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【ル ラボ】ポアブル23 ロンドン(ナタリー・ローソン)

ルラボ
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ポアブル23 ロンドン

【特別監修】Le Chercheur de Parfum様

原名:Poivre 23 London
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ナタリー・ローソン
発表年:2008年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,850円、15ml/20,900円、50ml/45,100円、100ml/69,850円
公式ホームページ:ルラボ

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香りのファーストクラス・チケット

©LE LABO

ルラボが出店している都市ごとの限定の香り「シティ エクスクルーシブ コレクション」。その中のひとつであるロンドン限定の香り「ポアブル23」は、2008年に発売されました。ソフィア・グロスマンと共に「ブルガリ プールファム」を生み出したナタリー・ローソンにより調香されました。ちなみに彼女は、ジボダン、IFFを経て、2000年にフィルメニッヒに辿り着いたというビッグ3を渡り歩いた非常に珍しい経歴の持ち主です。

ポワブルとはフランス語でペッパーの意味です。しかし、なぜどうして、ペッパーがロンドンなのでしょうか?その答えは、香りの中にも、ル ラボのHPの中にも、どこにもありません。しかし、カイエデモードでは記事の最後にひとつの考察を行いました。

まず最初に、ひとつだけ忠告させてください。シティエクスクルーシブは、宗教=オピウムなのかもしれません。だから、骨の髄までしゃぶりつくされる覚悟で、「香りのファーストクラス・チケット」をご購入ください。

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「もっともっと欲しくなる」香り


最高級のブルボンペッパーと華北山椒がブレンドされた、食べたくなるように滑らかに弾けるスパイシーなペッパーブレンドの温かみからこの香りははじまります。

そこはかとなくときおり顔を見せるパチョリが、このペッパーブレンドに高級な肉料理に随伴するペッパーのような気品溢れるキレ味とコクを与えています(グリーンでありながらチョコレートのようでもある)。

この香りのポイントは、〝香りの変化を身に纏う〟です。それはスパイシーな香りがいかにして甘くクリーミーな香りへと変化していくかと言うことを肌の上でとくと味わう〝肌で食べる香り〟なのです。

さて、ミドルにおいて、スパイスの短い寿命が尽きる寸前に、煮込んだバニラと厳かな(お焼香のような)インセンスを背景に、アンバリーなラブダナムと(燻製のような)ガイアックウッドが、ロンドンの霧とシガークラブの煙が晴れそうで晴れない物憂げさを演出してくれます。

更に、天然のサンダルウッドのクリーミーさが追加され、だんだんと焦げていくアンバリーバニラ(どこかメープルシロップのような)の円やかなドライダウンの中で、この香りが実はオリエンタルであるということをはっきり表明してくれるのです。

そして、肌はあの最初の瞬間=完全に失われたペッパーブレンドを「再び、もっともっと欲しい」と渇望するのです。

この香りは、エンドレスに続くパブロフの犬の実験なのかもしれません。トップは速やかに失われ、ドライダウンの中で、トップを思い出させる香りが現れ、肉体を疼かせ、「もう一回お願い」したくてしょうがなくなるというあんばいなのです。

その非凡さは、最初から最後まで執拗にスパイスが追いかけてくるのではなく、日常の世界にほんのりと非日常の刺激を与えてゆく絶妙なバランスにあるのです。ル ラボというブランドの危険な魅力がぎっしり詰まった香りです。

ルカ・トゥリンは『世界香水ガイド』で、「ポアブル23 ロンドン」を「バルサミックタイム」と呼び、「ルラボのことだから必ずしもペッパーの香りではないことは想像がつく。むしろ温かみのあるウッディなバルサミック・タイムの配合だ。質は高いが、おもしろさはほどほど。」と3つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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ドライジンとウイスキーがすすむ香り

©Bombay Sapphire

©Tanqueray

なぜロンドンがポワブル(=ペッパー)なのか?この香りにおいてその個性を強く発揮しているペッパーは、ブラックペッパーです。一方、ロンドン(=英国)をイメージするものとして挙がるのが、断崖に打ち付ける激しい波と(ドライジンやウイスキーといった)お酒です。

特にロンドンといえばドライジンであり、代表的なものとしてボンベイ・サファイアタンカレーの名が挙がります。そして、これらのジンの原料にはジュニパーベリーが使われるのですが、ブラックペッパーも加えられることがあったり、ジントニックにブラックペッパーをふりかけ、より辛みを出す飲み方もあります。

©MHD Moët Hennessy Diageo K.K.

一方で、ロンドンではないのですが英国と言えば、スコットランド産のシングルモルトウイスキーです。『宝島』『ジキル博士とハイド氏』で有名な小説家ロバート・ルイス・スティーヴンソンが「酒の王者」と評したことで知られるタリスカーを例に取ると、海藻の香りと爆発的なブラックペッパーの風味が特徴です。

そして、「ポアブル23」をよく嗅いでみると海藻っぽさがあります。まさに断崖に打ち付ける荒々しい波、ブラックペッパーはこれを表現しているように感じます。この香りは、〝タリスカーのような香り〟=スコッチウイスキーを連想させる香りなのかもしれません。

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香水データ

香水名:ポアブル23 ロンドン
原名:Poivre 23 London
種類:オード・パルファム
ブランド:ル ラボ
調香師:ナタリー・ローソン
発表年:2008年
対象性別:ユニセックス
価格:1.5ml/1,850円、15ml/20,900円、50ml/45,100円、100ml/69,850円
公式ホームページ:ルラボ


シングルノート:ラブダナム、オーストラリア産サンダルウッド、インドネシア産パチョリ、ブルボンペッパー、バニラ、ガイアックウッド、スティラックス、インセンス

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