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『スカーフェイス』Vol.9|ミシェル・ファイファーの元祖ウェイフルック

その他の現代の女優たち
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ウェイフルックはココから始まった。

パトリシア・ノリスは、エルヴィラの衣装イメージについて、監督のブライアン・デ・パルマより、本作のオリジナル作品であるハワード・ホークス監督の『暗黒街の顔役』(1932年、原題はスカーフェイス)の情婦ポピー(カレン・モーリー)のファッションを参考にしてくださいと言われていました。そのため、エルヴィラのスタイルは1930年代スタイルなのです。

しかし、彼女のスタイルがタイムレスなのは、コカインとアルコールで生きているエルヴィラのヘロインシックとでも言うべき退廃的な存在感ゆえです。

それはまさに1993年にケイト・モスによって幕開けしたウェイフルックの先駆けとも言えるものであり、ミシェル・ファイファー(1958-)は、エルヴィラを演じるにあたり、摂食障害とも言えるほどの過酷なダイエットを行いつつこの撮影に臨んでいたのでした。

ミシェル・ファイファーは、コカインを吸入するときは、薄く美しい肩甲骨を前かがみにする…

ポーリン・ケイル

ミシェル・ファイファーのウェイフルック。

不健康で、日の光を浴びていない、退廃的な美。

70年代の影響が色濃く残るメイクアップ。

オリジナル版『暗黒街の顔役』(1932)で情婦ポピーを演じたカレン・モーリー

カレン・モーリー(1909-2003)

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エルヴィラ・ハンコックのファッション5

唯一の80年代風ファッション
  • ゴールデンイエローのデイワンピース、プランジング・ネックライン
  • シルバーのハイヒールサンダル
  • 一連のパール・ネックレスとパール・イヤリング

作中、一瞬しか現れませんが、素敵なデザインです。

トニーは、妹ジーナのために美容室をプレゼントする。

ルーズなシルエットでありながら、攻めているネックライン。

生地の柄がよく分かる写真。

アクセサリーはパールのみ。

80年代のカラフルでポップな空気にマッチしています。

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エルヴィラ・ハンコックのファッション6

ウェイフルック
  • ルームウェア、スパゲッティストラップ、バタフライ柄
  • シルバーのハイヒールサンダル

アルコールとコカインで生きる女エルヴィラ。

とても魅力的なルームウェアです。

以下、ウェイフルックの先駆け的なスタイル





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彼女もまた野垂れ死にするのでしょう

実際にコカイン中毒だったオリバー・ストーンによる脚本。

だからこそ、エルヴィラの行きつく果てには、幸せはありません。

この作品におけるミシェル・ファイファーは、物語を牽引するほどの重要な役割ではありませんでした。しかし、その存在感は、映画的というよりはファッション的なセンスにおいて独特な閃光を放っていました。

いまではエルヴィラ・ハンコックというキャラクターは、トニー・モンタナというヤクザの中のヤクザが愛した唯一の女として、ファム・ファタール〝滅びへと導く女神〟的なアイコンとして、タイムレスな輝きを放っています。

それはまさに1980年代に蘇えりし1930年代風のクールビューティーとして、または、1993年から始まるウェイフルックの先導者として、多くのファッション・デザイナーに影響を与えるファッション・アイコンとなりました。

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エルヴィラ・ハンコックのファッション7

スパンコールドレス
  • ブラックスパンコールドレス、スパゲッティストラップ

トニー!私たちは勝者ではなく、敗者なのよ!」という捨て台詞を残し、がりがりにやせ細っている彼女は、後先考えずに去っていくのでした。

常にシガレットを離さない女エルヴィラ。

エルヴィラの喫煙する姿勢は、とてもクール。

イヤリングもかなり個性的=アールデコで、魅力的です。

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決して笑わない女の笑うオフショット


最後に、決して笑わない女エルヴィラ・ハンコックを演じたミシェル・ファイファーがオフショットで、アル・パチーノと向き合い、照れ笑いする一枚。すごく可愛い!

作品データ

作品名:スカーフェイス Scarface (1983)
監督:ブライアン・デ・パルマ
衣装:パトリシア・ノリス
出演者:アル・パチーノ/ミシェル・ファイファー/スティーヴン・バウアー/ポール・シェナー