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作品データ
作品名:ナイアガラ Niagara (1953)
監督:ヘンリー・ハサウェイ
衣装:ドロシー・ジーキンス
出演者:マリリン・モンロー/ジーン・ピーターズ/ジョゼフ・コットン
マリリン・モンローのヘアースタイル

モンローウォークの後ろ姿美女といい、マリリン・モンローこそ、日本的な美の様式美の体現者なのでした。
彼女の肉体は、写真に撮っても肉体そのものだった。手を伸ばせば触れられそうだった。
ビリー・ワイルダー
マリリン・モンローにロングヘアーのイメージはない。世界中の女優やファッションモデルの間においても、ダントツの憧れの存在である彼女。その理由は、老いを見せないというスターの永遠の願望を叶えたことと、プラチナブロンドのボブを、カールしたあのハリウッド・カールによってなのです。
律儀とも言えるほどに、このヘアースタイルを最後まで貫き通した彼女には、ハリウッドスターの地位に立ってからは、ほとんどストレートの写真は存在しません。そのストイックなまでのセルフ・プロデュース能力の高さ。マリリン・モンローに対して憧れを持つ女性は、世の中に多いのですが、それを実践しようとして時、彼女がただのセックス・シンボルではなかったということを痛感させられます。それはモンロー・ウォークにしてもそうなのですが、おそらく口元のほくろにしても、マリリンという人は、自分を神格化させていくことに人生を賭けた女優だったのです。

『赤と黒』スタンダール。夫の殺害を画策した日に着ていた服。
マリリン・モンロー・ルック4 赤と黒スタイル
- ヴァイオレットレッドのクラップドコート。ハーフ
- ホワイトのシルクラップ・ブラウス。ラウンドラペル。一つボタン
- ブラックペンシルスカート。膝下丈
- 黒のクロスストラップサンダル
セクシーさと子供っぽさの奇妙な同居

セットでリラックスした雰囲気のマリリン・モンロー。

フライドチキンにパクつくマリリン。この子供っぽさが危険!

「あ~足が痛いわ~」なんて、靴を脱いでしまうと、男たちはなぜか不自然なポジショニングを取り始めるのです。

あくびするマリリン。もう言葉もありません。
私はみんなのもの、世界のものなの。才能があるからじゃないわ。きれいだからでもない。それまでほかのだれのものにもなっていなかったからよ。私はお金ほしさに映画の世界に入ったわけじゃない。有名になればみんなが好いてくれる、愛情に囲まれて暮らせるようになると思ったの。
マリリン・モンロー
官能的なマリリン・モンローも魅力的ですが、オフ・ショットのマリリンの子供っぽい姿に、より彼女の魅力を感じます。すごく孤独な子供時代を過ごして来た者だけが持つ、野生の眼。「あしたのジョー」の生き方を現実に置き換えたならば、それは間違いなくマリリン・モンローでしょう。
彼女が生きるために、女の武器を使う術を知ったのはいつからだったのだろうか?それは共演者の耳にも届いていたはずだろう。彼女を蔑む共演者もいたことだろう。ボロボロになっても、「よつんばいの人生をずいぶん過ごしたわ」と言っても、そう誰から蔑まれようとも、彼女は、自分の信じる道を進み、その果てにつかんだものは何だったんでしょうか?
マリリンは1962年8月5日に死にました。でもとうの昔に心は壊れていました。精神病により生涯、精神病院に隔離された実母の、その母親も同じ精神病院で亡くなっていました。マリリンは常にその血統を恐れていました。そして、彼女の心の中にも明らかに狂気が巣食っていました。男性よりも女性がマリリン・モンローに惹きつけられるといいます。もしかしたら、私たちの女性にしか分からない狂気が刺激されるのでしょうか?

このハンドバッグが、スケルトンボックスになっていてカワイイのです。
マリリン・モンロー・ルック5 喪服スタイル
- 黒のウールのスカートスーツ。ウエストに絞り
- ベレー帽
- 白シルクラップブラウス
- 黒のクロスストラップサンダル
- ライムグリーンスカーフ