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【地獄に堕ちた勇者ども】第三帝国のファッションの美学

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【地獄に堕ちた勇者ども】

The Damned ルキノ・ヴィスコンティが1969年に監督したイタリア・西ドイツ合作の映画。『ベニスに死す』『ルートヴィヒ』へと続く「ドイツ三部作」の第1作目として、1930年代前半のナチスが台頭するドイツにおける鉄鋼一族の凋落を描いた作品。

三島由紀夫が絶賛したこともあり、日本で最も人気のあるヴィスコンティ作品のひとつです。ヘルムート・バーガーが女装して、マレーネ・ディートリッヒのように歌を唄うシーンと、母と子の近親相姦シーン、さらには、強烈な同性愛描写と、ナチスの軍服への偏愛を感じさせる映像美が大いに話題になりました。

久々に傑作といえる映画を見た。生涯忘れがたい映画作品の一つになろう。

この壮重にして暗鬱、耽美的にして醜怪、形容を絶するような高度の映画作品を見たあとでは、大抵の映画は歯ごたえのないものになってしまうにちがいない。

三島由紀夫


1933年2月27日の夜(1月30日、ヒトラー内閣が成立していた)、プロイセン貴族で、ルール地方に巨大な権勢を誇る製鉄王のエッセンベック男爵家にて誕生パーティが行われていた。ヨアヒム・フォン・エッセンベック男爵はナチスを嫌悪してきたのですが、一方で、甥のコンスタンチンはナチ突撃隊の幹部でした。

さらに男爵の子息の未亡人ゾフィー(イングリッド・チューリン)の愛人であり、総支配人フリードリッヒ(ダーク・ボガード)は、エッセンベック家の財力を親衛隊の勢力へと取り込もうと画策しているナチ親衛隊の幹部アシェンバッハ(ヘルムート・グリーム)から、ナチスへの協力をけしかけられていました。

各々の思惑は別にして、男爵の姪の娘エリザベート(シャーロット・ランプリング)ら一族が見守る中、ゾフィーの息子マルティン(ヘルムート・バーガー)が、女装して登場するのだった。一堂唖然とする中、ただ幕の傍でうっとりと息子を見つめるソフィの姿だけが赤いライトに照らされていた。

The Damned (1969) – Martin's performance as Marlene Dietrich in "The Blue Angel"

そんな最中に、ひとつの知らせが届いた。「ドイツの国会議事堂が炎上している!」と。そして、その日の夜、ヨアヒム男爵は何者かに殺されたのでした。

遺言により突如、相続人になったマルティンは母ゾフィーの思惑通り、フリードリッヒを社長に就任させるのでした。本来は、自分が社長になるはずだと考えていたコンスタンチンが怒り狂いながら退場し、いよいよエッセンベック一族の勢力争いが本格化するのでした。

時は経ち、1934年6月30日、「長いナイフの夜」の幕が上がり、コンスタンチンをはじめとする突撃隊員は親衛隊により大虐殺されました。

そして、アッシェンバッハは、仲間だったフリードリッヒとゾフィーさえも、マルティンを巧みに利用し、権力の座から蹴落とそうとしていたのでした。息子マルティンを操り人形のように扱っていたゾフィーに対する愛憎が復讐の心へと爆発し、母親を犯すマルティン・・・

さぁ、ここに地獄への釜は開け放たれたのでした。親衛隊の服を着たマルティンと共に、ナチス・ドイツの第三帝国がここにはじまるのでした。

The Damned Trailer

1969年に公開され世界中でナチスドイツブームを巻き起こした『地獄に堕ちた勇者ども』が、ファッション・シーンに与えた影響は、以下の三点でした。

  1. ナチス親衛隊の軍服の持つ魔性
  2. 男たちのダンディなオールバック・スタイル
  3. 1930年代のヴィスコンティ・ルック

何よりも三島由紀夫をはじめとする昭和の男たちは、ヘルムート・バーガー&グリームのナチス親衛隊姿に、悪だと知りながらも強烈にひきつけられたのでした。

作品データ

作品名:地獄に堕ちた勇者ども The Damned (1969)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
衣装:ピエロ・トージ
出演者:ダーク・ボガード/イングリッド・チューリン/ヘルムート・バーガー/シャーロット・ランプリング

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