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【ルイ ヴィトン】ニュイ ドゥ フ(ジャック・キャヴァリエ)

ルイ・ヴィトン
©LOUIS VUITTON
ルイ・ヴィトン
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ニュイ ドゥ フ

原名:Nuit de Feu
種類:オード・パルファム
ブランド:ルイ・ヴィトン
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/53,900
公式ホームページ:ルイ・ヴィトン

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価格:1650円
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「ルフードゥイッセイ」を生み出した男の〝新しい火〟の香り

©LOUIS VUITTON

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2020年7月2日に「オリエンタル・パフューム」(ルイ・ヴィトンのウード・コレクション)の第三の香り(他のふたつは「オンブレ ノマド」と「レ サーブル ローズ」)として発売されたのが、「ニュイ ドゥ フ」です。〝ニュイ ドゥ フ〟とは、フランス語で、〝火の夜〟の意味です。ルイ・ヴィトンの専属調香師、ジャック・キャヴァリエにより調香されました。

かつて「M7」(2002)でアルベルト・モリヤスと共にトム・フォード・プロデュースにより世界初の全世界に向けてのウード・フレグランスを生み出し、時代の先を行き過ぎ全く受け入れられなかった経験を持つ〝ウードの革命児〟ジャック・キャヴァリエにとって、ウード・コレクションは、彼のライフワークのひとつとも言えます。

さらに、もうひとつ重要な要素は、「火=フー」という概念です。かつて、「ルフードゥイッセイ」(1998)というこれまた時代の先を行き過ぎた大失敗作を生み出した彼にとって、この「フー」という言葉を新たな香りに転生することは、特別なことでした。

さて、ようやく「M7」の雪辱を前3作(「ヌーボー モンド」を含む)のウード・フレグランスで果たした彼が、今ここに4つ目のウードによって、〝ウード・フレグランスの民主化〟を果たそうと考えたのでした。

真夜中に磨き上げられたお香が、暗闇の砂の海から、静かに烈火の如く立ち上っていく〝煙と消えるウード〟の香りは、本格的なウード・フレグランスを作れることを証明したキャヴァリエが、作り上げた「ネオウード」=「やわらかウード」の香りです。

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ウードが嫌いな人のためのウード

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「ニュイ ドゥ フ」は、一言で言うと、ウードが嫌いな人のためのウードの香りです。

そして、そのための素材としてジャック・キャヴァリエは、グラースのLV専用ラボ及びフィルメニッヒ(二酸化炭素抽出法はここで行う)で生み出された、白と黒と黄の三色インセンスノートを使用しています。

  1. 煌くようなフレッシュなソマリランド産ホワイトインセンス=ソマリア産の天然オリバナム(乳香)を中心にグラースのLVラボで生み出した香り
  2. 温かさ・濃厚さ・官能性で包み込むブラックインセンスを抽出する前の焚き火の煙のような香り
  3. ウッディ・スパイシー・仄かなレモンのようなレジンインセンス(樹脂)

この三色インセンスノートに対して、この香りの〝真の理解者〟とも言える(1859年、創業者ルイ・ヴィトンがアニエール=シュル=セーヌに最初のアトリエを構えた時の歴史的なレザーの香りを再現したという)仄かに甘く柔らかい上質なレザーの香り=ナチュラルレザー インフュージョンが柔らかく溶け合います。

高級レザーを包み込む三種類のインセンスがスローモーションで動く万華鏡のような幻想空間を生み出す所に、〝植物性ムスク〟アンブレットシードが注ぎ込まれ、クリームが円やかに溶け合うような滑らかなアッサムウードが、人肌から香り立つレザーのようなインセンスウードの香りで包み込んでゆきます。

ウードを愛するための入り口としてのウードの香りではなく、ウードを一生愛せない人にとってのネオウードの香り。だからこそ、ウード好きにとっては、エネルギーの弱い香りに感じられるのです。

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究極のルイ・ヴィトン・レザーは、アニエールにある。

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1854年にルイ・ヴィトン(人名)が、ヴァンドーム広場近くのカプシーヌ通り4番地に、世界で初めての旅行用鞄の専門店を創業しました。そして、それから5年後の1859年にアニエール=シュル=セーヌに最初のアトリエを構えました。

