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【エミリオ プッチ】ヴィヴァラ(フランソワ・ドゥマシー/ナタリー・グラシア=セット)

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©Emilio Pucci
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ヴィヴァラ

原名:Vivara
種類:オード・パルファム
ブランド:エミリオ・プッチ
調香師:フランソワ・ドゥマシー、ナタリー・グラシア=セット、マリー=オード・ブルーシュ
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/7,200円、50ml/10,200円

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カプリ島にもっとも近い楽園=ヴィヴァラ

©Emilio Pucci

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2000年にエミリオ・プッチは、LVMHグループの傘下に入りました。ブランド初のフレグランスが発売されたのは1965年にまで遡ります。その名も「ヴィヴァラ」、ガルバナムが主役のグリーンシプレの香りでした。

ヴィヴァラとは、カプリ島周辺にある小さな島の名であり、エミリオが、飛行機からこの島を見下ろしたときに、波に反射する太陽の輝きをヒントに、1965年にこの島の名を冠したプリントと香水を発表したことから始まります。

2007年8月に、ブランド創立60周年を記念して、エミリオの娘ラウドミア・プッチがクリエイティブ・ディレクターとなり復刻された香水「ヴィヴァラ」は、フランソワ・ドゥマシーナタリー・グラシア=セットマリー=オード・ブルーシュにより調香されました。香り自体は当時のものとは全く違う香りです。

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エミリオ・プッチでドレスアップしたガルバナムの香り

©Emilio Pucci

私がこの香りに驚いたのは、液体のネオンカラーが肌に投影されることを、ある意味期待していたからでしょう。でもそんなことは一切なく、最初は、ひとつひとつの花の香りがほとんど伝わらないほど透明なモダンな抽象的な花の香りを感じました。

二人の女性調香師が中心となり生み出されたこの香りは、レトロ調ですが、繊細な現代的なムードを持っています。ディオールの「ディオラマ」や「ディオレラ」を思わせる抽象的な香りであり、近未来的なディスプレイ越しに見る、古典的なアートのようです。

つまり日常でも簡単に身に纏うことが出来る、クラシック香水の精神を引き継いだ香りであり、ほとんどの人はこの香りを嗅いでも、古さよりも洗練を感じるであろう、興味深い緊張感を持つ、稀有な香りと言えます。

チャンドラー・バール(ニューヨーク・タイムズ、2009年12月)

芳醇なアマレットの酔わせる香しさに導かれ、まるで天空からカプリの海と大地を見下ろすような感覚からこの香りははじまります。それはきらめく海原のようなベルガモットとオゾンノートに、新緑のガルバナムが溶け込み、ひとつのイタリア紀行を生み出していくようです。

すぐにパチョリとベチバー、スパイシーな水仙により、ガルバナムが、ネオンライム色の森林のようなルミナスグリーンの香りを広がらせてゆきます。そして、ジャスミンとオレンジ・ブロッサムの甘い吐息にアマレットが浸され、自分自身が、ビーチを裸足で駆け抜けていることを教えてくれます。温かい太陽と潮風に全身が愛でられながら、足先が海とキスする瞬間を感じさせる、それがこの香りのすべてです。

この香りの主役は、オリジナルと同じくガルバナムです。「夜間飛行」や「No.19」の苦くて洗練されていないイメージが強いこの原始的な女性=ガルバナムを、田舎から都会へと連れ出し、完璧なメイクアップとヘアスタイリングを施し、プッチのビキニとその上にプリントジャージードレスを着せて、かの島へと降り立たせたような〝女性として磨き上げられたガルバナム〟がそこにはあります。

ヴィヴァラ・プリントを心に蘇らせる、とても明るくロマンティックな、メロンのようなオゾンノートとアマレットに愛されるガルバナムの新しい側面に満たされる香りです。

そんな香りの精神を見事に投影した〝万華鏡のように豊かな地中海の色彩〟を表現した特徴的なボトル・デザインは、デンマークのデザイナー、ヘレ・ダンケアによるものです。

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香水データ

香水名:ヴィヴァラ
原名:Vivara
種類:オード・パルファム
ブランド:エミリオ・プッチ
調香師:フランソワ・ドゥマシー、ナタリー・グラシア=セット、マリー=オード・ブルーシュ
発表年:2007年
対象性別:女性
価格:30ml/7,200円、50ml/10,200円


トップノート:アマレット、ガルバナム、ベルガモット
ミドルノート:オレンジ・ブロッサム、ジャスミン、スイセン
ラストノート:パチョリ、アイリス、ベチバー