作品名:007 オクトパシー Octopussy(1983)
監督:ジョン・グレン
衣装:エマ・ ポーテウス
出演者:ロジャー・ムーア/モード・アダムス/クリスティナ・ウェイボーン/ルイ・ジュールダン/スティーヴン・バーコフ
007シリーズの最強秘密兵器ここに登場!
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カルト人気を誇る千手観音ボンド(なぜかデッド・オア・アライブを連想させる)。
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ロジャー・ムーアにしか使いこなせないボンド最強秘密兵器ここに登場!
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クロコ・カモフラージュ・プライベート・サブマリン(日本名:ワニ型潜水艇)。
ロジャー・ムーア=ボンド第六弾となる本作『007 オクトパシー』を象徴するシーンをひとつ挙げよと言われたならば、迷いなく挙げることの出来るシーンが、ワニ型潜水艇でジェームズ・ボンドが登場するシーンでしょう。
かの名物映画評論家ポーリン・ケイルに、「観光天国インドを舞台にしたコメディアン、ロジャー・ムーアの一大コント集」「もともと動きがいいとはいえなかったこの俳優は、55歳の今、めっきり動きが鈍くなった」「彼はヒーローらしくないが、けなげではある。難局に対処するさいには、なけなしの一級品のジョークを使う」と言わしめたこの作品の魅力は、今のボンドムービーが完全に失った〝ゆるさ〟にあるのです。
つまりは、この作品のテイストは、前作『007 ユア・アイズ・オンリー』のリアル・ボンド路線から一転したコメディ・ボンド路線だったのでした。オクトパシーのアジトである水上宮殿に忍び込むために、ワニさえも欺こうという高い志(?)を持って、エキゾチック・レザーで作られたワニ型潜水艇に乗り込むボンドの姿は、どこからどうみても元祖『裸の銃を持つ男』にしか見えません。
そんなロジャー・ムーア(と広川太一郎様)にしか表現できない『裸の銃を持つジェームズ・ボンド』が作中に身に纏いし、華麗なるファッション(変装?)をここで紹介していきましょう。
「ハイオクを満タンで」で始まる〝オール・タイム・ハイ(史上最高)〟
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ティナ・ハドソン嬢のふとももがまぶしすぎるプレタイトル。
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超小型ジェット機アクロスターBD-5とボンド。
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そして、国境を越え、ガス欠になり、ガソリンスタンドに着陸し、「ハイオク、満タンで」というキメ台詞を放つボンド。
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イラスト化されたこの華麗なる世界観。後ろにはちゃんと追尾ミサイルとアマゾネス軍団の姿もある。
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冒頭、ブラウンのジャケットを着て変装しているボンド。
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助手のティナ嬢の協力によりリバーシブル軍服にお着替え完了。
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サイドジップのブラウンブーツ。
ジェームズ・ボンド・スタイル1 リバーシブル・ジャケット
- ダグラス・ヘイワードによるブラウンのヘリンボーン・ツイード・ジャケット、3つボタン、チケットポケット、ダブルベンツ、リバーシブルであり、裏返すと軍服が現れる。
- 軍服のジャケットは、4つボタン
- フランク・フォスターのカーキシャツ、エポレットつき
- 黒のレップタイ
- オリーブグリーンのトラウザー
- ダークブラウンのレザーベルト
- リバーシブルのブラウンのヘリンボーン・ツイードのハンチング帽
- サイドジップのブラウンレザーブーツ
プレオープニング・シークエンスのために、ジェームズ・ボンドは、ブラウンのヘリンボーン・ツイード・ジャケットを着てダンディなおじいちゃんのような様子で登場します。そして、物陰に隠れて、ジャケットを脱ぐと、それはリバーシブルになっており、裏地は、軍服仕様になっています。
ちなみに、実際に着ている軍服は、このリバーシブル仕様のものではないものが着用されています。
このプレオープニングこそが、ロジャー・ムーア=ボンドの強みの集大成とも言える〝無責任スペクタクル男っぷり〟を発揮してくれています。もし、当初の予定通り、ジェームズ・ブローリンが四代目ボンドに就任していたらこうはいかなかったでしょう。
ちなみに、ショーン・コネリーによる『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の製作が決定した後に、ロジャー・ムーアもこの作品に出演する可能性があるという話を聞きつけた本作の製作陣が、ブローリンとの契約を解除し、破格の出演料を提示することにより、ムーア=ボンドの続投となったのでした。