ブリジット・バルドー

ブリジット・バルドー7 『殿方ご免遊ばせ』1(2ページ)

    作品名:殿方ご免遊ばせ Une Parisienne (1957)
    監督:ミシェル・ボワロン
    衣装:ピエール・バルマン/ピエール・ヌーリー
    出演者:ブリジット・バルドー/アンリ・ヴィダル/シャルル・ボワイエ

    「私はずっと自分がブスだと思っていた」BB

    日本公開当時(1957年12月)のパンフレットの表紙。

    ヴィクシーエンジェルになかったものをBBは持っていた。

    「ボクも一緒に入っていいれすか~?」と尋ねてしまう、さっきまで怒っていた男。

    脚線美ではなく、頬ずりしたくなる健康美溢れる足。

    ファッション・モデルがこれをするとただの嫌味にしか見えない。しかし、BBがこれをするととても愛らしく見えてしまうのはなぜ?

    私にはどうして自分がそんな熱狂の対象になるのか理解できなかった。私は子どものころからずっと自分がブスであるという思いを抱き続け、ほんとうにありきたりの存在だと思っていた。それで、ぐちゃぐちゃに乱した前髪で顔を隠せば、不器量な顔が少しは、隠れるだろうとも感じていた。容貌に関するこうした自信のなさは生涯私につきまとって離れなかった。

    ブリジット・バルドー

    どうして自撮りばかりしている美人と、自分のことが綺麗だと考えていない美人の間には、その魅力に天と地の差が生まれるのでしょうか?それは人間にとって唯一平等なものである時間の使い方による部分が大きいのです。

    まず、自撮りばかりしている美人は、鏡とスマホばかり見て一日を過ごします。一方、自分のことが綺麗だと考えていない美人は、鏡とスマホはそれほど見ないで、読書や自然、興味のある物事に向かって一日を過ごします。さらに前者は、他人のことを考えるよりも、自分のことばかり考えます。一方、後者は、自分のことばかり考えずに、他人のこともよく考えます。こうして、表面的な部分に夢中になる薄っぺらな美人と、内面的な部分まで磨きこまれた美人の二種類が生まれるのです。

    ブリジット・バルドー(1934-)が、21世紀を越えても、尚、女性にとっての美のアイコンであるのは、ただ外見が美しいからだけではありません。

    ファッションで一番忌まわしい行為は、自分の美や財力をひけらかすこと」だと断言しているバルドーには、ラグジュアリー・ブランドをひけらかすイメージは全くありません。そういったものを自然体で身に着けている所に彼女のカッコ良さがあります。だからこそ、並みの女性が同じことをすればとても寒々しいことでも、彼女がすれば同性から多大なる支持を得ることが出来るのです。ブリジット・バルドーという女優は、歴史上初めて自分らしさ=自然体によって、ファッション・アイコン+セックス・シンボルになった奇跡の人なのです。

    真っ赤なオープンカーでシャンゼリゼをかっ飛ばす!

    真っ赤なシムカ・アロンド・オセアーヌに乗って登場するバルドー。

    フレンチ・ムービーからオシャレ・コートの審美眼を磨き上げることが出来ます。

    バルドーの走りには、躍動美が存在します。

    少しミリタリー風のコートがキュートです。

    とてもかわいいニット帽も登場します。

    かなり珍しい配色の帽子もあっさりと被りこなすバルドー、恐るべし。

    素晴らしいステッチワークが分かる白黒写真。

    ブリジット・ルック1 枯草色のロングコート
    • 枯草色のコットンベルベットコート、白のハンドステッチが入ったラウンドカラーのコクーンシルエットのかなりお洒落なデザイン
    • グレーの膝丈のペンシルスカート
    • 黄土色のハイヒールパンプス
    • レッド・ベースのニット帽

    映画は大当たりしそうだった。愛とユーモアに満ち、機知にあふれた洗練されたコメディだった。アンリ・ヴィダルと私は理想的なカップルとなり、観客は私たちが好きになった。・・・『殿方ご免遊ばせ』は、あまり数多くない私が自慢できる作品のひとつである。この成功に刺激されて、私は映画俳優という仕事をもうすこしつづける気になった。

    ブリジット・バルドー

    冒頭から『黄金の七人』(1965)のようなクリスチャンヌ・ルグラン(1930-2011)による美しいスキャットが流れます。そして、この軽快なリズムをバックにシャンゼリゼ通りを真っ赤なオープンカーでかっ飛ばすバルドーが登場します。スピード違反になりそうになっても、イケメン警官がウインクひとつで許してくれる空気が、この作品の世界観を物語っています。こんなベタな設定が許されるのが、50年代のフランス映画の持つ魔力なのでした。

    初っ端から、バルドーの着ているラウンドカラーのコクーンシルエットのコートが、一筋縄ではいかないBBのファッションセンスを示しています。

    BBの魅力は、そのボディラインの魅せ方の強弱を知り尽くしている点にあります。こんなにガーリィな彼女が、コートを脱ぐと同時にセックス・シンボルに変身するのです。そのふり幅の広さが、90年代から00年代にかけて、日本全土のギャル文化における小悪魔シンボルとして、BBリバイバルをもたらしたのでした。

    クロコダイルのケリーバッグ

    エルメスのケリーバッグを持つ貴婦人が登場します。

    もちろんカラーはクロコダイルでしか表現できないブレイズです。

    貴婦人の首もとのチェッカー柄のネッカチーフがお洒落です。

    エルメスケリーバッグが登場します。クロコダイルのブレイズ・カラーです。

    その貴婦人を演じるのはマデリーン・ルボー(1923-2016)です。彼女は、『カサブランカ』(1942)にも出演していたフランス人の女優です。



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