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ヴィヴィアン・リー4 『哀愁』(3ページ)

    作品名:哀愁 Waterloo Bridge (1940)
    監督:マーヴィン・ルロイ
    衣装:エイドリアン/アイリーン
    出演者:ヴィヴィアン・リー/ロバート・テイラー



    ヴィヴィアン・リーが最も愛した作品。

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    『風と共に去りぬ』でスカーレット・オハラを演じた翌年の作品です。

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    現代の基準から見ても、圧倒的な美男美女です。

    1940年に、ローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーが『ロミオとジュリエット』でブロードウェイの舞台に登場した。・・・私は、イギリスの誇るふたりの名優をシェイクスピア劇で観ることがいかにわたしの演技の勉強に重要なことかを母に納得させた。アメリカの俳優とイギリスの俳優では、シェイクスピアの演じ方やせりふのしゃべり方に違いがあることが、そのころの私にも感じ取ることができた。オリヴィエ夫妻の発音はとても綺麗で、せりふがとても自然に聞こえるのだった。ふたりは何もかも完璧な上に、素晴らしく美しかった・・・神に祝福された存在のように・・・

    ローレン・バコール

    1940年、ヴィヴィアン・リーは世界で最も美しい女性の一人だった。『風と共に去りぬ』(1939年)のスカーレット・オハラ役によって得た世界的名声により26歳にして、「映画女優」という言葉の象徴となったヴィヴィアンは、当時のインタビューでこう答えました。「私は映画スターではありません。女優です。ただ映画スターであることだけでは、うわべだけの偽りの人生です。偽りの価値と宣伝のために生きているだけです。女優だったらいつまでも長続きして、つねに素晴らしい役を演じる機会があります。」

    ヴィヴィアン・リーの素晴らしさと恐ろしさは、ローレンス・オリヴィエという当時の恋人(後の夫)の影響を受けていました。

    二人はバスに乗ると、オリヴィエが乗客の一人を選び出して、その行動についてヴィヴィアンと意見を闘わせました。二人の生活のすべてが舞台を中心に回転していました。彼はなぜ乗客があんな動作をしたと思う、とヴィヴィアンに尋ね、そして、その動作をさまざまに解剖して、説明するのです。そして、ずっと後に、ヴィヴィアンはオリヴィエが舞台でその動作を使い、それが真にせまっていることに気がつくのでした。

    オリヴィエからヴィヴィアンへの演技に対する助言は、常に観客の期待しているものを予想して、そして、それを行わぬ、ということでした。「何かをするにはそれを感じなければならない。役を正確に演じれば役を感じられる。悲哀、情熱、苦悩、それをじっさいに感じなければならない。すべての感情の経験がそうであるように、自分から何かが失われ、何かが加わるのである」。このオリヴィエの鉄則が、ヴィヴィアンに、女優としての栄光と、精神の崩壊の二つの魔力を与えることになったのです。



    戦時下に作られた作品だからこそ、本気の「ベレー帽」が生きる。

    昔のファッションは、今よりも良質の生地に包まれている。

    女性に、ベレー帽が、流行するきっかけになりました。

    マイラ・レスター・ルック1 ベレー帽スタイル
    • ベレー帽
    • 2ピースのスカートスーツ。くるみボタン
    • ペールカラーのボウタイ・ブラウス
    • 黒ショートグローブ
    • 黒ヒールパンプス

    1938年に第二次世界大戦が始まり、作品が作られた1940年当時、戦火の波が、ヨーロッパを包み込もうとしていました。その緊張感が、見事に映像を支配しています。そこに、ロバート・テイラー(1911-1969)の只者ならぬダンディズムと、ヴィヴィアン・リー(1913-1967)の動物的な美貌と卓越した表現力が三重奏のように重なり合い、甘くて哀しい作品のテーマに、重厚感を付け加えています。

    戦時下の二人が身にまとうミリタリー・テイストは、戦争の波に今まさに飲み込まれようとしている私たちにとって、日を追うごとに魅了される現実味溢れるテイストなのです(私たちの彼氏や夫が一年後に軍服に身を包んでいないと誰が確信できますか?)。しかし、女性とミリタリー・テイストの融合が生み出す魅力が、よく伝わる作品の代表例として、本作はほとんど取り上げられることはありません。だからこそ、この作品が、女性のファッション感度に一大影響を与えうるこのオープニング・ファッションを私たちは見逃しがちなのです。

    戦争が、出会いを生み、二人を引き離します。そんな出会いのシーンで、二人が着ていたファッションは、ミリタリーであり、この当時20代の男女の着るミリタリー・テイストは、いまどきのストリート・テイストがミックスされた子供っぽいミリタリーテイストではなく、大人の男女の魅力を引き立てるミリタリー・シックなのです。

    それは私たちが、時に忘れがちな、ミリタリー・ファッションが生み出しうる、大人の演出を、見事に思い出させてくれます。ファッションには、常に二つの面が存在します。それは、若さを引き出す一面と、成熟を引き出す一面の二面なのです。20代以上の男女が、絶えず一面のみに終始するファッション・センスをこう表現するのです。「洗練されていない」と・・・。



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