ボンド・ガール

ダニエラ・ビアンキ 『007/ロシアより愛をこめて』2(4ページ)

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作品名:007/ロシアより愛をこめて From Russia with Love (1963)
監督:テレンス・ヤング
衣装:ジョセリン・リカーズ
出演者:ショーン・コネリー/ダニエラ・ビアンキ/ロバート・ショウ/ロッテ・レーニャ



裏ボンドガール→ロッテ・レーニャ



腕時計のリューズを引っ張るとワイヤーが伸び、それが殺人兵器になるロバート・ショウと、靴に仕込みナイフを装着した女ローザ・クレップが登場します。この悪役を演じる人こそ『三文オペラ』(1931)のロッテ・レーニャ(1898-1981)です。彼女は20世紀の名作曲家クルト・ヴァイルの妻であり、その役柄と同じく激動の20世紀を生きた人でした。

第一次世界大戦後の不景気のドイツでのナチズムの台頭。そして、亡命という風に40代に至るまでは(夫と共に)経済的にも不安定な日々を生きてきた人でした。芸術のために身を捧げてきた彼女が、娯楽大作の悪役を演じるところに面白みがあります(その点はロンドン王立演劇学校出身のシェイクスピア俳優ロバート・ショウも同じく)。これがスーパーモデルのような美女だと、『バイオハザード』チックな子供だましな世界観に包まれることになります。007の魅力は、中年(ボンド)と高年(主に悪役)とそして、若年(ボンドガールと殺し屋)というクロス・ジェネレーションな世界観にあります。

ロッテの演じるローザ・クレップの永井豪のマンガに出てきそうな鬼婆ぶりが実に素晴らしく、衣装も一見地味に見えて、かなりモード色の強いものになっています。女性の美しさはありませんが、杉村春子先生のようなその風貌が、ボンドムービーの中で悪役を嬉々と演じているようでもあり、実に素晴らしいです。ロバート・ショウへの腹への一発といい、最後のボンドへの腰の引けた蹴りといい、恐らく戦闘力はボンドムービー史上最弱だったのかもしれないですが、『ロシアより愛をこめて』はこの人の存在があったからこそ、引き締まった作品になったのです。そして、彼女こそ21世紀のM=ジュディ・デンチと並ぶ裏ボンドガールの一人です。

スペクターNo.3(ローザ・クレッブ)・ルック1
  • グレーのスカート・スーツ。くるみボタン。襟なしのジャケット
  • パープルのシルクスカーフ




この後、ロバート・ショウの腹にパンチを一発入れる。

スペクターNo.3(ローザ・クレッブ)・ルック2
  • 4つのシルバーボタンのグレージャケット、スタンダードカッター、袖にも一つづつ
  • ブラウンのローヒールボウ付きパンプス
  • 黒手袋
  • スカートはゆるくプリーツ
  • ブラウンのカートリッジバッグ




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