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クリント・イーストウッド1 『ダーティハリー』(3ページ)

    作品名:ダーティハリー Dirty Harry (1971)
    監督:ドン・シーゲル
    衣装:グレン・ライト
    出演者:クリント・イーストウッド/アンドリュー・ロビンソン/ハリー・ガーディノ



    70年代は、ラロ・シフリンと共にはじまった!

    本作を象徴する「標的に狙いを定める」シーン。このアナログ感がたまらない。

    屋上のプール。当時のホリデイイイン。現在のヒルトン・サンフランシスコ。

    男にとって、バイブルとなる作品に欠かせない要素として、痺れる音楽があります。かつて60年代末から70年代半ばにかけて痺れるサウンドを生み出していた一人の男がいました。その男の名は、ラロ・シフリン。彼のサウンドには、男の闘争心を呼び覚ます「孤高」がありました。『ブリット』(1968)、『スパイ大作戦』(1968)、『燃えよドラゴン』(1973)といった震えて眠れるほどにカッコいいサウンドを作ったラテン男。彼のサウンドは、押して引いてのサウンドの駆け引きが絶妙で、実にドラマティックです。

    ドラマティックさとは、程よいアナログ感が伴っている全てのことに共通する要素です。そして、今、失われている要素の一つです。男性が草食系であろうとも肉食系であろうとも、どちらでもかまいません。ただ女性にとって重要なことは、ドラマティックな感覚を持つ男性であるかどうかが重要なのです。それを失った「ボクは堅実派です」と言っている男性にあなたは本当に惹かれますか?

    70年代の映画の男性の描き方には、女性の存在を無視した作品も少なくありません。しかし、そこには純粋に男性が男性だった時代の「今は失われた男性の魅力」が濃縮されています。それを今、男性が吸収することは、男性がファッションセンスを高める過程において最も重要なことではないでしょうか?最先端の流行ばかりに気を使う「堅実派」なんかよりも、いつだって自分のスタイルを作ろうとしているオトコにオンナは惚れるものなのです。



    ダーティハリーのファッションは極めてクリーン。




    エルボーパッチという70年代センスの再評価。

    ハリーと言えば、サングラス。レイバンの「バロラマ」。

    ハリー・キャラハン・スタイル1
    • ヘリンボーンツイードのジャケット、3つボタン、黒のエルボーパッチ
    • 白(または水色)のスプレッドカラーのシャツ
    • 細身のノータックパンツ、チャコールグレー
    • バーガンディーのニットベスト
    • 黒のブルーチャー(ダービー・外羽根)
    • バーガンディ×ネイビー・ストライプのレジメンタルタイ(英国式)
    • 黒のレザーベルト
    • レイバンのサングラス「バロラマ
    • タイメックスの腕時計

    いかがわしいアメリカの街並みが1967年の『俺たちに明日はない』以降のアメリカ映画で映し出されることになりました。それは、1966年のヘイズコードの撤廃から始まったリアル・アメリカン・ムービーの流れであり、ロケーション撮影が主流となり、リアルなストリートを映し出すことがカッコいいという感覚の走りでした。本作においても、90%はロケ撮影であり、粒子が荒い高感度フィルムの感覚が、あの階段を駆け上がってハリーが登場するオープニングシーンに、不思議な神通力を与えたのでした。一目で分かるカッコよさは、やがて薄れていく感覚です。一方、この時代の男を映し出すカメラの映像は、一見地味だが、じわじわと浸透していくカッコよさなのです(もしかしたら最近の映画がダメなのは、画質が良すぎるからかも・・・)。

    だからこそ、クリント・イーストウッド(1930-)扮するハリー・キャラハンのファッション・センスは、シンプルであり、極めてクリーンです。それはスタイリッシュとまではいかないですが、現実に即したファッションであり、「男が男だった時代」のスタイルを体現しています。現代の私たちの特権。それはあらゆる年代の映画を好きなときに見ることが出来る特権です。そして、その特権はひとつの現実を生み出すに至ったのです。それはもう流行に乗せられる必要はなく、自分自身の個性を突き詰めることが出来る現実です。今ファッション業界は、流行を作り出すスピードの加速に疲弊しています。そして、気づき始めています。原点回帰しかないなと・・・。



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