グッチ ブルーム ゴッチェ ディ フィオーリ
原名:Gucci Bloom Gocce di Fiori
種類:オード・トワレ
ブランド:グッチ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:100ml/14,850円
グッチ ブルーム第四章(特別編?)『花のしずく』
アレッサンドロ・ミケーレが初めてプロデュースしたウィメンズ・フレグランス「グッチ ブルーム」が、日本で発売されたのは、2017年8月9日のことでした。その第二章として2018年5月9日に発売されたのが「グッチ ブルーム アクア ディ フィオーリ」=「花の水」でした。
その僅か三ヵ月後の2018年8月15日に発売された第三章の香りが「グッチ ブルーム ネッターレ ディ フィオーリ」=「花の蜜」でした。当初、この香りは〝グッチ ブルームの最終章〟と謳われ、フィナーレを飾るに相応しいオリジナルを濃厚にしたものでした。
そして、一年も経たぬ間に、第四章(特別編)として2019年5月22日に限定発売されたのが、「グッチ ブルーム ゴッチェ ディ フィオーリ」でした(海外では2019年4月に発売)。
「ゴッチェ ディ フィオーリ」とは、イタリア語で「花のしずく」を意味します。雨にぬれた後の花から広がる、上品で柔らかな香りがテーマです。オリジナルの「グッチ ブルーム」よりも軽く、フレッシュなホワイトフローラルの香りは、全シリーズの調香を担当している「ミスター・グッチ」ことアルベルト・モリヤスによる調香です。
春の訪れをイメージした、ジャスミン、チューベローズ、インドの希少な花ラングーンクリーパーといった3つのホワイトフラワーのハーモニーが同時に広がるオード・トワレ版です。
「グッチ ブルーム」の独自性を担うラングーンクリーパーとは、アルベルト・モリヤスがインド旅行中に出会い、衝撃を受けたという花です。
それは東南アジア原産の蔓性植物であり、別名チャイニーズ・ハニーサックルと呼ばれ、太陽の光を浴びると、白から徐々にピンクに変化しながら開花し、最後には深紅に変わるという不思議な花です。この花の香りがフレグランスに使用されたのは「グッチ ブルーム」が初めてです。
焼いたココナッツのような独特な香りは、実際に抽出することは出来ないのでヘッドスペース法を活用し再現されています。
日本においては存在をまったく無視されたハリ・ネフ
広告キャンペーン・モデルをつとめるのは、トランスジェンダー・モデルのハリ・ネフなのですが、春の到来と、第三の性の到来をかけあわせたアレッサンドロ・ミケーレの独特な広告キャンペーンの感性について指摘している日本のファッション・メディアが存在しないことが驚きです。
歴史上はじめてブランド・フレグランスの広告キャンペーンに、トランスジェンダー・モデルであるということをことさら強調せずにピンで登場した画期的な瞬間です。
春のはじまりを告げる爽やかなこの香りには、ピラミッド(三段階)のような香りの変化はありません。つまり一瞬で、グリーンなジャスミンと、花の蜜のように甘いラングーンクリーパー、透き通るようにクリーミーなチューベローズが花を咲かせるのです。
まろやかに濃厚な甘さを持つオリジナルのチューベローズとは違い、このチューベローズは、ドライダウンする中で、すがすがしくふんわりと広がってゆきます。
前二作品が、オリジナルに新しい香料を追加し「グッチ ブルーム」の新しい側面を生み出していたのに対し、こちらはオリジナルの(春に降る雨のように柔らかに香る)オード・トワレ版というイメージです。
ディプティックの「ドソン」ともよく比較される香りです。
香水データ
香水名:グッチ ブルーム ゴッチェ ディ フィオーリ
原名:Gucci Bloom Gocce di Fiori
種類:オード・トワレ
ブランド:グッチ
調香師:アルベルト・モリヤス
発表年:2019年
対象性別:女性
価格:100ml/14,850円
シングルノート:ジャスミン、チューベローズ、ラングーンクリーパー