同じネイビーブレザー
ジェームズ・ボンド・スタイル12 ホップサックブレザーPART2
- シリル・キャッスル
- 前出のダブルのネイビー・ホップサックブレザー、ピークドラペル、シルバーカラーの6つボタン、フラップポケット、袖はシングルリンクボタン、ダブルベンツ
- フランク・フォスターのホワイト・シャツ、カクテルカフス(ターンバックカフス)
- レジメンタル・タイ、白地にネイビーストライプ
- 白のトラウザー
そろそろ黄金銃について語ろう
スカラマンガ・スタイル4 オールスカイブルー・ルック
- ライトブルー・コットンポプリンシャツ、ショートスリーブ、ジャケットのようなディテール、エポレット、5つボタン、3つのフラップ付きのパッチポケット、ヨーク、ベルト、ベントあり、オフホワイトのプラスティックボタン
- スカイブルーのフレアーなコットントラウザー
- ゴールデン・ブリット・ベルト、ブラウンのフェイク・クロコダイル
- グッチの白のホースビット・スリッポン
- ピアジェのゴールドウォッチ
太陽光を克服したクリストファー・リーが、黄金銃とニック・ナックと共に、ジェームズ・ボンドに最後の戦いを挑みます。場所はプーケット近くのパンガー湾にあるピンカン島です。そこには、リーが「日本の水墨画に出てきそうな岩が海から突き出ている」と見事に形容したタプー島が見えます。
さて、本作の題名にもなっている黄金銃について語りましょう。ウォーターマンの黄金の万年筆が銃身、コリブリの黄金ライターが薬室、黄金のシガレットケースがグリップ、黄金のカフリンクスがトリガーになっています。
果たしてグッチとタイアップしていたのだろうか?
ジェームズ・ボンド・スタイル13 格子柄のスポーツコート
- シリル・キャッスル
- 黒×白×赤の格子柄のウールのスポーツコート、シングル、2つボタン、ダブルベント、ワイドなノッチラペル、袖はシングルリンクボタン、大きなフラップポケット、派手なバーガンディー・シルクのライナー
- ブラック・モヘアトラウザー、フロントにダーツ、サイドポケットなし
- フランク・フォスターのエクリュ色のコットンポプリンシャツ、カクテルカフス(ターンバックカフス)
- ブラック・シルクタイ
- グッチのブラックベルト、ゴールドのGバックル
- グッチのブラック・ホースビット・ローファー、シルバー・ホースビット
- ロレックス・サブマリーナ-5513
スタッフに日本人のお客様は貴族だと言っています。外見はたしかにいまひとつさえないでしょうが、あの方たちは貴族なんですよ。
アルド・グッチ(1975年)
本作において、ロジャー・ムーアのベルト、ローファー、スーツケース、クリストファー・リーのローファー、ブリット・エクランドのハンドバッグといったものが、グッチで統一されています。恐らく本作品は、グッチとタイアップしていたのでしょう。
1954年にロベルト・ロッセリーニ監督の『イタリア旅行』の中でイングリッド・バーグマンがグッチのバンブー・バッグを持っていたことから、映画界との連携によって知名度を高めていったグッチは、ハリウッドにおいて、ダブルGのステイタスを1960年代に頂点にまで高めていました(グッチ帝国の三男ロドルフォ・グッチは元々は映画俳優であり、その人脈も役に立った)。
仕掛け人は、初代グッチオ・グッチ(1881-1953)の長兄アルド・グッチが1953年にニューヨーク支店をオープンした時からでした。1961年にはジャクリーン・ケネディに愛用され「ジャッキーO」と名付けられるバッグも発表され、同年ロンドン、63年パリ、64年東京、68年ビバリーヒルズ、と急速に世界規模な展開を見せ、そして、74年には香港にショップをオープンしました。本作が製作されたのも同じ年でした(1974年4月18日から8月23日にかけて撮影された)。