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『欲望という名の電車』Vol.7|ヴィヴィアン・リーとジョン・ガリアーノ

ヴィヴィアン・リー
ヴィヴィアン・リー女を磨くアイコン映画女優
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ジョン・ガリアーノが最も愛したブランチ・デュボア

真実なんて大嫌いよ!私が好きなのは魔法なの!私はしたり顔で真実を語ったりはしない。私が語るのは、真実であらねばならないこと。それが罪なら、私は地獄に堕ちたってかまいやしない!さぁ、明かりをつけないで!

ブランチがミッチに言い放つ台詞

ミッチとの結婚の夢が破れた後、イブニングドレスを着て一人芝居しているヴィヴィアン・リーの物の怪のような美しさ。物語が進むにつれて、アパートのセットを小さくしていくことによって、ブランチの発狂までのカウントダウンを視覚にも訴える効果を生み出しています。

この作品が、後のファッション・デザイナー達に与えた影響が絶大なのは、ブランチ・デュボアというキャラクターに、デザイナー自身のファッションに対する強迫観念を投影することが出来るからなのです。

着ている服をほめてあげて、それから顔もすてきだって。ブランチにとってそれがとっても大事なことなのよ。ちょっとした欠点だけど!

ステラ・コワルスキー

1996年から2011年にかけてクリスチャン・ディオールのクリエイティブ・ディレクターだったジョン・ガリアーノ(1960-)は、2014年以降、マルタン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターを務めているのですが、彼は、偉大になる過程の2回のコレクションで「ブランチ・デュボア」を主題にしているほどです。

「ティファニーのダイヤモンドかと思ったぜ」スタンリー・コワルスキー

二人の関係性は、最初の瞬間から、お互いに対する性的好奇心の駆け引きだったとも言えます。

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ブランチ・デュボア・ルック7

イブニングガウン
  • 薄汚れてしわになったシフォンのイブニングガウン
  • 踵に飾りダイアモンドのついたすりへった銀色の靴
  • 模造ダイヤのティアラ

スタンリーがブランチをレイプするシーンは、優しいものや、感受性の強いものや、繊細なものが、現代社会の野蛮で暴力的な力によって陵辱されるシーンである。

テネシー・ウィリアムズ

ケーキを食べているヴィヴィアン、ブランド、キム・ハンター。

最も有名な本作のアイコニック・フォト=「狂気の世界に導かれた男の悲劇のはじまり」

男は、ブランチの狂おしさに惹きつけられたのだろうか?

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ブランチ・デュボア・ルック8

デラ・ロビア・ブルーのスーツ
  • デラ・ロビア・ブルーのスカートスーツ
  • 一連のパールネックレス

彼女の未来を予感させるような服を最後には着せたいと考えました。それはまるで拘束服のようなものです。

ルシンダ・バラード

だからこそ、ブランチは、最後には、今までの全ての衣裳とは打って変わり透明感のない衣服に身を包むのでした。

スタンリーに犯され、ついに完全に狂ってしまったブランチ。

「どなたか知りませんが、私はいつも見ず知らずのかたのご親切にすがって生きてきましたの」名台詞

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美を武器にして生きることの恐怖

弱い人間は強い人間の好意にすがって生きていかなければならないのよ、そのためには人の心を誘うなにかが必要になる。弱い蝶々のように、あの羽のようなやさしい色合いと輝きを身につけ、一夜の雨露をしのぐために、私は庇護をもとめて駈けずりまわったわ、雨漏りのする屋根から屋根へ。だから弱い人間はどうしても、ほのかな輝きをもたなければならないの、裸電球にかぶせる、色提灯のような・・・

ブランチ・デュボア

表面上の美に固執し、その美を武器にして生きるということは、整形や過度なメイクアップに依存することになり、自分らしさを放棄して、若さで突っ走ってしまい、若さを失うとそれまでになってしまう危険性を孕んでいます。

だからと言って、老いを受け入れられず、アンチエイジングという言葉に踊らされる女性を、周りはもはや止めることは出来ないのです。「魅力的な中年女性」と「若さにしがみつく中年女性」は同義語ではないのです。

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死の反対は欲望。そして、ジョン・ガリアーノ登場。

ジョン・ガリアーノの1988年春夏コレクション(1987年10月)のタイトルは「ブランチ・デュボア」でした。この時代、ファッションはまだ商業主義に毒されておらず、コレクションにも、デザイナーの個性と才能のきらめきが存在していました(今はほとんどがただのごたまぜ)。

1987年にブリティッシュ・ファッション・アワードのデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれた年のコレクションです。






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ジョン・ガリアーノ1995年春

1994年、1995年、1997年と三度ブリティッシュ・ファッション・アワードのデザイナー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたジョン・ガリアーノは、1996年にクリスチャン・ディオールのクリエイティブ・ディレクターに就任します。

そして、彼のディオール行きを決定付けたコレクションが1994年10月に発表されたコレクション「Misia Diva」です。1950年代の映画の中でも特に『欲望という名の電車』から多大なる影響を受けたこのコレクションを見たユベール・ド・ジバンシィは、彼をジバンシィの後継者に選んだほどでした(ただし、ディオール電撃移籍があり、アレキサンダー・マックイーンがその後任となる)。

ランウェイには蒼々たるスーパーモデルたちが登場しています(そして、フロントロウにはアズディン・アライアも)。

ケイト・モスとクリステン・マクメナミー

アンバー・ヴァレッタ

シャローム・ハーロウ

シャローム・ハーロウ

リンダ・エヴァンジェリスタ

作品データ

作品名:欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire (1951)
監督:エリア・カザン
衣装:ルシンダ・バラード
出演者:ヴィヴィアン・リー/マーロン・ブランド/キム・ハンター/カール・マルデン

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