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チャールズ・ブロンソン

チャールズ・ブロンソン/ジェームズ・コバーン1 『大脱走』3(3ページ)

チャールズ・ブロンソン
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作品データ

作品名:大脱走 The Great Escape (1963)
監督:ジョン・スタージェス
衣装:バート・ヘンリクソン
出演者:スティーブ・マックイーン/チャールズ・ブロンソン/ジェームズ・コバーン/ジェームズ・ガーナー/リチャード・アッテンボロー/デヴィッド・マッカラム/ドナルド・プレザンス

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ブロンソン×コバーン×マックイーン=男の世界

1963年8月、日本初公開時のポスター。

女っ気ゼロの世界。それは男だらけの大運動会でもあった。

スティーブ・マックイーンだけが『大脱走』で輝いていたわけではありません。この作品の最大の魅力は、登場人物それぞれが実に魅力的だった点にあります。そして、何よりも重要なのは、いかに逃げたか?ではなく、いかに男たちは、自分自身の友情を大切にしたのか?を描いた所に、この作品のタイムレスな魅力はあるのです。

それは、ヒルツとアイブス、そして、ヒルツにいつもグローブを投げてくれるゴフの存在も忘れてはならない。さらにダニーとウィリー、ビッグXとマック、ヘンドリーとブライスの友情です。ヒルツは、アイブスの死がきっかけになり、大脱走に協力する気持ちになり、ダニーはウィリーの励ましによって、閉所恐怖症の障害を克服する。そして、ヘンドリーはブライスの目になる決意をすることによって、人を騙すこと以上に大切なことを学ぶのでした。

他にも、トンネルを掘っていたのをごまかすために、シャワーを浴びるダニーにタオルを投げるセジウィック。そんな男たちの一挙手一投足がここまでカッコよく描かれている作品もそうそうありません。所以にこの作品は、男にとっての永遠のバイブルとして崇められているのです。

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撃墜王だった二人が、今ではトンネル王。

ダニーとウィリーは共に英国空軍の大尉なので、ブルーとカーキの色違いのサービスドレスを着て登場します。

ウィリー、ビッグX、ダニー、ラムゼイ。

空で活躍していた二人が、地底でトンネル王になるという面白さ。英国空軍のサービスドレスを着るチャールズ・ブロンソン(1921-2003)がとても渋い。しかし、そんなブロンソンの渋さが際立ったのも、ウィリーとの年齢を越えた友情があったからです。ウィリーを好演したジョニー・レイトン(1936-)は、当時人気のあったイギリスのポップシンガーでした。

1961年に「霧の中のジョニー(ジョニー・リメンバー・ミー)」で全英No.1ヒットとなり、翌年「ワイルド・ウインド」でも全英No.2に輝きました。本作の後にフランク・シナトラの『脱走特急』(1965)にも出演しています。

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世界一トンネルを掘る姿が似合う男=チャールズ・ブロンソン。

継ぎはぎだらけのスウェットシャツが渋さを増す。

そして、このランニングシャツ・スタイル!汗臭いムードこそブロンソンの真骨頂。

逃亡する二人。逆に目につきそうなのだが、見事脱走に成功するのである。

撮影中のブロンソンとマックイーンの奇跡の2ショット。

こちらは、コバーンとスタージェス、マックイーン、ブロンソン。

チャールズ・ブロンソンは、1921年に、アメリカのペンシルベニア州でリトアニア移民の家族の15人兄弟の5男として生まれました。父親は炭坑夫で、劣悪な労働環境が原因で、ブロンソンが10歳の時に死に、彼自身も、高校卒業後、16歳から炭坑で働くようになります。そして、落盤事件を経験し、閉所恐怖症になりました。この経験がブロンソンのトンネル王の芝居にとても役立ったと言われています(彼がトンネルを掘る姿における、汗と泥まみれの姿に真実味があったからこそ、本作にリアリティは生み出されたのでした)。

1943年に米軍に志願するまで炭坑で働いていました。そして、第二次世界大戦において、アメリカ陸軍航空隊のB-29の射撃手として東京大空襲に参加しました。計25回のミッションに参加し、その時の負傷によりパープルハート章を授章しました。つまり、ブロンソン自身も本物の飛行機乗りだったのです。

ちなみにこの作品の撮影中に共演者のデビッド・マッカラムに、当時の妻ジル・アイアランド(1936-1990)を紹介されました。そして、5年後に二人は再婚するのでした。そして、その時、ジルのアドバイスによってブロンソンは口髭を蓄え、『さらば友よ』(1968)で全盛期のアラン・ドロンを圧倒する存在感を示したのでした。