かの地に今も存在するアニエールの工房は、ハードトランク、希少なレザーやエキゾチックレザーを用いたデザイン、スペシャルオーダーといったルイ・ヴィトンの特別なアイテムを手掛けています。

ルイ・ヴィトンの専属調香師になったばかりのジャック・キャヴァリアは、約20年のキャリアにおいてはじめてのレザー・フレグランスを創造するため、そのきっかけを求め、ある小春日和に、アニエールの工房を訪れました。

そして、トランクやバッグに使用されているラズベリーレッドのナチュラルレザーの持つ柔らかな優しさに強く惹かれたのでした。

アニマリックではなく、〝まるで花のような香りがする〟その匂いに魅了されました。そして、そこにあるたくさんのナチュラルレザーの切れ端を目に留めました。かくして処分されるのを待っていた、それらのナチュラルレザーをグラースのアトリエ『レ フォンテーヌ パルフュメ』に送ってもらうことになるのでした。

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レザーをアルコールに浸し、〝愛のかがり火〟を生み出す

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アニエールの工房から発送され、2日後グラースに到着した50キロもの革の切れ端を、(キャヴァリエがずっと調香において信頼している)香料会社パイヤン・ベルトランド社に持ってゆき、数週間の試行錯誤の末に、どす黒い液体の香りの中に、求めていた全てが詰まっていると確信したのでした。

それは最初に適当なスモーキーノートが生まれるまでアルコールに浸け込まれ、ベンゾインのようにレジノイドに変化します。その黒い物質こそが本物のナチュラルレザーから誕生した香料なのです。

キャヴァリエは、アニエールの工房でナチュラルレザーの匂いを嗅いでから、一年以上の歳月をかけてレザーインフュージョン(キュイール・ドゥ・グラース)を作り上げました。

ちなみに、このナチュラルレザーのインフュージョン(浸出液)は「ダン ラ ポー」「ミル フー」でも使用されています。

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星が瞬く砂漠のオアシスへと身も心も導かれてゆく〝心の旅〟の香り

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真夜中に磨き上げられた星空が、果てしなく広がる砂の海を凍らせてしまうように、真昼の熱砂の砂丘が、真夜中には星の砂となる瞬間、ふいに焚き火に火がともります。

砂の海にたゆたう炎の舞に身を委ねるように、ルイ・ヴィトンの〝火の夜=心に砂漠を持つ二人が出会い、炎のように燃えあがる夜〟ははじまります。

砂漠に星が一筋の光を与えるように、野生のウードが心の砂漠に光を与え、咆哮するように強い香りを放ちます。と同時に、みずみずしくも甘い植物性ムスク、アンブレットシードと、流れる水のようなホワイトインセンスが立ち上り、ウードとインセンスとムスクは、星の砂となって、肌を透かして心に届いてゆきます。

一方で、艶やかな煙のようなブラックインセンスが、肌を透かして本能に届いてゆきます。安らぎと官能がひとまとめになりココアのような匂いを広がらせていくようです。

やがてルイ・ヴィトンのブティックに漂うレザーのような気品溢れる香りが、レザーインフュージョンによってふいに再現されてゆくのです。上質なレザーが果てしなく広がり、素肌の上にふんわりと着地してゆきます。

そしてスパイシーなレモンウォーターのようなレジンインセンスが、スモーキーなインセンス、レザー、ウードと溶け合い、円やかにクリーミーに広がってゆくのです。かくして、冷え切っていた心の砂漠から、星が瞬く砂漠のオアシスへと身も心も導かれゆくのです。ひときわ明るく美しい心を取り戻してくれる、穏やかな〝心の旅〟の香りです。

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香水データ

香水名:ニュイ ドゥ フ
原名:Nuit de Feu
種類:オード・パルファム
ブランド:ルイ・ヴィトン
調香師:ジャック・キャヴァリエ
発表年:2020年
対象性別:ユニセックス
価格:100ml/53,900
公式ホームページ:ルイ・ヴィトン


シングルノート:インセンス、オリバナム、レザー、ムスク、アガーウッド

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