作品名:007 黄金銃を持つ男 The Man with the Golden Gun(1974)
監督:ガイ・ハミルトン
衣装:エルサ・フェネル
出演者:ロジャー・ムーア/ブリット・エクランド/モード・アダムス/クリストファー・リー
ショーン・コネリー=ボンドとの明確な違いとは
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かなりエグゼクティブなスーツスタイル。
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ネクタイは今の基準から見るとアウトな太さです。
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このスーツのジャケットの裏地もかなり派手です(グッチのベルトも)。
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グレーのトリプルストライプのシャツ。
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ムーア=ボンドは基本的にインナーシャツは着ません。
ジェームズ・ボンド・スタイル10 チャコール・スーツ
- シリル・キャッスル
- モヘア混紡のチャコール・スーツ、ミニ・ヘリンボーン織り、2つボタン、フラップポケット、深いダブルベンツ、袖はシングルリンクボタン、派手なワインレッドのライナー
- フランク・フォスターのグレーのオンブレ・トリプルストライプのホワイトシャツ、カクテルカフス(ターンバックカフス)
- ブラック・サテンシルクタイ
- グッチのブラックベルト
- グッチのブラック・ホースビット・ローファー
ロジャー・ムーアが演じるジェームズ・ボンドは、ショーン・コネリーのフェロモンたっぷりの〝ミスター・ユニバース〟的なハードなイメージではなく、黙って立っていると近寄りがたいハンサムなのですが、話すと気さくにジョークをかましてくれる紳士というソフトなイメージです。そこに全盛期の高田純次のような、〝気持ちの良い〟いい加減な雰囲気が、視野に入る美女は全てベッドに引き擦り込んでしまいそうな凄みを生み出しています。
ムーア=ボンドのような雰囲気の男性は、貞淑な人妻さえも、そのムードでコロリと落としてしまう怖さがあります。これこそが、新しいボンド像の最重要ポイントだったのです。つまりは、実際にいたら最も同性からは嫌われるタイプの男を演じているのが、ロジャー・ムーアとショーン・コネリーの生み出すボンド像の明確な違いなのです。
ジェームズ・ボンド、はじめてのサファリシャツ
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本作にてはじめてボンドは、サファリシャツの袖に手を通します。
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前作に引き続き登場するペッパー保安官役のクリフトン・ジェームズは、プロデューサーのアルバート・ブロッコリから、デパートで色々なシャツを買ってくるようにと言われた。
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ブロッコリとガイが、「完璧すぎるから、もう一回お願い」と言った伝説の一回転カースタント。ジョン・バリーはこの効果音をつけたことを後悔した。
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以後、良くも悪くも、ムーア=ボンドのトレードマークになるサファリスタイル。
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熱帯気候のタイにはぴったりなスタイルです。
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ここからメンズのサファリシャツが大流行します。
ジェームズ・ボンド・スタイル11 サファリシャツ
- グリーン・コットンのサファリ・キャンプ・シャツ、4つボタン、キャンプカラー、サイドベンツ、エポレット、4つのフラップ付きパッチポケット、袖はロールアップ
- ベージュのトラウザー
- ブラウンのタッセルローファー
- ロレックス・サブマリーナー5513
このジェームズ・ボンドのサファリ・スタイルが、70年代のサファリ・ブームを生み出しました。この見事なシャツは、フランク・フォスターによるものではなく、香港のビスポーク・テーラーであるジミー・チェンによるものです。ペニンシュラ香港に入る高級テーラーです(現在も同じ場所にある、香港有数のテーラーです)。