アルベルト・モリヤス

ル・ベゼ・デュ・ドラゴン (アルベルト・モリヤス)

    香水名:ル・ベゼ・デュ・ドラゴン Le Baiser Du Dragon オード・パルファム
    ブランド:カルティエ
    調香師:アルベルト・モリヤス
    発表年:2003年(現在廃盤)
    対象性別:女性
    価格:日本未発売




    ★★☆☆☆ 失敗したオリエンタル

    カルティエはそのアールデコの全盛期から一歩踏み出すのがむづかしいようだ。懐古的な小品を作るだけで、なぜかあのすばらしい時代を再現できないでいる。最近のパッケージに選んだ赤がすべてを物語っている。それは濃い朱色で、中国の漆とオペラ座のカーテンの中間の色。気取ったレストランのメニューバインダーにぴったりだ。この中国趣味は少なくとも名前と瓶には合っているが、期待した中身にはがっかりさせられた。シトラスなしの「シャリマー」を思えばわかる、ひとすくいの甘く青臭いアーモンド風味の酒のようなトップノートに、「マスト」風の安っぽいチョコレートが加わり、ハートノートは強いウッディなローズのアコードが騒音の中でかき消される。こんなに強く主張するリッチなものにしては消えるのが早い。これはフローラル・オリエンタルだが、あまりにもいろいろ乗せようとし過ぎて、ドラゴンは重量オーバーで飛ぶのを諦めたようだ。何もかもが謎。でもやがて奇妙な真実が現れた。今はない香料会社BBAで30年アナリストを務め、匂いのガスクロマトグラフィー分析の発案者のひとりで、同僚でもあるイアン・スミスに紙切れを渡して嗅いでもらったところ、独特の早口のロンドンなまりで判断を下した「こいつは1972年のオールドスパイス、間違いない」― ルカ・トゥリン

    『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

    トップノート:クチナシ、ビター・アーモンド、アマレット、ネロリ
    ミドルノート:アイリス(アヤメ)、ムスク、ジャスミン、シダー、ブルガリアンローズ
    ラストノート:アンバー、パチョリ、ベンゾイン、ダーク。チョコレート、キャラメル、ベティバー、シダー

    かつてリー・リンチェイと呼ばれた男がいた。その名をジェット・リー。『リーサル・ウェポン4』(1998)、『ロミオ・マスト・ダイ』(2000)によりハリウッド進出を果たし勢いに乗る2001年にリュック・ベッソンとタッグを組んだのが『キス・オブ・ザ・ドラゴン』でした。

    1995年、ジャッキー・チェンの『レッド・ブロンクス』がアジア映画初の全米No.1ヒットになり、ここに、中国人俳優のハリウッド進出の流れが生まれました。1973年『燃えよドラゴン』でブルース・リーが撒いた種が実った瞬間でした。その流れの中、ジェット・リーも見事ハリウッド進出を果たしたのでした。

    ミレニアム前後において世界中で中華旋風が巻き起こりました。そんな時代の空気を反映するかのようにカルティエがローンチしたのが、アルベルト・モリヤスによる本作「ル・ベゼ・デュ・ドラゴン(龍の接吻=キス・オブ・ザ・ドラゴン)」です。当時、伝統的な男性の香料であるベティバーを、危険なまでにパワフルに、女性用にアレンジしたものでした。

    エレガントなファー・コートを着たファム・ファタールな女性を演出できるミステリアスな香りです。アールデコ調に黒と赤を配したボトル・デザインもカルティエ的であり魅力的です。

    ルイーズ・ヴァンダービルト(1844-1926)

    アメリカの鉄道王フレデリック・ウィリアム・ヴァンダービルトの妻ルイーズの80歳の誕生日記念日のために1925年にカルティエによって作られた香水ボトルをモチーフにしたデザインです。このボトルはゴールド、ヒスイ、サファイア、エナメルによって作られた大変高価なものでした。



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