レ パルファン ルイ ヴィトン フォーメン
Les Parfums Louis Vuitton For Men 2016年9月に発売された、70年ぶりのルイ・ヴィトンのウィメンズ・フレグランス「レ パルファン ルイ ヴィトン」に引き続き、2018年5月31日に、メンズ・フレグランス「レ パルファン ルイ ヴィトン フォーメン」が発売されました。
全部で5種類の香り(2020年8月、2021年5月に2つの香りが誕生しました)であり、全て、ルイ・ヴィトンの専属調香師ジャック・キャヴァリエによる調香です。ちなみにこの時から、18歳になったばかりのキャヴァリエの娘カミーユが正式にアシスタントとして父親をサポートしています。
ルイ・ヴィトンが香水を売る真の理由

©LOUIS VUITTON
ルイ・ヴィトンのフレグランス販売には、全くルイ・ヴィトンを購入する機会のなかった人々にとっての最初のルイ・ヴィトンという役割も担っています。アメリカと同様、特にアジアにおいて、数十万人の香水購買者の半分は、今までルイ・ヴィトンで商品を購入したことがない人々でした。今までは、ルイ・ヴィトンの商品が欲しいと思い、手に入れるまでに平均7年間を要したのですが、香水の販売が開始されたことにより、この7年の年月が短縮されつつあるのです。
マイケル・バーク(ルイ・ヴィトンの会長兼CEO)
ボトル・デザインは、マーク・ニューソンによるウィメンズとまったく同じものですが、ボトルのキャップに刻印されているLVのロゴが、ウィメンズのゴールドと違いこちらはシルバーとなっています。
こうして、各都市のルイ・ヴィトンの主要店舗において、11種類のウィメンズ・フレグランスと6種類のメンズ・フレグランス、そして、4種類のコロンが販売されるようになりました。それにしても、どの店舗の販売員も、フレグランスに対する姿勢が、ラグジュアリー・メゾンにおいてずば抜けているのはさすがです(これはひとえに二回に渡って行われたグラース研修組=フレグランス・スペシャリストの方々の努力の賜物でしょう)。
特に、ラグジュアリー・メゾンにおいて、フレグランスに対する姿勢が最悪なエルメスにとって、ルイ・ヴィトンを見習うチャンスでしょう。
ジャック・キャヴァリエは幸せ者です。一方、エルメスのジャン=クロード・エレナとクリスティーヌ・ナジェルは不幸せ者です(何よりも空間の力学を知っているものは、エルメスの店舗におけるフレグランス・コーナーの配置が、訪問客に対して邪魔者に感じさせるポジションであることと、販売員でフレグランスに詳しい人は稀なことにげんなりするはずです)。
ルイ ヴィトン初のメンズ フレグランス
私は、男性が身に纏いたい香りではなく、女性が、こんな香りを男性から嗅いでみたいと渇望する香りを創造したいと考えていました。男らしさを強調するような香りは、もうごめんです。男性が女性のように(カラフルなシャツや、花柄のアイテムを持つように)香りを身に纏うことが楽しみになる香りを私は生み出したいのです。
ジャック・キャヴァリエ
閑話休題。今回、ジャック・キャヴァリエが発表したルイ・ヴィトン初のメンズ・フレグランスは、ブルガリの香りが、そもそもがブルガリを身に着けない層をターゲットにしている(宝石という高価なものだから)のに対して、ルイ・ヴィトンのアイテムを身に着けている男性をターゲットにしている点に、明確な違いがあります。
そのため、5年かけて生み出した5つの香り自体は、新しい香りの創造よりも、上質な香りの創造に主眼を置いており(ヴィトンのアイテムの邪魔をしないように)、ある程度の香水遍歴がないと、ピンとこないのはしょうがありません。クラシック音楽・絵画・映画鑑賞、文学、グルメ、上質なホテルのサービスを理解するためには、それなりの経験が必要なように、香水もまた例外ではありません。
だからこそ、このコレクションは、ルイ・ヴィトンの水なのです。それは、ルイ・ヴィトンを身に纏うセンスと同じく、どうしようもなく悪趣味にも、どうしようもなくハイセンスにもしてくれる、人を選ぶ、真のエレガンス・アイテムなのです。

©LOUIS VUITTON
このクラスのメンズ・フレグランスを購入する人ならば、何種類かフレグランスを持っていることでしょう。だからこそ、100mlを1種類選ぶよりも、35,200円で、全5種の香りが楽しめる10mlずつのミニチュアボトル・セットをおすすめします。スプレー式ではないので、キャップを使って点付けすると良いでしょう。