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【欲望という名の電車】マーロン・ブランドとヴィヴィアン・リー

マーロン・ブランド
マーロン・ブランドヴィヴィアン・リー
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【欲望という名の電車】

A Streetcar Named Desire 『風と共に去りぬ』(1939)でスカーレット・オハラを演じアカデミー主演女優賞を獲得したヴィヴィアン・リーが、二度目の主演女優賞を獲得することになるテネシー・ウィリアムズの戯曲。ヴィヴィアンは、まるで自分の肉体を食い尽くすが如く精神をぼろぼろにしながら役柄に没頭しました。

そして、もう一人、この作品で誕生したスーパースターの名をマーロン・ブランドと申します。彼は、すでにエリア・カザンの舞台でスタンリーを演じていて(主要登場人物の配役はブランチ以外はほとんど舞台と同じ)、今までの映画には存在しないような生命の躍動と野生に満ちた存在感により、一躍時代の寵児となりました。

さらに、この作品の中でのスタンリーのTシャツの着こなし(=「Tシャツ革命」)が現在に至るまでのメンズ・ファッションの教科書となりました。

この作品により、ヴィヴィアン・リーはアカデミー主演女優賞とヴェネツィア国際映画祭女優賞、キム・ハンターがアカデミー助演女優賞とゴールデングローブ賞女優賞、カール・マルデンがアカデミー助演男優賞を受賞しました。一方、マーロン・ブランドはどの賞も獲得できませんでした。

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あらすじ

南部の大地主の家柄に生まれ、高校教師をしていたブランチ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)は、「欲望」という名の電車に乗って、ニューオリンズのフレンチ・クオーターで、結婚生活を送る妹のステラ(キム・ハンター)の下にやってきます。

夫のスタンリー・コワルスキー(マーロン・ブランド)と暮らす二間の豚小屋のような貧しい暮らしに驚きながらも、他に行き場所を失い一文無しのブランチは居候することになります。粗野なスタンリーはお嬢様育ちのブランチの言動がいちいち気に障り、そんな彼女をひたすら庇うステラとの関係も悪くなっていきます。

やがて、ブランチは、スタンリーの親友で独身のミッチ(カール・マルデン)と仲良くなり、彼と結婚し、今までの荒んだ生活をリセットし、居候の生活を脱することを夢見ます。一方で、スタンリーは、ブランチがなぜ故郷に居られなくなったのかという話を聞きつけます。

同性愛の夫(映画ではこの事実は隠されている)を自殺で失い、両親の遺産も失ったブランチは、その美貌を生かし、売春婦のような生活をして自由奔放に生き、やがて高校の生徒まで誘惑したことが話題になり、故郷に戻れなくなっていたのでした。

その事実を知ったミッチから交際を拒絶された上に、最後に肉体関係を持たせろと強要され、発狂寸前になりながらミッチを追い払うブランチ。更には、スタンリーによって家から追い出されることになり、精神がボロボロになっている最中に、出産のために不在だったこともあり、スタンリーと口論の末、彼に強姦されてしまうのでした。

完全に精神が崩壊したブランチ。ついに精神病院に送られることになるのですが、肝心のブランチは金持ちの紳士シェップ・ハントレーが迎えに来たと信じ込んでいたのだった。

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ファッション・シーンに与えた影響


1951年に公開され、マーロン・ブランドの演技スタイルが話題になった『欲望という名の電車』が、ファッション・シーンに与えた影響は、以下の三点でした。

  1. Tシャツがファッション・アイテムになる=「Tシャツ革命」
  2. 最初のタンクトップ・ムービー
  3. ファッションと女性の哀しい関係

特に、本来は下着に過ぎなかったアイテムが、ファッションのメインアイテムのポジションを勝ち取っていくという画期的なきっかけを生み出した作品でした。

そのため、この作品は、メンズ・ファッション雑誌においては、バイブルのように取り上げられている作品のひとつです。

作品データ

作品名:欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire (1951)
監督:エリア・カザン
衣装:ルシンダ・バラード
出演者:ヴィヴィアン・リー/マーロン・ブランド/キム・ハンター/カール・マルデン