スティーブ・マックイーン

スティーブ・マックイーン3 『大脱走』1(2ページ)

    作品名:大脱走 The Great Escape (1963)
    監督:ジョン・スタージェス
    衣装:バート・ヘンリクソン
    出演者:スティーブ・マックイーン/チャールズ・ブロンソン/ジェームズ・コバーン/ジェームズ・ガーナー/リチャード・アッテンボロー/デヴィッド・マッカラム/ドナルド・プレザンス



    男がもっとも惚れる男=スティーブ・マックイーン。

    ブラッド・ピットダニエル・クレイグという現代のスタイル・アイコンが神の如く崇めるタイムレス・アイコン。それがスティーブ・マックイーン。

    『大脱走』のマックイーンを象徴する鉄条網越えのジャンプ。

    「えっ!失敗しちゃうの!」と驚いてしまうシーン。

    ヒルツは捕虜収容所から脱出を試みつづけている男だ。ドイツ軍側はそういう彼を引きずり戻しては、そのつど、独房に放り込むんだが、彼の精神をくじくことはできない、彼はただひたすら脱走に挑み続けるんだ。

    マックイーンが、「オレの役柄は、どんな役柄なんだい?」とジョン・スタージェス監督に聞いたときの答え。

    7回転んでも8回目に立ち上がればいんんだと言わんばかりに、絶対に諦めない男。それが女性から見ても、男性から見ても、本当の意味で惹きつけられる男の条件ではないでしょうか?『大脱走』のスティーブ・マックイーン(1930-1980)が、いまだに若い世代を含めたあらゆる世代の男性の心を捉えて離さないのは、時代を超えた〝不屈の闘志〟=〝反逆精神の象徴〟そのものだからです。

    しかし、なぜ2010年代の映画ではなく、60年代~70年代の映画の主人公に、若き男女(ネット・ジェネレーションである彼らは、30~40代よりも、昔のものから、新しさを嗅ぎ取る嗅覚を持ち合わせています)は、男の理想像を見出しているのでしょうか?それはこの時代の映画の中の男性は、単純に子供っぽく、男らしく、女らしさのかけらもない存在感を体現しているからなのです。

    『大脱走』のマックイーンには、共演者であるチャールズ・ブロンソンやジェームズ・コバーンという60年代から70年代にかけての『男のダンディズム』を体現するヘビー級チャンピオン達を相手にしても、引けを取らない圧倒的な存在感があります。彼がバイクに乗って、スイスの国境を越えることに失敗して、鉄条網の中で、にやりと笑った瞬間。世界中の男性はステーブ・マックイーンに平伏したのでした。



    ダッフル・バッグ片手に、その男はやって来た。

    撮影はドイツのバイエルンに収容所を作って行われた。

    軍用のダッフル・バッグを片手に持ち登場するヒルツ=マックイーン。

    厚手ではない革ジャンのカッコよさ。

    ヒルツ・スタイル1 フライトジャケット
    • A-2フライトジャケット、ダークシールブラウン、アメリカ空軍の標準、シャツ・タイプのスナップダウンカラー、エポレット、ニット・カフスとウエストバンド、ライナーはダークレッドのシルク、ホースハイド、タロン製のジッパー
    • ブルーの半袖のスウェットシャツ、ラグランスリーブをカット
    • ライトカーキ色のチノパンツ
    • ブラウンのM-43 サービスシューズ〝タイプ3〟
    • ゴールドネックレス
    • ロレックスのスピードキング
    • ダッフル・バッグ

    A-2フライトジャケットにスウェットシャツとチノパン・スタイルのヒルツの愛称は「クーラー・キング=独房王」。本作の魅力のひとつは、ガキんちょにも伝わる男たちのカッコよさにあります。マックイーンが独房王なら、ブロンソンは、トンネル王。コバーンが製造屋に、ガーナーが調達屋、さらにアッテンボローに至っては、謎めいたネーミングで異様にカッコいいビッグXなのです(ビッグボディにマリポーサのようなノリ)。ちなみにマックイーンの相棒のアイブスは、別名モグラです。

    それは、なにか秘密基地を作ろうとしているガキんちょのノリにすごく似ています。先生の目を盗んで、消灯の後で、トランプなんかをして遊ぶ、昭和の修学旅行の思い出にも似たものがあります。この作品の最大の魅力は、みんなで一致団結して、人目を盗んで、何かをしようとしている連帯感とワクワク感なのです。



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