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【ゲラン】アクア アレゴリア パンプルリューヌ(マチルド・ローラン)

ゲラン
©GUERLAIN
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アクア アレゴリア パンプルリューヌ

原名:Aqua Allegoria Pamplelune
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:マチルド・ローラン
発表年:1999年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/14,960円
公式ホームページ:ゲラン

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マチルド・ローラン様のゲラン時代の遺産

©Cartier

今ではカルティエの専属調香師である〝調香界の女帝〟マチルド・ローラン様。

常にファッショナブルな出で立ちで現れるオシャレなパリジェンヌの代名詞的存在。そんな彼女がゲラン時代に調香した、「太陽の光を浴びたグレープフルーツの果樹園」の香り。

ゲランが、極めつけの天然素材をピックアップし、その素材から明るい一面を引き出し、幸せなひとときを人々に与えてくれる軽やかな香りを作るというコンセプトで、1999年に誕生した『アクア・アレゴリア』シリーズ

2022年5月1日にシリーズ全12作品が、最大95%の天然由来成分を配合したナチュラルフォーミュラに加え、ゲラン初の試みとして、有機栽培のビーツから抽出されたアルコールのみ配合するという、2つのサステナブルな革新を迎え、生まれ変わりました。ただし、それぞれの品質や香りの軌跡はそのままです。

パンプルリューヌ」はその記念すべき最初の5作品のうちのひとつです。1999年から今に至るまでヨーロッパにおいては、アクア・アレゴニア・シリーズの中で最も人気のある香りです。

香水名は、フランス語のpamplemousse(パンプルムース)=グレープフルーツと、lune(リュヌ)=月の造語です。

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喜びの光と悲しみの影を持つグレープフルーツ

©GUERLAIN

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この香りが現れるまでは、グレープフルーツは、ペッパーやウッディ・ノートを引き立てる裏方に過ぎませんでした。そんな脇役を主役の座に据えて生み出した歴史的傑作がこの「パンプルリューヌ」です。

マチルド・ローラン様の天才性は、「シャマード」と「オー デュコック」といったゲランの名香を名香たらんとするブラックカラントとベルガモットの役割をこの香りの中に継承しているところにあります。

そんなこの香りは、はじめからグレープフルーツとレモン、ベルガモットによる三重奏が奏でられます。そして、このシトラスの三重奏を、金管楽器による三重奏に変えるために、パチョリという名の指揮者と、ジューシーなネロリ、ブラックカラントが加えられます。

かくして、スパークリングワインのような発泡感に包まれたグレープフルーツが全身に弾けていきます。実際のグレープフルーツをカットしても、決して感じることが出来ないであろう、〝スパークリング、ジューシー、酸っぱさ〟の理想の黄金比率を備えるグレープフルーツ像が見事に生み出されています。

すべては、伴奏を演奏するベルガモットとネロリが、サンダルウッドとパチョリ、バニラにより〝悲しみと哀愁のメロディ〟を奏でているからこそ、心置きなくグレープフルーツは最高の〝光〟のパフォーマンスを見せることが出来るのです。さらに、このグレープフルーツの共犯者として、南国の花々(プルメリア、ジャスミン)を感じさせるホワイトフローラルが眩い閃光を放ちます。

ドライダウンにおけるそういった〝悲しみの影〟があるからこそ、〝喜びの光〟を求め、もう一回もう一回とこの香りを求めるようになってしまうのです。一年中使いたい香り。

ベルガモット カラブリア」または「オランジェ ソレイヤ」とのミクソロジーがおすすめされています。
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太陽のように光あふれる傑作

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ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「パンプルリューヌ」を「輝くグレープフルーツ」と呼び、「ゲランのような大会社は、手に入りにくい特別な生の原料を手に入れる力がある。それらは「ミツコ」「シャリマー」などに注ぎ込まれたが、一般の人々はより親しみやすいものを求めた。しかしそれまでゲランは香水業界の重鎮として原則に縛られてきたためか、交響曲ができるのにベルの譜を作るのは気が進まないという流れがあった。」

「最初の5つのアクア・アレゴニアは香水の新しい分野をひらき、いじらしいことに「サン・ボン」(いい匂い)などとフランス人が呼んでいたものに近づいたうえで、偉大な刻印を押した。初期のものは素直でクリアでありながら、香水と呼ばれるだけの知性を備え、しっかりとした構成だ。」

「それは「シャリマー オー レジェール」を調香し、その後カルティエのオーダーメイド香水の責任者になるために去った、素晴らしいマチルド・ローランの芸術性のおかげでもあった。しかしこれはランボーが詩を捨てて工学を学び始めて以来の悲しむべき才能の浪費だった。」

「パンプルリューヌは、ハーバフレスカとともに最初に出たものの生き残りだが、すぐにベストセラーになり、ローランの名声を高めた。疑いもなくグレープフルーツの香水の最高峰で、着想から制作にいたるまで完璧になされた香水だけに宿る魔法が感じられる。それは材料の力だけではない。」

「パンプルリューヌが現れる前、グレープフルーツは男性用香水のトップノートに、シトラスの変種として使われ、ウッディに移るまでのほんの少しの間出番があるだけだった。ローランはグレープフルーツを強烈なピンクのフローラルアコードと合体させ、持続性とその独特の輝きを与えた。遠くからでも姿をはっきりと写し出す輝きだ。太陽のように光あふれる傑作。」と4つ星(5段階評価)の評価をつけています。

ちなみに現在のゲランにおいて、この香りは、ジャン=ポール・ゲランが調香したことになっています(カタログにもそう記載されている)。

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香水データ

香水名:アクア アレゴリア パンプルリューヌ
原名:Aqua Allegoria Pamplelune
種類:オード・トワレ
ブランド:ゲラン
調香師:マチルド・ローラン
発表年:1999年
対象性別:ユニセックス
価格:75ml/14,960円
公式ホームページ:ゲラン


トップノート:グレープフルーツ、ベルガモット
ミドルノート:プチグレン、ネロリ、ブラックカラント
ラストノート:パチョリ、バニラ