス
出演者:アル・パチーノ/ミシェル・ファイファー/スティーヴン・バウアー/ポール・シェナー