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ジョージ・クルーニー1 『オーシャンズ11』4(2ページ)

    作品名:オーシャンズ11 Ocean’s Eleven (2001)
    監督:スティーブン・ソダーバーグ
    衣装:ジェフリー・カーランド
    出演者:ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット/マット・デイモン/ジュリア・ロバーツ/アンディ・ガルシア/ドン・チードル/スコット・カーン/エリオット・グールド/カール・ライナー



    ハリウッド・ダンディズムの正当継承者

    この男の隣に立つと、どんなものでも格上げされる。

    そんな男のもつパワーを人々は、「ダンディズム」と呼ぶ。

    当時40歳とは思えないほどの成熟した男っぷりを発散するジョージ・クルーニー(1961-)。個性的かつファッショナブルな10人の仲間の中で彼のみが、非常に地味でクラシカルなファッションに身を包んでいます。結局のところ、主役が、本当に求められるのは、モノトーンの輝きのみなのです。

    そうなのです。彼こそが、クラーク・ゲーブルハンフリー・バガートケーリー・グラントから脈々と流れるハリウッドのダンディズムの継承者であることを本作で見事に示したのでした。白髪が混じろうとも、それを白髪染めで隠すわけでなく、男の色気の領域に持っていった男。1960年代にソニーの創業者・盛田昭夫が流行させた言葉「ロマンス・グレー」を体現している人。それがジョージ・クルーニーなのです。

    そして、21世紀に再発する〝中年男の美学〟を体現するメンズ・アイコンの位置に駆け上り、当時、五代目ジェームズ・ボンドだったピアース・ブロスナンとそのダンディズムの美学を体現する男優の位置を共有するのでした。それは、六代目ボンド=ダニエル・クレイグが登場しても尚、不動の輝きを放っています。



    タキシードのボウタイを外す美学。

    ラスベガスの本物のカジノ(ベラージオ)内での撮影が許された稀有な作品。

    無精髭と解き放たれたボウタイの見事なアンサンブル。

    おおよそ刑務所には似つかわしいタキシード姿で出所する姿が渋すぎる!

    ダニー・オーシャン・スタイル1 タキシード
    • オープニング・ルックであり、ラスト・ルック
    • ウールの黒タキシード、ワイドピークドラペル、ダブル
    • 白のフロントプリーツ・コットンシャツ、4つの黒スタッズ・ボタン
    • 八角形のシルバーにパールのカフスボタン
    • サテンの黒のボウタイ
    • 黒のカーフレザーのブルーチャー
    • ハミルトン・リンウッド・ビューマチック。黒のクロコダイル・レザー・ベルト

    1960年のオリジナルについて、会う人みんながお気に入りの作品だと言うんだ。そのたびに、「本当に観たことがあるのか?」と返しているんだ。キャストが豪華なこと以外は大したことないだろ?

    ジョージ・クルーニー。2001年

    オーシャンズ・シリーズの中で一貫して存在する空気は、オープニングに登場するジョージ・クルーニーが発する空気です。ジョージ扮するダニー・オーシャンは、妻に泥棒という稼業がばれ、逃げられ、やけになって捕まり、4年間刑務所に入っていた男であり、そんな彼が、出所の時に、着ている服装がタキシードなのです。この作品のセンスは、この場所にこの衣装を着ていることに集約されています。

    タキシードを着るような場所で捕まえられたという意味なのですが、その姿で、ボウタイを外して首にかけている姿がとてつもなくカッコいいのです。ここにフォーマルなファッションを着崩す美学が示されています。



    チョコレート色のシャツが似合う男になりたい。

    大人の男の主張。チョコレート=イート・ミー・シャツ。

    カジノという空間を欲望の渦巻く場所ではなく、大人の色気漂う夢の空間として描いています。

    ダニー・オーシャン・スタイル2 ブラウン・スーツ
    • ブラウンのハウンドトゥースチェック(赤のウインドウペーン・チェック入り)のスポーツコート、ノッチドラペル、2つボタン
    • チョコレート色のドレスシャツ
    • ブラックレザーベルト
    • ダークブラウンのトラウザー
    • シルバーの縁のサングラス
    • ハミルトン・リンウッド・ビューマチック。黒のクロコダイル・レザー・ベルト

    大人の男の色気とは何でしょうか?それは、枯れた色を着ないことでもなく、雑誌の『レオン』や『サファリ』に影響されたようなコピーオヤジになるわけでもありません。

    枯れた色とは、生地とサイズ感と組み合わせにより、聖なる剣が引き抜かれるほどの効果を生み出しうる〝大人の男にのみ許された色〟なのです。このダニー・オーシャンのチョコレート色の身に纏い方こそが、まさにそれなのです。それは「イート・ミー(私を食べて)」ファッションの典型であり、女性が食欲をそそるカラー(それは得てして枯れた色)を上手く身に纏うことによって、女性の深層心理に訴えかけること。結局のところ、モテる男というものは、女性の食欲を性欲へと導いていくことの上手さを知る者なのです。

    例えば、女性と食事に出かけることが出来たならば、その女性は男性の品定めをしているのであり、二回目があるということは、もう言葉の領域を越えたというシグナルであることを感覚で掴むことが重要なのです。



    ドルチェヴィータの似合う男

    タートルネック=ドルチェヴィータ。その名の響きに相応しい着こなし。

    ジョージ・クルーニーのブラック・オン・ブラックのクールさ。

    ダニー・オーシャン・スタイル3 ブラック・オン・ブラック
    • ブラックスーツ、ピークドラペル、ダブル
    • ブラック(もしくはネイビー)のタートルネック
    • ハミルトン・リンウッド・ビューマチック。黒のクロコダイル・レザー・ベルト

    ブラック・スーツにブラック(ネイビー)・タートルネックの組み合わせを、真に自分のものにするために必要なことはただひとつです。

    大人の男の魅力を身に着けるということは、結局のところは、ディオールの細身のモードスーツを着るにしても、何にしても、上半身の筋力(特に三角筋)が必要とされます。女性は必ずしも筋肉に惹きつけられるわけではないのですが、しかし、両性から見てクールなスーツ・オン・タートルネック・スタイルを手にする最短の近道は、どんなスーツやタートルネックを選ぶかではなく、それを包み込む肉体を作ることから始まるのです。



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