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フィル・ダニエルズ1 『さらば青春の光』1(3ページ)

    作品名:さらば青春の光 Quadrophenia (1979)
    監督:フランク・ロッダム
    衣装:ジョイス・ストーンマン
    出演者:フィル・ダニエルズ/スティング/レズリー・アッシュ/マーク・ウィンゲット



    すべてのモッズ・ファッションを愛する野郎どもへ・・・

    9人のモッズ。真ん中にいるのは、〝ポリス〟スティング様。

    1960年代前半にイギリス・ロンドンから一大ファッション・ムーブメントが生まれました。その名を〝モッズ〟と呼びます。本作『さらば青春の光』は、ザ・フーが1973年に出したロック・オペラ・アルバム『四重人格』(全米・全英No.2)をベースに、1964年のモッズ・ライフを描いた作品でした。

    それは、ジミーというモッズ少年が、一人の少女に恋をして、無残にフラれ、親友にその少女を奪われ、殴り合いの喧嘩をし、憧れのモッズの先輩が、普段はただのベル・ボーイに過ぎないことを知り、「カッコをつけて生きる」ということの意味を見失う、不器用で惨めな青春が描かれています。

    モッズとは、いわば僕にとっての生活規範みたいなものさ。人生に何かを与えてくれるのさ。僕は今でもモッズ。きっとこれからもずっとね。もし僕が死んだら、墓碑には〝ここにモッズが眠る〟と書いてくれてもかまわないよ。

    ポール・ウェラー、1991年。

    本作は1979年に公開され、ポール・ウェラー率いるザ・ジャムの人気絶頂が相乗効果となり、モッズ・リバイバル=ネオモッズと呼ばれるブームが始まるのでした。

    モッズとスクーターは切り離せない関係です。1960年代。

    水木しげるの妖怪チックな異様なスクーターが、当時大流行しました。

    モッズの始まりは、細かく言うと、1958年からとされています。そして、大まかに言うと、1950年代末から60年代半ばにかけて、イギリスはロンドンを中心に巻き起こった〝一歩先を行く若者達のムーブメント〟です。ファッション、音楽、スクーター、ドラッグ、セックスといったさまざまな要素に対して、「モダン=最先端を突っ走る」というひとつの美学にまとめ上げたスタイル。そのファッションは、単純化すれば以下の三点に集約されます。

    1.イタリアン・スタイルの細身の3つボタンスーツ=モッズスーツ
    2.モッズコート
    3.ヴェスパかランブレッタのスクーター



    モッズ・ファッションの生誕

    1960年代前半のカーナビー・ストリート。ヒズ・クローズ前。

    スウィンギング・ロンドン化しつつある1960年代半ばのカーナビー。

    ジョン・スティーヴンと愛車のロールスロイス、1964年。

    それは、1957年に、カーナビー・ストリートにおいて最初のブティックが出来たことから始まります。後に〝カーナビー・ストリートの帝王〟と呼ばれることになるジョン・スティーヴン(1934-2004)が手がけた伝説のモッド・セレクトショップ「ヒズ・クローズ」です(ザ・フー、キンクス、スモール・フェイセズ、ローリング・ストーンズが常連となる。1967年までに15店舗に膨らむ)。それ以後、カーナビー・ストリートに多くのモッド・ショップが誕生し、最先端のオシャレを発信するストリートへと変貌を遂げていくのでした。

    そして、1962年にモッズがはじめてメディアに取り上げられ、英国中の10代の若者に浸透していくことになります。しかし、1964年に、ロッカーズとの抗争が新聞で取り上げられ、不良少年の集団としてイメージされるようになりました。

    1966年以降は、英国経済の悪化(=英国病)も重なり、スキンヘッズ、もしくはヒッピーへと変貌を遂げてゆくことになります。そして、ファッション文化の最先端も、ロンドンからサンフランシスコへと移行し、モッズは完全に終焉を迎えることになるのでした。



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