70年代のハーレム・スタイル
1970年代前半に黒人俳優が主役を務める『黒いジャガー』(1971)をはじめとするブラックスプロイテーション映画が大流行しました。そんな流れを反映したブラック・パワーが本作全体を包み込んでいます。
カラフルなトリルビーハットとスーツや、ばかでかいシャツのカラー、大きなラペルのレザーコート、アニマル柄のベストにパンタロンといったハーレム・ファッション=ポン引きスタイル(ピンプ・ルック)が沢山登場します。
シリル・キャッスルの70年代スタイル
ジェームズ・ボンド・スタイル3 ライトグレースーツ
- テーラー:シリル・キャッスル
- ライトグレー・トロピカル・スーツ、低めの位置の2つボタン、シングル、ソフトショルダー。深めのサイドベンツ
- クリーム色のシャツ、カクテルカフス、フランク・フォスター
- バーガンディーのネクタイ、フォア・イン・ハンド・ノット
この作品以降、ジェームズ・ボンドのスーツは、幅広のラペルとネクタイ、フラップポケット、深いサイドベンツ、フレアなトラウザーといった70年代のスタイルへと移行していくことになります。
賛否両論のデニム・オン・デニム
ジェームズ・ボンド・スタイル4 デニム・オン・デニム
- パウダーブルー・デニム・レジャースーツ、ウエスタンスタイル、2つのフラップ・パッチポケット、フレアパンツ、ジーンズスタイルのパッチポケット
- サーシングルベルト、クリーム色とブラウンレザー
- 白いニットのランイングシャツ
- ダークブルーのスエード・ダービー