エルメス

エリクサー・デ・メルヴェイユ (ジャン=クロード・エレナ)

    香水名:エリクサー・デ・メルヴェイユ Elixir des Merveilles オード・トワレ
    ブランド:エルメス
    調香師:ジャン=クロード・エレナ
    発表年:2006年
    対象性別:女性
    価格:日本未発売






    ★★★☆☆ オレンジ・シプレ

    この香水はまさしくボンシックボン・ジャンルだ。フランス人はブルジョワ階級の基準をこう呼んでいるが、ホルバインの肖像画のように風刺がちらついている。私がエルメスの担当者であったならば、腹を抱えて笑い、その技巧に驚嘆しながらも作品にはダメ出ししただろう。なぜなら、誰もそんなアイロニーには気づかないからだ。とりわけ、ターゲットであるエルメス好きの若い女性たちにはわかるまい。

    エリクサーは、シーズン初の舞踏会で、おばあさんのばかでかいサファイアの指輪をつけ、これで安心とばかりに大人ぶっている。みごとに晴れわたり、まさしくイタリアといったオレンジ様のトップノートは日焼けのようで、どこかの高級リゾートへ行ってきたのかと思わせる。ところが、ハートノートと残香は整ったシプレで、「カボシャール」より「ジバンシィⅢ」に近い。この香りを手首に20分もつけていたら確実に20年は老ける。その過程はどことなく痛ましい。必死にはつらつと生きていこうとする若者が、結局安楽におぼれていく姿を見ているようだ。― ルカ・トゥリン

    『「匂いの帝王」が五つ星で評価する世界香水ガイドⅡ』ルカ・トゥリン/タニア・サンチェス 原書房

    シングルノート:ペルーバルサム、バニラシュガー、アンバー、サンダルウッド、トンカ・ビーン、パチョリ、安息香、キャラメル、オーク、インセンス、オレンジの皮、シダー

    オー・デ・メルヴェイユ」(2004)の限定ヴァージョンとして2006年に発売されたジャン=クロード・エレナの解釈による「オー・デ・メルヴェイユ」Mark2としてのオリエンタル・フゼアの香り。濃厚なオレンジ風味のチョコレート&バニラ&キャラメルの香りからはじまり、スパイシーかつウッディなエキゾチック・オリエンタルの香りが押し寄せてきます(チョコレートの海にアンバーグリスを浮かべた香り)。

    「エリクサー」とは資生堂の「エリクシール」と同じスペルであり、その意味は、〝賢者の薬〟です。つまりは、ファイナル・ファンタジーで1000ギルで購入できる究極の回復薬です。

    つまり「エリクサー・デ・メルヴェイユ」の意味は、〝神秘的な賢者の香水〟という意味です。ボトル・デザインは、「フラワー・バイ・ケンゾー」も担当したセルジュ・マンソーによるものです。



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