究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ

【ディオール】ジャドール ロー 2023版(フランシス・クルジャン)

クリスチャン・ディオール
©DIORBEAUTY
クリスチャン・ディオール
この記事は約10分で読めます。
当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

ジャドール ロー 2023版

原名:J’Adore L`Or
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2023年
対象性別:女性
価格:50ml/23,320円
公式ホームページ:ディオール

2/9(金)20時〜《6H限定》全品ポイントUP【ミニサイズ】 クリスチャンディオール Dior ジャドールロー 1ml [669764]

価格:600円
(2024/2/8 21:29時点)
感想(0件)

スポンサーリンク

『シン・ジャドール ロー』女性の素肌に上陸し、黄金に変える。

©DIORBEAUTY

©DIORBEAUTY

オリジナルの「ジャドール」の魅力は、ひとつの決まった花ではなく、地上には存在しないであろう女性にとって理想の花の香りがするところにあります。それはとても抽象的な花です。

新しい「ジャドール」では、花々の輪郭をはっきりさせ、丸みのある印象を感じてもらいたいと考えました。やわらかさと丸みというアイデアに到達するためには、適切なバランスを見つけることが重要です。つまり、ある種の抽象的な結果を得るために点描画を描く様に香りを創造しました。

フランシス・クルジャン(以下すべて彼のお言葉)

私はジャドールのオーラが女性の肌に降り注ぎ、ジャドールの黄金へと転生していく姿を、嗅覚の真髄として描き上げたいと思いました。 花の輪郭を誇張することによりローズドゥメ、ジャスミン、オレンジ・ブロッサムの花々のピュアな部分をより明確にし、すべてのニュアンスを引き出していく導火線に火をつける役割を託したのでした。

まるで黄金の液体が、女性の肉体に注ぎ込まれ、新しいエレガンスとゴージャスの感覚に満たされるような、そんな新しい官能性を表現したいと思いました。

ディオールが、1999年にアン・ゴットリーブの指揮の下、カリス・ベッカーにより生み出した「ジャドール」に、さらに黄金の輝きを与えた香り「ジャドール ローは、オード・パルファムよりさらに濃厚なエッセンス・ドゥ・パルファムとして2010年に発売されました。ディオールの初代専属調香師フランソワ・ドゥマシーにより調香されました。

日本では2010年10月1日に40ml/15,750円で限定発売されました(以後2011年、2013年秋に限定発売され、2014年以降レギュラーになりました)。

グラースのドメーヌ ドゥ マノンで栽培された(5月に開花する、ミモザを喚起させる)ローズドゥメ・アブソリュートと(アーモンドやバナナ、マンゴーの香りがほのかにする)ジャスミン・アブソリュートに、大量のバニラを使用した〝黄金〟という名に相応しいジャドールの中で最も濃厚な、黄金のバニラ=ジャスミンの女王の香りです。

「ジャドール ロー」は、2017年にリニューアルされ、イランイランが追加され、さらにタヒチ産バニラからマダガスカル産バニラに産地が変更され、日本では2017年11月3日に、40ml/18,000円でレギュラー販売されました。

この「ジャドール ロー」が、二代目ディオール調香師(パフューム クリエイション ディレクター)フランシス・クルジャンにより、二度目の転生を迎えました。バカラの香りを、赤と連動させることにより「バカラ ルージュ540」として昇華させたクルジャンが、今度は、ジャドールの香りを、黄金と連動させることにより「シン・ジャドール ロー」として新たなる高みへと引き上げたのでした。

2023年8月17日(日本は8月25日)に発売されたこの香りのクルジャンのイメージは、背中越しに感じる愛する人が見守る視線のように、肩のカーブに太陽の光が甘く見守るです。(メゾン クリスチャン ディオールを除く)クルジャンによる新生ディオール帝国の門を開く香りとなります。

スポンサーリンク

フランシス・クルジャンの宿願

フランシス・クルジャン©DIORBEAUTY

若き日のフランシス・クルジャン。

クリエイティブな人間の使命は、これまでに行われたことに挑戦することです。 アングルが何か美しいことをしたからといって、あるいはマティスがいたからといって、ピカソは立ち止まる必要はありませんでした。

私たちは、誰かが黒の仕事をしているからピエール・スーラージュが黒の仕事をすべきではないと考えたり、スーラージュが黒の仕事をしているからといってアニッシュ・カプーアが自分の黒の仕事をすべきではないと考える必要はないのです。

何よりも興味深いのは、フランシス・クルジャンは、2021年10月に、ディオールに入社して、まず最初に、新しい作品よりも、オリジナルの「ジャドール」をリニューアルすることを考えたことでした。なぜなら、クルジャンは「ジャドール」誕生の1999年に、まさにその場にいたからでした。しかも、その誕生に関わったのではなく、それを羨望と嫉妬の混じり合う感情の中で、ただ傍観する立場にいたのでした。

1993年にクルジャンは、(今はジボダンに吸収された)クエスト・インターナショナルに入社しました。その一年後に「ジャドール」を後に生み出すことになるカリス・ベッカーが入社しました。1995年に「ル マル」を生み出しスター調香師の道を歩いていたクルジャンのずっと後ろにベッカーはいました。

しかし、あるプロジェクトが彼女を香水業界内の寵児にするのでした。世紀末の1999年に誕生した「ジャドール」でした。その成功は「ル マル」の比ではなく、クルジャン自身が述べているように、ディオールで名作を残したいという強い願望を抱くようになったのでした。

