アル・パチーノ

アル・パチーノ1 『スカーフェイス』1(3ページ)

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作品データ

作品名:スカーフェイス Scarface (1983)
監督:ブライアン・デ・パルマ
衣装:パトリシア・ノリス
出演者:アル・パチーノ/ミシェル・ファイファー/スティーヴン・バウアー/ポール・シェナー

トニー・モンタナという一人のアイコンが誕生した瞬間

モデルは、1920年代のシカゴ・ギャング、アル・カポネです。

1932年、ハワード・ホークス監督、ポール・ムニ主演により『暗黒街の顔役』(原題はスカーフェイス)が公開され、大ヒットしました。

1990年代から現在に至る、黒人やヒスパニックのファッション・カルチャーに最も影響を与えた映画作品を挙げよと言われたならば、それは『スカーフェイス』で間違いないでしょう。さらにこの作品は、香港映画にも大いに影響を与えました。それは『男たちの挽歌』(1986)から始まるジョン・ウーによる香港ノワールという新たなるジャンルを生み出しました。

この作品の主役であるトニー・モンタナを演じるアル・パチーノ(1940-)には、あのギャング界のエリートである『ゴッドファーザー』シリーズのマイケルの面影は微塵もありません。そこにはただ『仁義なき戦い・広島死闘編』(1973)の千葉真一か『仁義の墓場』(1975)の渡哲也のように、ひたすらに欲望の赴くままに、成り上がることだけを考えて、成り上がり、そして、その成り上がり方の滅茶苦茶な分だけ、押し寄せてくる荒波にもみくちゃになりながらも、周りを巻き込むだけ巻き込んで、見苦しく朽ち果てる悪党の姿がありました。

それはある種の感動を伴った姿でした。170㎝もないハリウッド・スターが40代を越え、肉体改造をし、キューバ人に成り切り、カメレオンのようにトニー・モンタナへと昇華した姿がそこにはあります。「なぜ、礼儀正しく生きる必要があるんだ?」そんな精神に満ち溢れたトニー・モンタナという男は、派手なアロハシャツや、ストライプのスーツにいかにもチンピラ風情にシャツから胸をはだけたそのスタイルと共に、21世紀を生きる男たちの「野性」を呼び覚ます存在の代名詞となったのでした。

ヤルからには徹底するんだよ!!

「オンナのアソコを舐めて、どうやってこんな傷がつく?」

移民局にて、シャツをパンツに入れて、政治亡命者を装うが、あっさりと前科者であることがバレ、収容所送りになる。

トニー・モンタナ・ルック1 アロハルック
  • アールデコ調のオウムが描かれたペールイエローのアロハシャツ
  • 白のランニングシャツ
  • 黒のレザーベルト
  • 黒のトラウザー

「トニー・モンタナは私のお気に入りの役のひとつだ!」とアル・パチーノが回想するほどに、強烈なキャラクターであるこの男の本質がオープニングの移民局のシーンからすでに描かれています。入国審査のためになら、抜け目なく嘘八百つき、軽口を叩くこの男のファッションは、アロハシャツ姿なのだが、それを仰々しくパンツの中に入れ、ソフトなイメージを作ろうと狡猾に立ち回ります。しかし、隠すことの出来ない、片眉から頬骨にかけて横切って下に伸びたスカーフェイス(顔の傷)が、もう彼には平穏な成り上がりを許さない運命を決定付けているのでした。

この作品は、当初、ロバート・デ・ニーロにオファーされ、ジェフ・ブリッジスが主役決定寸前となったところで、アル・パチーノが強烈なラブコールにより役柄を獲得した作品です。その肉体は、アロハシャツの上からでも、ボクサーのように引き締まっていることが認識できます。パチーノは、現役のプロボクサー“石の拳”ロベルト・デュランを雇い肉体改造へと取り掛かったのでした。

男ならひたすら前進あるのみ!

とにかく金持ちになりたい!と貪欲に前進する男の物語。

相棒のマニーを演じるのは、スティーヴン・バウアー。

パチーノは、役柄によって歩く姿勢ががらっと変わります。

実は厳寒の中で行われていた収容所シーンの撮影。

トニー・モンタナ・ルック2 バンダナ&アロハシャツ
  • 緑×赤い鳥が描かれたアロハシャツ
  • 白のランニングシャツ
  • ブルーデニムジーンズ
  • バンダナを頭に巻く

本作は、1920年代のシカゴ・ギャングのアル・カポネを題材にしたギャング映画の名作『暗黒街の顔役』(1932)のリメイク作品です。設定をマイアミのキューバ難民に変えて、当初はフロリダ州マイアミで撮影を行う予定でしたが、キューバ系のギャングとのトラブルを恐れたマイアミ市に撮影協力を拒否され、ほとんどのシーンはロサンゼルスのハリウッド近郊で行われることになりました。

1982年11月22日から1983年5月6日まで24週間かけて撮影され、公開当時『暗黒街の顔役』への冒涜とまで酷評されたのですが、大ヒットとなり、現在においては、あらゆる年齢層の男たちを燃え上がらせる「男のバイブル」として、チャールズ・ブロンソンやスティーブ・マックイーンの映画並みにタイムレスな存在感を誇る作品です。

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