ブリジット・バルドー

ブリジット・バルドー1 『軽蔑』(2ページ)

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作品名:軽蔑 Le Mépris (1963)
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演者:ブリジット・バルドー/ミシェル・ピコリ/ジャック・パランス

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フレンチ・カジュアルと言えば「BB(ベベ)」。


つまり本作で登場するこのポーズが、フレンチ・カジュアルを象徴するポーズなのです。ファッション・アイコンの定義とは、その人をひとたび見てしまうと、オシャレになりたいと願望させる人のことを指します。

オフショット。作中には登場しないBBのビキニ・ショット。

バルドーと言えば、アップスタイルの髪型。

いつも帽子をかぶっていたゴダールは生真面目な態度を崩さなかった。彼は生真面目さも、帽子も決して手放そうとはしなかったのである。ジャック・パランスのほうは、自分が映画の中でどんな役割を果たしているのか皆目検討がつかない様子だった。

ブリジット・バルド自伝より

ブリジット・バルドー(1934-)という存在が、ミレニアムの前後15年間に、日本人の女性ファッションに与えた影響は果てしない。かつての派手なヘアカラーやつけまつげ。そして、何よりもギャル及びアゲハ文化の〝母〟であった彼女は、意外なことに当時のギャルやアゲ嬢にとって、まったく無名の存在でした。そんな彼女が、日本人女性に再認識されるようになったのは、ここ最近であり、レペットをはじめとするフレンチ・カジュアルなファッション・アイテムの定着と、1967年からはじまったサイケデリック・セクシーのリバイバルによってでした。

この作品は、まだサイケデリックな感覚が世界を支配する数年前の作品です。そして、そんな60年代前半にBBが着ているファッション・スタイルは、周囲の一歩先を行くオシャレを模索するときの参考になります。結局、本当にオシャレなテイストとは、自分に合うスタイルを過去から探し出すというファッション・デザイナーがする作業を行うことなのです。そのヘアスタイル、シューズの選び方、カラー・チョイス。謎めいた物腰=何よりもオーラの生み方。全てが参考になります。

監督のジャン=リュック・ゴダールはこの物語についてこう記しました「分析して行動を起こす夫。それに対して、植物が生きるために水を欲するように、本能に従って行動するカミーユ」。本能とは、研ぎ澄まされなければ、ただの「模倣を求める心」につながります。研ぎ澄まされた本能で生きるためには、何かが必要なのです。その何かとは何か?女性にとって、本能を研ぐ栄養素とは何か?それはカラーです。女性は色の中で生まれ、色を失ったときに枯れ果てていきます。

バルドーを表現した言葉で、まさに日本人がイメージするバルドーイメージにぴったりな言葉があります。「パリにいながらオートクチュールには見向きもせず、宝石も毛皮も興味なし。それよりもデニムやセーターなどベーシックなアイテムをコーディネイト術や小物使いで、おしゃれに着こなしたBB」(エル・ジャポン、2008年2月号より)、実に的確に彼女の魅力を伝える素晴らしい文章です。しかし、BBの魅力の本質は、ここから更に一歩踏み込まないと見えてきません。

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ボーダーの着こなしはバルドーから学ぼう

そして、バルドーと言えば、スカーフ使いの巧みさ。

ワンポイントのボーダーが利いています。

ネイビーで統一することによりカジュアルさにクールのスパイスが加わる。

ボーダーの上からカーディガンを羽織る。

このメイクアップを見よ!崩壊寸前の絶妙なバランスを。

かつて、ファッションのサイクルとして、一定の周期でボーダーが復権していました。そして、その時に必ず、スタイル・アイコンとして登場するのが、この作品のブリジット・バルドーでした。

しかし、今ではボーダーは、完全にスタイリングの定番のポジションを勝ち取っています。本作のBBのボーダーは通常よりラインが細く、この細さを着こなすことは、BBのような豊かな胸の持ち主にとってはとても難しいのですが(どうしても胸の凹凸で、ボーダーが不恰好に崩れてしまいがち)、上質な生地のタンクトップをチョイスして、そうならないように工夫して着こなしているところは、さすがゴダール作品のヒロインです。

何を考えているのかわからない女。

タンクトップにバレエシューズ。恐らくレペット。

アンナ・カリーナとのリングが光るゴダール。この時、すでに結婚生活は破綻を迎えようとしていた。

最もアイコニックな『軽蔑』のフォト。バルドーがバルドーらしい写真。

BB・ルック1 ネイビー・カーディガン×スカート
  • ネイビーのカーディガン
  • ネイビー×ホワイト・ボーダータンクトップ
  • ネイビーペンシルスカート
  • ネイビースカーフをヘアバンド風に
  • ベージュのセパレートパンプス

私は私自身に年(1961年)の暮れにとびきり素晴らしいプレゼントを贈ることにした。自分でやるのでなければ、こんなことはできないだろう。私は、アラン・レネの『去年マリエンバートで』を見て、感激した。中でデルフィーヌ・セイリグが「シャネルNo.5」よりも10倍も素晴らしいシャネルのドレスを着てうっとりするような役を演じていた。それで私はそれと同じドレスを着たいと思って、シャネルに行った。するとココ・シャネル自身に迎えられたのである。

彼女は、容姿をないがしろにする風潮に反発し、女性はその生涯のいかなる時期においても身だしなみに気をつけ、可能な限り魅力的でなければならず、自分はそのために戦っていると話してくれた。部屋履きやバスローブ、部屋着をだらしなくしているなんてとんでもない、そういうものこそ素敵にエレガントでなければならない、女性は朝から晩までいかなる時でも、完璧で美しくなければならないとも言った。私は自分がすこし恥ずかしくなった。

ブリジット・バルドー自伝

ブリジット・バルドーもオートクチュールは好きであり、真の女性であるならば、カジュアルとフォーマルの往復を楽しむ気持ちを忘れないものです。そして、映画の中で、片眼鏡の老紳士フリッツ・ラングが言い放った一言が反響する「神が人間を創ったのではなく、人間が神を創造したんだ」。そこに更に一言付け加えるならば、「ココ・シャネルが20世紀の女性を創造したのである」

本作は、実に巧みに夫婦のすれ違いを色彩によって表しています。

赤:アルファ・ロメオ、バスローブ、自宅のソファ、「24000回のキス」を歌う女性のセーターとスカート、ジャック・パランスのセーター、最後のBBの血
黄:通訳の女性のセーター、カプリ島でのBBのバスガウン
青:ミシェル・ピコリのレジメンタルタイ、自宅の椅子、カプリ海の別荘のソファー、バルドーが全裸で飛び込む海

私たちの一生は、主に5つの色に囲まれて構成されています。白と黒。そして、赤と黄と青です。それを楽譜のように巧みに配することによって、人生の方向性は明確に変わっていくはずです。

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