クルジャンは「私が、ディオールとの関係において失敗作を作ったから言うのではありません。ただ私にとって大きなラグジュアリー・ブランドの専属調香師になるということは、リタイヤすることも同然なのです。私は香水の創造に対して完全に自由にありたいです。」という、ディオールに対する愛憎相反する言葉も、ずっと昔に言い放っていました。

「ジャドール」開発当時、クルジャンは、ベッカーの隣の部屋で働いていました。そして時々彼女の試作品に対して感想を述べたりしていました(ただし、クルジャンは、私は「ジャドール」のプロジェクトに参加していないとはっきり断言しています)。

だからこそ、彼は「ジャドール」を新しくする必要があったのでした。

スポンサーリンク

新しい〝ディオールの女神〟の誕生

©DIORBEAUTY

偉大な香水は、偉大な物語から生まれると、私はいつも考えています。それは文章を書くときも同じで、何を書けばいいのかわからなければ、いい文章は書けません。

私にとって、香水を作ることはピアノを弾くことによく似ています。右手と左手が常にそれぞれ違う動きをしなければならないように、片方の脳は夢を見て、もう一方の脳は超合理的でなければなりません。

クルジャンは、20年以上もの間、世界中の女性がなぜ「ジャドール」に惹きつけられるのかということを謙虚に見つめなおしました。そして、彼はジャドールの中に眠る黄金の採掘に取り掛かることを決意したのでした。

つまりこの香りの名は「ジャドール ロー」なのですが、前二作品とは全く関係のない、オリジナルの「ジャドール」の究極形態です。それはずっとずっとディオールの専属調香師になるまで、純粋な気持ちで向き合うことが出来なかった「ジャドール」の素晴らしさと向き合えるようになったクルジャンの過去との決別の香りなのです。

不純物を取り除いた黄金のように、嫉妬という感情を取り除いたクルジャンが、純粋に「ジャドール」の素晴らしさを、より現代的に磨き上げた香り、それが「ジャドール ロー」なのです。

クルジャンの「ジャドール」の旅は、2021年11月からはじまりました。そして、ジャドールの配合を徹底的に分解し、香りの比率をいじり、必要な成分だけを残していく作業を繰り返していきました。最終的に125回の修正の末、バージョン88が選ばれ、2022年6月末頃に完成しました。

私はこれをジャドールの新しいバージョンというよりも、濃縮したものだと考えています。私はジャドールの中心にある非常に深い部分が大好きです。オリジナルのオードパルファムが、小さな花々が沢山集まった香りなら、こちらは、ひとつひとつが大きな花々で表現された大胆な花の香りなのです。

スポンサーリンク

あなたの身も心も加熱させ、不純物を蒸発させる『黄金の水』

©DIORBEAUTY

©DIORBEAUTY

Diorとは、フランス語でD’orとOrつまり、黄金と黄金が重ねられたイメージを連想させます。そして、花はジャドールにとっての黄金です。24カラットの黄金は最も純粋な品質の金だと思っていたのですが、そうではありません。それを得るためには、金を液体にして加熱し、不純物を蒸発させる必要があります。

私はもしジャドールが加熱されたらどうなるだろうか?古いものを捨て、新しいものを取り入れるとどうなるだろうか?つまりジャドールをより簡潔にし、テクニックの点では短いフォーミュラにしましたが、輝きの点ではより大胆にしました。つまり、真に純金の輝きをジャドールに与えてみたのでした。

フランシス・クルジャン

ディオールの香水と香料の聖地グラースのローズドゥメとジャスミン畑の上を優雅に舞うディオール・バタフライ。その蝶の上に降り注ぐオレンジ・ブロッサムの花蜜によるゴールドシャワー。そして、黄金の蝶となったディオール・バタフライは、あなたの素肌の上に着地し、身も心も、黄金色に染め上げてくれる。

まず最初に、透き通るようにグリーンに輝くスズランの香りに導かれ、甘やかに広がる(アーモンド、マンゴー、バナナの香りを持つ)ジャスミングランディフローラムの香りからはじまります。

前二作品の中心に存在したバニラ・アブソリュートは一切使用されていないのですが、イランイランが加わり、クリーミーな円やかな甘さに包み込まれてゆきます。そこにジャスミン特有のインドールも重なり、甘くフレッシュなローズと、太陽の輝きそのもののオレンジ・ブロッサムのアクセントがひとまとめになり、まるで黄金の花蜜のきらめきに愛撫されるような、うっとりと贅沢な余韻に満たされていくのです。

そして最後の最後に、黄金の輝きは、ローズをもっともっと目覚めさせる、パウダリーなヴァイオレットの愛撫するような繊細さと共に、流れる黄金の水のように、素肌を黄金で洗い流してゆくのです。

今回からジャドールの黄金の首飾りは、流れる黄金の蜜または溶けた黄金を思わせるデザインへと生まれ変わっています。さらにキャップはプラスチック製でしたが、現在はガラス製です。

この香りは花の甘さです。美味しそうではありますが、グルマンにはしたくありませんでした。なぜなら、グルマンは私にとって、ある意味ですでに時代遅れだからです。

スポンサーリンク

香水データ

香水名:ジャドール ロー
原名:J’Adore L`Or
種類:オード・パルファム
ブランド:クリスチャン・ディオール
調香師:フランシス・クルジャン
発表年:2023年
対象性別:女性
価格:50ml/23,320円
公式ホームページ:ディオール


シングルノート:ジャスミン・アブソリュート、オレンジ・ブロッサム・アブソリュート、ヴァイオレット、スズラン、ローズ・アブソリュート

2/9(金)20時〜《6H限定》全品ポイントUP【テスター】 クリスチャンディオール Dior ジャドールロー 50ml [097305]

価格:16500円
(2024/2/8 21:30時点)
感想(0件)