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『ロミオ+ジュリエット』Vol.1|レオナルド・ディカプリオとアロハシャツ

レオナルド・ディカプリオ
レオナルド・ディカプリオ男優モード図鑑
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『タイタニック』前夜のレオナルド・ディカプリオ

レオナルド・ディカプリオ(1974-)という俳優が、『タイタニック』(1997)に出演し、社会現象と呼ばれるほどの時代の寵児となる一年前に出演したこの作品が、21歳の若者に与えた影響は凄まじいものでした。

10代でアイドル的な人気を手にしたディカプリオは、クラブ遊びやパーティー三昧の日々を過ごしながらも、常に心の片隅で、そんな人気などすぐに終わりがやってくるという焦燥感を感じながら日々を過ごしていました。

そんなある日、バズ・ラーマンというオーストラリア人の若手監督(1992年に『ダンシング・ヒーロー』を監督し、トロント国際映画祭でピープルズ・チョイス・アウォードを受賞した)から『ロミオとジュリエット』を現代の設定で映画化するのでその主役を演じてくれないかとオファーされたのでした。

MTV世代にアピールするようなシェイクスピア映画を作りたいという企画に、ディカプリオはとても興味惹かれたのでした。

レオナルド・ディカプリオとクレア・デインズ。

ディカプリオのシャツがとてもお洒落です。

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プラダとドルチェ&ガッバーナ

ディカプリオ扮するロミオのファースト・コスチューム。

しかし、撮影開始前に大きな問題が起こりました。それはバズ・ラーマンが企画した「現代を舞台にしたロミオとジュリエット」に対して、映画会社の20世紀FOXが予算に対して色々と制約を設けはじめた事でした。ディカプリオの起用も白紙に戻されかけ、このままでは企画倒れになりそうでした。

そこで、ディカプリオは、ラーマンに対して、ひとつの提案をしたのでした。ラーマンの本拠地であるオーストラリア・シドニーに行くので、そこで、テスト撮影(ワークショップ)を行い、それを20世紀FOXに突きつけようということでした。かくして、ディカプリオは、自腹で飛行機と現地の滞在先を手配し、テスト撮影は行われ、映画撮影のゴーサインを獲得したのでした。

この作品が、日本でよくあるようなアイドルを主役にした作品とは一線を画しているのは、そのためなのです。この作品には、自分の頭で行動し、オーストラリアにまで飛び、ロミオを演じることに若い情熱を迸らせた、一年後のスーパースターの原点があるのです。

この作品のディカプリオをはじめとする出演者の熱量が凄まじいのは、彼の熱意にみんなが感化されたためでした。さらに映画にはじめて協力することになったミウッチャ・プラダドメニコ・ドルチェステファノ・ガッバーナの情熱が交錯し、ファッションムービとしても超一級品に仕上がったのでした。

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ロミオのファッション1

パーティースーツ
  • ディナージャケット、ワイドピークドラペル、3つボタン
  • 白の透かしストライプシャツ、デカ襟、ダブルカフス
  • シルバーバックルのついたレザーベルト
  • 外羽根のブラックレザーシューズ
  • デコラティブ・ホルスター(モンタギュー家の紋章入り)

96年当時グッチのクリエイティヴ・ディレクターだったトム・フォードがデザインした、幅広のピークドラペルのディナージャケットにそっくりなオーバーサイズ気味のブラックジャケットを着て登場するロミオ。ディナージャケットにおいて3つボタンというかなり珍しい作りです。

もしかしたら、このジャケット自体も、後ほど登場する4つボタンスーツと同じくプラダがデザインした可能性が高いです。

ちなみに、プラダスーツのデザインは、ミウッチャ・プラダではなく、1995年にジョルジオ・アルマーニからプラダに移って来たステファノ・ピラーティによるものです。

ディカプリオだから許されるデカ襟。

トム・フォード時代のグッチがデザインしたかのようなピークドラペル。

ダブルカフスのシャツをジャケットの袖の上に重ねています。

透かしストライプが分かる写真。

ドレスシャツのボタンはひとつしか留めません。

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モンタギューボーイ・ルック

少し前に大流行したラグジュアリー・ストリートの原風景。

ロミオとジュリエットは、モンタギュー家とキャピュレット家の抗争が生み出した悲劇なのですが、この作品におけるお互いのファッションは見事なまでに真逆です。ここらへんは、明確に『ウエスト・サイド物語』(1961)の流れを汲むカラーギャング理論に基づいたスタイリングです。

ロミオが属するモンタギュー・ボーイたちは、アロハシャツにカーゴパンツにコンバース(もしくはカジュアルなシューズ)というスタイルです。ちなみにこれらのデザインにはプラダは一切関わっていません。

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ロミオのファッション2

アロハシャツ その1
  • ブルーのアロハシャツ、短剣とハートモチーフプリント
  • 黒のトラウザー
  • 外羽根のブラックレザーシューズ

当初本作の舞台となるヴェローナ・ビーチの撮影は、マイアミで行う予定でした。そして、その時はまだバズ・ラーマンもモンタギュー・ボーイたちが着るファッションのイメージがなかなか降りてきませんでした。

そんな中、ディカプリオがシドニーに自費でやって来たとき、テスト撮影をするための衣装が必要になりました。そして、衣裳デザイナーのキム・バレットはアイデアを求めて、シドニーのオプ・ショップを訪れたいたときに、日本製のアロハシャツを見つけたのでした。

こうして、アロハシャツに、モンタギュー家のあらゆるモチーフをプリントしたシャツが制作されることになったのでした。

モンタギュー・ボーイズのアロハルック!

セイクリッド・ハートに突き刺された薔薇と剣。

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シアーシルクシャツの誘惑




ハロルド・ペリノー(1963-)と言えば、TVシリーズの『LOST』と映画の『スモーク』、そして、『マトリックス』シリーズが有名ですが、この作品におけるマキューシオも当たり役です。

元々ダンサー上がりなので、仮面舞踏会におけるドラァグクイーン姿でのダンスタイムをはじめとして、ディカプリオを食いかねないほどの存在感を示していました(ちなみに若い頃、5年間クンフーも学んでいたという)。

そんな彼が着る、白のシアーシルクシャツがステキです。

ちなみにマキューシオ役のオーディションには、ユアン・マクレガー、クリスチャン・ベール、ジョン・レグイザモも参加していました。

作品データ

作品名:ロミオ+ジュリエット Romeo + Juliet (1996)
監督:バズ・ラーマン
衣装:キム・バレット
出演者:レオナルド・ディカプリオ/クレア・デインズ/ジョン・レグイザモ/ハロルド・ペリノー