究極のフレグランスガイド!各ブランドの聖典ページ一覧にすすむ
バーバリー

【バーバリー】ボディ テンダー(ミシェル・アルメラック)

バーバリー
©Burberry
この記事は約5分で読めます。

ボディ テンダー

原名:Body Tender
種類:オード・トワレ
ブランド:バーバリー
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2013年
対象性別:女性
価格:85ml/13,120円

スポンサーリンク

カーラ・デルヴィーニュとバーバリーの深いつながり

©Burberry

1856年にトーマス・バーバリーにより、大英帝国で創立されたバーバリーが、(1989年にユニリーバに買収される)ベスコ・フレグランス社と提携し、最初のフレグランスを発売したのは1981年のことでした。しかし、この頃から1990年代にかけて、バーバリーのブランド力は落ちてゆき、存亡の危機に立たされていました。

そんな中、ミレニアムを越えて、2001年に、バーバリー帝国復興の使命を帯びて、クリエイティブ・ディレクターに就任したのが若干29歳のクリストファー・ベイリー(1971-)でした。彼は、1994年にダナ・キャランにより見出され、1996年にトム・フォード王朝下のグッチでレディース部門のシニアデザイナーに抜擢され頭角を現した人でした。

1990年代以降、バーバリーは、インターパルファムとライセンス契約し香水を作っていました。ベイリーは積極的に協力し、香水の開発にも積極的に取り組んでいきました。

2011年9月1日(日本では9月28日)にバーバリーは、ウィメンズ・フレグランスの新作「ボディ」を150カ国で同時販売しました。シプレフルーティの香りはミシェル・アルメラックにより調香されました。

そして、翌年2012年にグリーンアップルとティーノートが追加された「オードトワレ」ヴァージョンが発売されました。さらにそのフランカーとして2013年3月に発売されたのが「ボディ テンダー」でした。

2011年にバーバリーのランウェイに登場し、一躍人気ファッション・モデルとなったカーラ・デルヴィーニュが新たにキャンペーン・モデルをつとめ、マリオ・テスティーノによりロンドンのテムズ河で撮影されました(1967年に全英No.4のヒットとなったタートルズの「ハッピー・トゥゲザー」を当時18歳のミスティ・ミラーがカバーしています)。

スポンサーリンク

トレンチコートが生む、爽やかさと温もりの香り

©Burberry

オリジナルの「ボディ」に、〝テンダー=柔らかさ〟を与えていくこの香りのイメージは、まだ初々しかった当時20歳のカーラ・デルヴィーニュです。つまりは幼き日からバーバリーを着ることが許される資産家の娘のリラックス感と、ロンドンが持つエネルギーを反映させた香りです。

いわゆるローズ系でもなく、かといって〝ティーフレグランス〟を名乗るほどのお茶感もないこの香りは、生まれも育ちも、そして、美貌にさえも恵まれている英国女性に降り注ぐ、栄光のレモンの煌きからこの香りははじまります。富をひけらかそうとも、背伸びして美しくなろうともしていない、〝華麗なる自然体〟の雰囲気がそこにはあります。

すぐにジューシーなグリーンアップルが加わり、レモンと弾け合います。そこにミルキーなピーチと苦味の効いたアブサンが現れ、英国文化の精髄とも言えるティーが注ぎ込まれてゆきます。

ゆっくりと、ほんとうにゆっくり、カシュメランやムスク、バニラがアブサン×アップルピーチティーに溶け込み、繊細なスコールをイングリッシュローズとホワイトジャスミンの花の上に降らせてゆきます。

それはまるで、花々が、苦味と酸味の境界線を綱渡りしているようです。そして、レモンティーとアップルティー&ピーチティーにアブサンの魔法の液体が注ぎ込まれてゆきます。であるにも関わらず、ティーローズとジャスミンティーにより、アブサンから魔性のオーラが取り除かれたような不思議な優しさが生み出されてゆくのです。

もっとも苦いものから生み出される甘い香りそれが「ボディ テンダー」です。やがて、クリーミーなサンダルウッドにスパイシーなアンバーが混じりあい、温かくも控えめなアップルローズが肌に柔らかな余韻を残してくれるのです。

スポンサーリンク

ボディ三姉妹を比較してみましょう

©Burberry

最後にこの香りの発売当時、ブルーベルでチーフをつとめておられた現役フレグランス・スペシャリスト様に、ボディ三姉妹の比較をして頂きました。以下彼女のお言葉です。

ボディEDP、ボディEDT、そしてボディテンダーはまさに三姉妹な香りと言えます。少し安直かもしれませんが、バーバリーには「ブリット」もEDP、EDTがあり、そしてブリットシアーという三姉妹がいて『ブリット戦略』がある程度成功したので同じように〝三姉妹よふたたび〟となったのかなと私は当時、感じました。

ボディにしてもブリットにしても、長女EDPこそが、打ち出したいバーバリーのイメージに一番近く、EDTは軽やかに、末っ子は軽やかさ+透明感+明るいイメージがさらに加わってます。以下、私が当時のノートに書いていたボディ三姉妹のイメージです。

  • EDP→素肌にトレンチコートを纏う女性像をイメージ(センシュアル+エフォートレス)
  • EDT→瑞々しい女性の素肌をイメージ(輝きや透明感)
  • テンダー→そんな女性の肌にそっと触れるようなイメージ(ピュアで愛らしい)
スポンサーリンク

香水データ

香水名:ボディ テンダー
原名:Body Tender
種類:オード・トワレ
ブランド:バーバリー
調香師:ミシェル・アルメラック
発表年:2013年
対象性別:女性
価格:85ml/13,120円


トップノート:ピーチ、グリーンアブサン、アップル、レモン
ミドルノート:ローズ、ティー、ジャスミン、サンダルウッド
ラストノート:ムスク、カシュメラン・ウッド、バニラ、アンバー