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【ラボラトリオ オルファティーボ】チュベローシス(ジャン=クロード・エレナ)

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その他ジャン=クロード・エレナブランド調香師香りの美学
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チュベローシス

原名:Tuberosis
種類:オード・パルファム
ブランド:ラボラトリオ・オルファティーボ
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/16,500円、100ml/27,500円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP

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チューベローズの妖艶さを忘れさせてくれる香り

©Laboratorio Olfattivo

2009年にイタリアで誕生したニッチフレグランスメゾン、ラボラトリオ・オルファティーボ(嗅覚の実験室)は、2019年に『マスターズコレクション』として、4つの香りを発表しました。

ラボラトリオ・オルファティーボは、そのブランド哲学が〝新しい香水の誕生は、決して市場のニーズやマーケティング調査からではなく、思い出や旅、感動の物語を語る必要性から生まれる〟であるように、フレデリック・マル、そしてエルメスの『庭園のフレグランス』から強い影響を受けているブランドです。

『マスターズコレクション』とは、さらにそのブランド哲学を突き詰めたプレステージ・コレクションであり、調香界において巨匠と言われるジャン=クロード・エレナ、ルシアン・フェレーロ(後にドミニク・ロピオンも加わる)に〝香りに導かれるままに〟創作してもらいました。

その4つの香りのうちのひとつである「チュベローシス」は、その名の通りチューベローズが主役の香りです。エルメスの専属調香師を退任(2016年)後、引退していたジャン=クロード・エレナが、フレデリック・マルの「ローズ&キュイール」調香中に、同時進行で復帰作として生み出した香りです。

ちなみにチューベローズという主題が選ばれたのは、同ブランドの創業者のロベルト・ドラゴがエレナに、チューベローズの香りが私のブランドにはまだないんですよと言ったことがきっかけでした。

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風も起こさずに静かに美しく舞うチューベローズ

秋の夜長に、心地よい黄金色の光に包まれうっとりしていたら、突然、寒さが私に襲いかかってきました。どうやら夜明けと共にもうすぐ冬がやって来そうです。玄関のドアを開け、夏からの最後の贈り物である、ただ一本生き残ったチューベローズの花を目に焼き付けました。

私の心の中で咲き続けるこのチューベローズの花は、柔らかな声でジャスミンやプラム、スパイスの香りを広げてくれます。まったく飽きさせない囁き。千夜一夜物語のシェヘラザードのように、毎晩、物語を語ることにより死を免れる…チューベローズの形を借りて、まだ生きている彼女の物語が香水になったのです。

チューベローズから妖艶さを取り除いたら何が生まれるのでしょうか?それはマリリン・モンローが『セックスシンボル』というトレードマークに完全に嫌気がさして、演技派女優を目指すようなことになりやしないかという危険性をはらんでいます。

そんな、チューベローズの願いを叶えるために、エレナは、自身の庭で何度も何度もチューベローズが開花する瞬間を観察しました。そして、チューベローズの新鮮さ、温かさ、柔らかさ、爽やかさがあれば、甘く誘惑するような香りなんて必要はない!と感じたのでした。

ハーバルグリーンなカーネーションとスパイシーなコリアンダーの冷たくも温かな風が、チューベローズの蕾に目覚めのときを伝えてくれるようにしてこの香りははじまります。

すぐに、チューベローズの蕾が花びらを広がらせてゆきます。甘やかでふくよかなチューベローズの広がりを、妖艶さを取り除くのではなく、その妖艶さを、風も起こさずに静かに美しく舞うアゲハチョウのように香らせてゆきます。

まるで花の生命と一緒に舞い上がるような、粛々とした空気の中で、喜びの光と悲しみの影がひとつになるように〝チューベローズの抑制された美〟が滑らかに素肌の上で引き伸ばされてゆくのです。

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香水データ

香水名:チュベローシス
原名:Tuberosis
種類:オード・パルファム
ブランド:ラボラトリオ・オルファティーボ
調香師:ジャン=クロード・エレナ
発表年:2019年
対象性別:ユニセックス
価格:30ml/16,500円、100ml/27,500円
販売代理店ホームページ:NOSE SHOP


シングルノート:インド産カーネーション、チューベローズ・アブソリュート、コリアンダー、スパイス、ムスク

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