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セルジュ・ルタンス

【セルジュ ルタンス】シェンヌ(樫)(クリストファー・シェルドレイク)

セルジュ・ルタンス
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シェンヌ(樫)

原名:Chene
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2004年
価格:100ml/40,150円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス

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大自然の中の集中力を蘇させる香り

©Serge Lutens

2018年11月にセルジュ・ルタンスより発売された、限られた店舗でのみ販売されている新しいプレミアムコレクション「グラットシエル コレクション」。「グラットシエル」とは、フランス語で「摩天楼」「超高層ビル」の意味です。

その黒のファセットガラスボトルのシルエットは、エンパイアステートビル、クライスラービルなど20世紀初頭から1930年代にかけてニューヨークに出現した世界初の高層ビルをモチーフにしたデザインです。2004年に発売され、2010年までパレ・ロワイヤル本店限定販売でした。

「シェンヌ」とは、フランス語で「オーク、楢の木」の意味です(よく樫の木と誤訳される)。どこからどう嗅いでも鉛筆を削った後の香りがするこの香りは、だんだんとラム酒と蜜蝋の香りが立ち上がり、バランスを取る形で、渋い甘さを優しく演出してくれます。

2004年にクリストファー・シェルドレイクにより調香されました。

香りによって自分の魅力を引き出すのではなく、大自然の中で自分の存在の有難さを演出してくれる香りです。都会で身に纏うととんでもなく違和感を感じさせ、大自然の中で身に纏うととんでもなく同化してくれる香り。

つまりは、香りというものの概念を、人の中ではなく、自然の中のひとつのエッセンスとして身に付けるという意味合いで生み出されている作品です。

この作品は、元々の成り立ちからして、人間社会専用の香りではなく、野生専用の香りであることを理解しておかなければなりません。

セルジュ・ルタンスとシェルドレイクの恐ろしさは、他人が違和感を感じる香りの中に、大自然の英知が備わっていることを、香りを通じて体感させてくれるところにあるのです。

「ただ自分のための香り」だからこそ、通常は、香水で使用されない贅沢な天然香料がブレンドされている香りなのです。だからこそ、とんでもなく集中力が高くなる香りなのです。

あるプロ野球選手は、バッターボックスに立つ時、この香りを身につけ集中力を高めているという逸話が存在します。

タニア・サンチェスは『世界香水ガイド』で、「シェンヌ」を「鉛筆削り」と呼び、「ウッディ調の構造をおが屑にまで削って痩せたものにした。香水というよりは、議論のネタを提供してくれたようだ」と2つ星(5段階評価)の評価をつけています。

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香水データ

香水名:シェンヌ(樫)
原名:Chene
種類:オード・パルファム
ブランド:セルジュ・ルタンス
調香師:クリストファー・シェルドレイク
発表年:2004年
価格:100ml/40,150円
公式ホームページ:セルジュ・ルタンス



トップノート:シダー、ブラックタイム
ミドルノート:カバノキ、ラム、ビーズワックス、オーク
ラストノート:トンカビーン