シャーロット・ランプリングから学ぶ、オンナの美学
シャーロット・ランプリングが、女性誌においてファッション・アイコンとして取り上げられるとき、どのブランドを付けています。という観点ではなく、彼女自身の生き様について語られます。
それは間違いなく彼女の「自然体」かつ「求道的な」演技スタイルによるものなのでしょう。彼女が出演する作品の多くは、特に2000年以降の作品は、人間にとっての普遍的な本質を描き出そうとする作品への出演が多いです。
女優の段階を芸術家までに高めうる人。それはハリウッドスター達にとって、羨望の的なのです。
女優(特にハリウッド女優)は40才を越えると役柄が限られてきます。そんなハリウッドの常識から外れている人だからこそ、「シャーロットのようになりたい」という言葉が、多くのハリウッドスターから聞かれるのです。
美しいことは女性にとって重要なことです。若いうちに、それを獲得したならば、それは神様の恵みとなります。それはどの部屋に入ることも許される名刺となります。しかし、あまりにも簡単に多くのものが手に入るので、虚栄心の強さと自己陶酔に溺れてしまい、自滅への扉を開くための鍵にもなります。
シャーロット・ランプリング
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シャーロット・ランプリング。1974年。
エリザベート・ルック3
ファースタイル
- コーヒーブラウンのターバンハット、レース付き
- 同色のミンクのストール
- 同色の手袋
- ベージュのコート
- パールイヤリング
- パールブレスレット
- ブラウンのショルダーバッグ
![damed3](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/Damed3-e1478924810978.jpg)
ヴェールスタイル。おそらく私たちの間でリバイバルするアイテム。
![immagine-7](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/Immagine-7.jpg)
豪華なファーストール。
「退屈させる映画は大嫌い」という人が大嫌い
![43-la-caduta-degli-dei-1969](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/43-La-caduta-degli-dei-1969.jpg)
貫禄のイングリッド・チューリンと共に。
私は人々を楽しませる映画が苦手です。どうしても、私の中の障害を克服しなければならない役柄に挑戦することに女優としての喜びを感じます。
屈辱を与えられ、尊厳を奪われ、むさぼり食い、時に罰を与えられることは、人間の本能を刺激します。それはセックスの大きな部分を占めます。
その非日常的な背徳の波を感じることによって、何が正常なのかを知ることが出来ます。その二面性の表現に私は夢中です。
シャーロット・ランプリング
エリザベート・ルック4
スカートスーツ
- クリーム色のスカートスーツ、ブラウンウールの襟、3つのボタン、ロングスリーブ、膝下丈の美しさ
- ブラック・アンクルストラップ・ハイヒールパンプス
![1fa8f43b9bf93d709c3f534fd8e7180a](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/1fa8f43b9bf93d709c3f534fd8e7180a.jpg)
立ち居振る舞いが本当に美しい人です。
![551ce9b4bf27ae260e32e8b436713240](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/551ce9b4bf27ae260e32e8b436713240.jpg)
ヘルムート・バーガーとのオフショット。
エリザベート・ルック5
トレンチコート
- ブラウン×ベージュ・バイカラーのチェロキー帽
- トレンチ風ベージュ・コート。襟の意匠が変わっている
- ブラウンレザー手袋
- ブラウンレザー・クラッチ
- ブラウン×ベージュのバイカラースカーフ
- パールイヤリング
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笑うとチャールズ・チャップリンのような優しい表情になるシャーロット。
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この写真で見ると襟の形状が変わっていることがよく分かります。
![](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/007-1.jpg)
すごくエレガントな生地感のコートです。
「若い男には用はない。欲しいのは本当の男」
![charlotte_rampling_01](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/charlotte_rampling_01-e1478985117934.jpg)
シャーロット・ランプリング。1967年。
![cdgafhtueaaff1r](https://cahiersdemode.com/wp-content/uploads/2016/11/CdGafHTUEAAfF1R.jpg)
ルキノ・ヴィスコンティ、シャーロット、ヘルムート・バーガー。
女性にとって重要なことは、この一点だけとも言えます。それは、若い季節に、同世代の男性と過ごしている女性と、大人の男性と過ごしている女性の違い。
シャーロット・ランプリングは、20代にしてルキノ・ヴィスコンティやダーク・ボガードという「本当の男」たちと時を過ごしたからこそ、彼女の中のもう一人の女性は開花したのでした。
「私は、同世代か、年下の男性が好きなんです」という女性に魅力的な女性は存在しません。それは男性にとってもそうなのですが、若いからこそ、臆面もなく年長者から学べるものも多いからなのです。
まさに、「若い女には用はない。欲しいのは本当の女」。逆もまた真なり。男性にとって、成熟した女性はいつでも憧れの的ということなのです。
作品データ
作品名:地獄に堕ちた勇者ども The Damned (1969)
監督:ルキノ・ヴィスコンティ
衣装:ピエロ・トージ
出演者:ダーク・ボガード/イングリッド・チューリン/ヘルムート・バーガー/シャーロット・ランプリング